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『ハチワレがでかつよにならない理由』ちいかわ考察


 本稿では漫画『ちいかわ』に登場する『友好型/擬態型』、そして『ハチワレ』の正体について考察していく。


『友好型』

 ちいかわの世界には『友好型』あるいは『擬態型』と呼ばれる種族が存在する。まず『友好型』とは、ちいかわ族や鎧さんたちに対して友好的な意思を持っているとみなされた種族のことである。作中では友好型がちいかわ族と戯れる描写がある。なお、彼らが危険でないことを判断し『友好型』と呼ぶのは鎧さん側である。


『擬態型』

 対して『擬態型』とは、おそらく読んで字の如く擬態する種族のことである。
 彼らは様々な種族になりすまし、ちいかわ族などの捕食対象を襲う。そのため、"でかつよ"同様に討伐対象となっている。

 鎧さんたちにとって、彼らを『友好型』であるか『擬態型』であるかを判断することは容易ではないらしく、度々「擬態型かァ〜?」などと発言している。これはつまり、既に登場しているキャラクターが『擬態型』である可能性もあるということになる。


『擬態型』を判別するには

 『擬態型』は見た目だけでは『友好型』と見分けがつかないため、見た目ではなく生態を探る必要がある。そこで参考にしたいのが『カブトムシ』である。

 一見愛らしい風貌のこのキャラクターは、『かぶちゃん』『ちいかぶ』などの愛称で親しまれたが、最終的に凶暴化し、『擬態型』であることが判明した。
 『カブトムシ』は洞窟に幽閉されていたところ、ハチワレによって解放された。そして『擬態型』ではないかと疑われた直後、『カブトムシ』を守ろうと逃げるちいかわによって洞窟に連れ戻された。そこでちいかわたちは『カブトムシ』にもてなされ、一度は『友好型』とみなされるも、その直後に凶暴な『擬態型』の本性が表れた。このことから、『カブトムシ』ひいては『擬態型』が擬態するのは、ちいかわ族を捕食するためだろう。『擬態型』は、住処である洞窟に対象をおびき寄せ、捕食する等の習性があるのではないだろうか。


キーワード『洞窟』 

 『カブトムシ』のケースのみでは根拠としてやや苦しいところがあるのは否めないが、『擬態型』が洞窟に生息しているとすれば、鎧さんの反応から見るに『友好型』も洞窟に生息していることにもなる。そうした場合、ちいかわの世界には洞窟に生息しているキャラクターが2個体いる。すなわちゴブリンとハチワレである。ゴブリンについては別の機会に考察する予定なので、ここではハチワレにフォーカスを当てる。


ハチワレはちいかわ族ではない?

 ちいかわが小綺麗な家に住んでいるのに対して、ハチワレは洞窟に生息している。上に述べたように、"『友好型』『擬態型』は洞窟に生息している"という特徴がハチワレにも当てはまる。

『カブトムシ』との対比構造
 
ハチワレと『カブトムシ』には、1つの対比が描かれている。上に述べたように、『カブトムシ』は洞窟で鎧さんたちを"もてなした"。この"おもてなし力"から、鎧さんは『カブトムシ』を『友好型』とした。『友好型』には"おもてなし力"がある、ということである。
 対してハチワレも、家(洞窟)で鎧さんたちを"もてなした"ことがある。


 加えて、『カブトムシ』を連れて逃げるちいかわを追う鎧さんに対して、ハチワレは「ともだちなのに〜」「ともだちだもん……」と2話にわたり発言しているのも、何かを暗示しているようにも思える。
 以上のことから、ハチワレと『カブトムシ』には、洞窟に生息しているのに加えて「おもてなし力がある」という共通点があることがわかる。

擬態/友好

 冒頭では『擬態型』は"擬態する種族"と述べたが、"ちいかわ族と同じように振舞う"という点までは『友好型』も同じである。ちいかわ族を捕食するために真似るのが『擬態型』であり、ちいかわ族と友好的に接するために真似るのが『友好型』である。
 『言語』『家事』に加えて『歌』までこなす、比較的知能の高そうなハチワレは人間(鎧さん)の行動を真似るタイプの『友好型』かと思われる。
 ちいかわたちとの関係性から見てもハチワレが『擬態型』である可能性は現実的ではない。だが『擬態型』と『友好型』との間に明確な線引がない以上は確証が得られない問題であり、ちいかわ族がでかつよ化するように、『友好型』が『擬態型』になる等の可能性さえある(ハチワレは『強さ』を求めている)。

まとめ

 まとめると、ハチワレは『友好型』であり、『ちいかわ族』ではないため、『でかつよ』になることはないが『擬態型』になる可能性はまだゼロではない
 ハチワレにもしものことがあった際、それを救えるのはやはり親友であり、『カブトムシ』にも寄り添い続けたちいかわなのではないだろうか。


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