空似だよ

空似だよ

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空き家に明かりが

ある日の夜中に一本の電話がかかってきました その電話を受け、私と母と父は、夏井(仮称)という地区に向かっていました なにも聞かされていない私は、父に尋ねました 「どこに行くの?」 「夏井の家」 夏井の家というのは私達が管理してる空き家で、父方の祖父姉が住んでいた一軒家です 姉ばあさんとじいさんが二人、子はありませんでした じいさんは何年も前に他界 ばあさんは最近亡くなっています 「なんで夏井の家に?こんな時間に?」 「……電気がついてるんだそうだ。ばあさんのいた部屋の

    • 二段ベッドを覗く顔

      その日はとんでもない頭痛に襲われていましてね 学校も早退して寝てたんです 私が寝てるのは二段ベッドの上で、その二段ベッドにはカーテンがついていまして、その日は締め切っていました 頭が痛すぎて寝れないーとうなされていたとき、ふとカーテンの方に目をやったんです カーテンの端、そこに人の顔があったんです それを見て私は、 (うわ…まただよ…) と呆れ果てていました というのも、父はこういういたずらをよくしていたんです 父は驚かすのが好きで、たまに二段ベッドを揺らしてみたり、

    空き家に明かりが