キャラメルアイス
冷たい日もあるし、ぬるい日もある。
落ちたイチョウの糖度が落ちてくるころに、冬を実感する。
部屋はほの明るくて、外はすぐに夕日を落とす。
僕の家は、それが顕著で、ある日は監獄のように寒々しくなる。
そう思っていたのは、たぶん1ヶ月くらい前までのこと。
君との話。
ぼくは目を合わせる。
そのほかは、感覚器官の外の方にあるみたい。
「アイス好きなんだよね。今日はビスケットアイスたべた。」
さむいのに。
それっぽい言葉を言った気がする。
僕の家には、それが着陸したことなかったから。
その会話の後にはコンビニに行くと、アイスコーナーを見るようになった。
君の言っていた味を、選んで
窓から同じ星を眺めているような錯覚をおこす。
糸電話で、繋がっているよりも、薄くて小さいつながり。
それでも、ほんの少しの幸せを、少しづつ頬張るんだ。
僕の家にまで、君のアイスが及ぶようになった。
以前、会えそうもない距離なのに、
バイトに疲れた君に、アイスを届けるよって言ったんだ。
ただ会えない距離を実感した。
ぼくがアイスを食べるようになったのは君のせい。
君も食べ続ける理由が、ぼくのせいであって欲しいな。
トッピングされている街の様子をふと見ると、ぼくはその思いを強く感じる。
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