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私にとってのsilent(1)

silent放送開始前の予告動画を見直す。
そうなるだろうと思った通り、それだけで済まないのが silentマジック、結局、オールアップの動画からこれまでの動画、諸々を見てしまった。

オールアップした目黒くんがようやく素の目黒蓮に戻っていた。少しリラックスしてる表情で見ていてほっとした。
いつもの目黒くんらしいゆったりとした口調、一つ一つ言葉を選びながらコメントをしている。
隣りで春奈ちゃんがそっと涙を拭ってた。

終わりから見たせいか、自分の気持ちもタイムスリップしていく感覚になりながら、ようやく辿りついた1番始まりの予告動画。

たった数十秒のsilentの世界、それだけで涙が出そうになっておもわず我慢した。
心がギュってなった。

そういうこと、かな。
自分にとってのsilentは、そういう存在。

ドラマ、Twitter、インスタ、公式ホームページ、予告動画、ストーリー、シナリオブック、知らない誰かが書いている感想や考察、YouTube、他にもあるかな、何度見ただろう。
どのくらいの時間を費やして考えただろう。
嫌になるほど見てるから、あらゆる場面が記憶に焼きついている。
なのに、いまだに少し触れるだけで心がギュッてなる。
なぜ silentだけそうなるのか、自分でもわからない。だからなのかな、と思う。

自分のことなのに自分で理解できない、得体の知れない何か。
嬉しい、哀しい、楽しい、苦しい、どうして?なんで?もっとこうすれば?それそれ!わかる!
同調とか共感とかそういう一言ではくくれない。

感情、もしくは感覚、ズカズカと刺さって入り込んでくる何かに囚われて、silentの世界から離れられない、離れようとすれば可能なんだろうけど、離れたくなくて自らしがみついてしまう。
ズカズカと入り込んでくるくせに、土足じゃない、すごく優しくて柔らかくて、心を幸せにしてくれる何か。

うまく言えない。圧倒的に語彙力が足りなくて不甲斐ない。でも、silentがすごく好きな人であれば、何となく言いたい事を理解してもらえる気がする。
そういう部分でsilentが好きってことなんだ。

去年の9月中旬、2022年10月期新ドラマの宣伝が各局で始まる。どのチャンネルをつけてても、CMの間や番組の終わりとかになると、新ドラマの予告がバンバン流れる。
何度も予告で見た、見るたびに釘付けになった。
駅のホーム、紬が呼びかける。
「佐倉くん!」

そして「silent」が始まる。
涙がこんなに簡単に勝手に出るものだなんて知らなかった。
フィクションだってわかってるのに、演じてるってわかってるのに、そういうの考えるのは陳腐だと思った。

ただただ、 silentで描かれていくsilentの世界にあっという間にのまれてしまった。
すごく苦しかった。
見ていたい気持ちvsしんどい気持ち。
約3ヶ月、二つがずっと自分の中で葛藤を続けた。

想と紬。
別れを人生の経験値にしながら、想は想なりの、紬は紬なりの、幸せの基準があって価値観があって、別々の道でそれぞれの日々を生きてきた。

好きなのに一緒にいる事を選べなかった想だって、突然別れを告げられて話さえできないままフラれた紬だって、年月を経て、紬母が言ってたように、楽しかった思い出として美化されていたはず。

なのに、出会ってしまった。

逃げ出す想
追いかける紬
想の腕を掴む
ようやく想と目が合う
「無視することないじゃん」
屈託のない笑顔で話しかける紬

好きな人ができたからフラれた、別れた理由がそうじゃないことの理由だと思いもしない紬だから、笑顔で話しかけられたし、引き止めてでも話したかった。
ただ、声が聞きたかった。

大好きだった人と再会して、嬉しさを隠せない紬の笑顔。
大好きだったから、一緒にいるのが辛くなる前に別れを選んだ想の「会いたくなかった」険しい表情。

想はありのままの感情を紬にぶつける。
言いたくて言えなかった8年分を。

もしつかまれた腕に振り返ったとして、言葉を発してただひと言「追いかけてくるな」とか言って立ち去れば、それで終われたかもしれない。
後味の悪さは残っても、後悔は残っても、想が押しつけた別れを、貫き通せたのかもしれない。

でも、想は想いをぶつけた。
そうすることを選んだ。

手話の理解は関係なしに、紬にわかるわけがない。
なぜなら
8年前の公園、前髪を直してくれた
名前呼んでって言われた
またねって笑顔で手を振った
私も名前呼んでもらえばよかった
明日電話で言ってもらおう
そんなこと思いながら帰った
それなのに
突然会えなくなった人
天と地がひっくり返るくらいの衝撃。

病気というナーバスなところに関して健常者は何も言えない。
そうだとしても「そりゃないでしょ佐倉想よ」って思ってしまう自分は薄情者かもしれない。
一歩、いや半歩でもいいから、再会した紬にほんの少し歩み寄れる想であってほしかった。
一方的に連絡を断たれた紬が、それを責めもせず歩み寄ったように。
自分が傷ついて苦しんだのと同じくらい、相手のことも傷つけて苦しませたってこと、一瞬でいいから、態度でも手話でも表情でも何でもいいから、示してほしかった。

ほんの少し、そんな強さや正しい思いやり方を、想に求めてしまう。
想は優しいのだろう、でも想の優しさゆえの選択は結果として、8年誰も幸せにはしてない。
ならばその優しさは間違ってたと言わざるを得ない。

思い返せば、再会した1話からそんな違和感を感じつつ「これから」に期待してたのかな。
わかるんだ、それだけ紬のことが大切だったってことくらい。
伝わらないってわかってても気持ちをぶつけてしまうくらい、今でも忘れてないってことも。
まあでも、再会した直後に紬に歩み寄れる想だったら、想は別れを選んでないのかな。

しまった、1話まででこの長文。
思ってたことをつい吐き出してしまった。
一旦落ち着こう。

文字にすると、次々と残したい気持ちがとどまることを知らない。困った。

ぼちぼちいこう。

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