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日記・エッセイ

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日々の日記、または過去のエッセイ。
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#アルバイト

エッセイ#44『ほんとにあった夢十夜⑤』

 こんな夢を見た。  その理由は恐らく寝坊かと思われるが、私は古本屋のアルバイトに遅刻をしてしまった。今まで無遅刻無欠勤を守り通してきたが、アルバイト3年目にして初めてこのような失態を犯してしまった。  アルバイト先である店舗は、自宅から自転車で30分程の所にある。しかしながらその時の私はなぜか、徒歩での出勤を試みてしまった。特に焦っている様子も感じられない。  過去に自転車に乗る夢を見たことがないことからも、もしかすると私の夢には自転車が存在しないのではないかと予想される。

エッセイ#37『古本屋の思い出-後篇-』

店長 私のアルバイト史上最大の転機が訪れたのは、大学4年の初夏のことである。これまで店長を務めていた船橋さんが、職場を移動することになったのだ。  いつも通り漫画の棚入れ作業をしていると、80円コーナーの本の何冊かが背表紙を上に向けた状態で置かれていた。また誰かがイタズラをしたか、本が独りでに動き始めたのだろうと思い、元の状態の戻すと、全く面識のない男性に声を掛けられた。  「おーい、それ戻しちゃ駄目だよ~」  そう言ったのは「エリアマネージャー」を名乗る人物で、スマホのよ

エッセイ#35『古本屋の思い出-中篇-』

きっと本は生きている 1年程アルバイトを続けてわかったこと、それは「本は独りでに動く」ということだ。  皆さんも書店や古本屋で経験したことがあるのではないだろうか。本棚に並べられた本の上部の隙間に、その売場とは関係のない本が横たわっていたり。平積みされた本の上に、数ブロック隣の本が置かれていたり。それはきっと、本が勝手に動いたことが原因だろう。  一度、私はこんなことを考えた。お客さんが一度手に取った本を、やっぱりいらないからと別のコーナーの本棚に置いたのではないか、と。しか

エッセイ#34『古本屋の思い出-前篇-』

まえがき 本日をもって古本屋のアルバイトを辞めた。初出勤は大学1年生の夏のことだったので、もうかれこれ3年半の月日が経過したことになる。  始めた理由は本が好きだからでも、家から近いからでも、時給が良いからでもない。ただただ人との会話が苦手だからだ。居酒屋やコンビニは「見知らぬ相手との会話」が必ず発生する上に、何だか業務内容も大変そうだ。私には絶対に務まらない。「人との会話が少なさそう」を条件に求人サイトを見ていたところ、目に留まったのが古本屋のアルバイト募集だった。  先程