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日記・エッセイ

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日々の日記、または過去のエッセイ。
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2023年3月の記事一覧

エッセイ#63『晴天東京・雨天千葉』

 物凄く久しぶりに東京タワーへ上った。  思い返すと中2以来、つまり8年ぶりである。  快晴の日に上る東京タワーは格別で、流石は長いこと東京のシンボルという大役を果たしていただけの実力の持ち主である。  東京スカイツリーが出来た今でも、東京タワーが「東京のシンボル」であることは(私の中では)変わらない。よく晴れた日には小学校の音楽室から東京タワーが微かに見え、児童のみならず先生までもがその姿に釘付けになっていたからだ。  晴天の東京タワーからは、お台場や羽田空港も見える。

エッセイ#62『25cm』

 靴がボロボロになったので新しいスニーカーを買いに行った。  向かった先は無印良品。買うのは、私が世界で一番シンプルなスニーカーだと信じて止まない「疲れにくい スニーカー」だ。商品名にもなっている「疲れにくい」が本当かはさておき、世界で一番シンプルなスニーカーであることは、紛れもない事実である。  買ったことがある人ならわかると思うが、「疲れにくい スニーカー」はサイズが全体的に小さい。店舗に並ぶ商品は軒並み23cm台ばかりだ。  私の足のサイズは成人男性にしては小さいもの

エッセイ#61『金ネクタイのおじさん』

 電車にて、目の前の座席に、金色のネクタイを結んだおじさんが座っている。  社長だろうか。  私は、金のネクタイを普段から結んでいる人を現実では初めてみた。『こち亀』のアニメに出た来た気がしないでもないが、所詮はギャグアニメの登場キャラクターである。現実では目の前のおじさん(仮に金剛さんとする)がやはり初めてだ。  その「金色」というのも、本当に「金色」だ。黄色や黄土色なんて言葉で代用できるような色ではなく、正真正銘の「金色」である。そもそもこんな色、どこに売っているんだ。

エッセイ#60『天才児』

 天才児という存在に憧れがある。たまにテレビでも「英検1級に一発で合格した天才小学生」みたいな感じで紹介されている子供が出ていることがあるが、漏れなく腹が立つ。腹が立つということは憧れがあるということであり、自分には到底辿り着けない域であることを認めてしまっているということだ。  私は現在、天才でもなければ子供でもないので天才児ではないのだが、母親がよく話す私の幼少期のエピソードを聞くと、もしかすると私は天才児だったのではないかと思えて仕方がない。  例えば幼稚園児の時、私

エッセイ#59『24円』

 クレジットカードの引き落とし日が近付いてきたので、先月の利用履歴を確認していると、身に覚えのない金額が記されていた。使用場所は最寄りのファミリーマート。金額は24円である。  いったいこれは何の代金なのだろう。しばらく考えてみた。  脳内で店内を3分程うろちょろしてみたが、24円で買えそうな商品は見当たらない。それに、もし仮に24円で買えるものがあったとしたら、確実に現金かICで払っているはずだ。当時の私は何故こんな安価な商品をクレジットカードで支払ったのだろう。24円の商