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早稲田大学法学部へ入る君へ(法曹志望編)

割引あり

法曹志望編へようこそ。

本編では、法曹志望者向けの大学生活や勉強方法について語らせていただこうと思う。

特に、法曹志望者向けの制度として3卒制度が設けられているところ、この制度を利用するかしないかで就職活動の難易度が大きく異なる。また、GPAの重要性について認識したうえで効率の良いGPAの取り方を知らないまま最初の履修登録をしてしまうと、後悔することになってしまう。

また、大学院入試で東大京大に返り咲きたい人も、この記事を読んでおくべきである。なぜなら、東大京大の法科大学院入試ではGPAがかなり重視されているからである。

3卒の履歴やGPA、法科大学院の学歴は今後のキャリア形成においてあらゆる場面で重視されることになる。
あなたが考えているよりずっと3卒・GPAというのは大事なのである。

是非このnoteで情報収集したうえで、今後のキャリアを見通した学生生活を送っていただきたい。

私は、GPAを軽視した学生生活を送り、その結果大学院入試でかなり悔しい思いをすることになった。また、今後の就活や留学、転職活動でも一生大学生時代の自分のことを恨むことであろう。

みなさんには、このような思いをして欲しくない。この記事を読まないとしても、GPAがどのような場面で必要になるか是非調べていただきたい。

前置きはこれくらいにしておく。

本記事の概要は以下の通りです。


第1 予備試験ルートとロースクールルート

1 司法試験

法曹になるためには司法試験に合格する必要がある。
司法試験は短答式試験と論述試験の2段階に分かれている。
試験科目は
短答式試験:憲法・民法・刑法の3科目
論述試験:憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・選択科目の8科目
となっている。

※選択科目は労働法・経済法・倒産法・知的財産法・租税法・国際関係法(公法系)国際関係法(私法系)・環境法の8つのうちいずれかひとつを選んで受験することになる。

合格率は概ね45%と意外と高い。

もっとも、この合格率は次のようなカラクリがある。すなわち、司法試験を受けるためには受験資格が必要となるのである。具体的には①予備試験ルートと②法科大学院ルートの2つである。以下、それぞれのルートについて説明していく。

2 ①予備試験ルート

予備試験ルートは、司法予備試験という試験を受け、これに合格した者に司法試験の受験資格が与えられるルートである。ハッキリ言って司法試験に合格するより予備試験に合格する方がはるかに難しい。実際、予備試験合格者のの司法試験合格率は例年90%を超える。

難しさの理由はその倍率試験科目の多さにある。

令和5年度の予備試験は、受験者1万3372人に対して合格者479人で、合格率は3.6%という難関である。受験者層は幅広いが、主に東大一橋早慶中央等の高学歴層が多く、猛者達と少ない合格枠を争わなければならないため、その合格難易度は現代日本の資格試験において最難関と言っても良いだろう。

試験科目は
短答試験: 憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・一般教養の8科目

論述試験: 憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・民事実務基礎・刑事実務基礎・選択法の11科目
である。

司法試験は短答3科目、論述7科目であるのに対し、予備試験は短答8科目、論述11科目とかなり科目数に違いがあることが分かるだろう。

この難関試験に受かった選ばれし者が法科大学院を卒業することなく司法試験の受験資格を得られる。

3 ②法科大学院ルート

法科大学院ルートは、法科大学院(いわゆるロースクール)を卒業後ないし一定の要件を満たして在学中に司法試験を受験するルートである。

法科大学院に入学し、所定の単位を取得した者に司法試験の受験資格が与えられる。

予備試験ルートより難易度が低いといえるが、時間的・金銭的コストが大きく、不合格時のリスクが高いのがネックである。法科大学院ルートは、上記のようなデメリットもあるが、天才・秀才でなくとも現実的に法曹を目指すことができる点にメリットがあるといえよう。

なお、法科大学院はⅰ既習コースとⅱ未修コースに分かれる。
ⅰ既習コースは、法科大学院入試で法律の問題が出題される。卒業までに必要な年数は2年であり、未修コースと比べて司法試験合格率が明らかに高い。
ⅱ未修コースは、法科大学院入試で小論文の問題が出題される。卒業までに必要な年数は3年で司法試験合格率も高くなく、留年率は高い。

合格率は未修と既習で倍近い差があることが分かるだろう。

また、法科大学院によって、合格実績にかなり差がある点にも注意を要する。

法科大学院を早いうちから目指す人は、合格率の高い法科大学院の既習コースに入学することをすすめる。

4 結局、予備試験と法科大学院どちらが良いのか

私は、予備試験を狙いつつ滑り止めとして法科大学院を検討することを推奨する。
予備試験で問われる知識と法科大学院入試で問われる知識はほとんど重なっているからである。予備試験対策がそのまま法科大学院の対策になるのである。

また、予備試験には次のようなメリットがある。すなわち、①時間的・金銭的コストが抑えられる。②予備試験に合格することで早く法曹になれる。③予備試験ルートは就活にめちゃくちゃ強い。

①と②について先述したとおりであるから、そちらを参照して欲しい。ここでは③について深掘りしていく。

いわゆる四大(西村あさひ法律事務所、森・濱田松本法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所)といわれるような大手事務所は予備試験合格者であるか否かをかなり重視した採用をしている。というか、予備試験に受からなければ四大内定はほとんど詰みといっても良い。※もっとも、下記で説明する法曹コースはその限りでない。

このような大手事務所は初任給で年収1000万円近くもらえ、出世していけば数千万〜億の年収が期待できることから、非常に人気が高い。法科大学院ルートで大手事務所から内定をもらうには、東大学部卒の肩書や体育会系の経験等が求められることになる。法科大学院ルートでは絶対に無理とまでは言わないが、大手事務所に行きたいのであれば素直に予備試験ルートを選択するべきであろう。

第2 法曹コース・3卒ルート

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