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握りしめた気持ちが辛かったら手放せばいい:「カムカムエブリバディ」

「息子を奪った嫁の実家の和菓子」だったおはぎが
「息子が初めて買ってきてくれた思い出のおみやげ」という
懐かしくてあったかいものになったんだなあ。

美都里さんに昨日も今日も泣かされた
「カムカムエブリバディ」。

息子への愛が深すぎて、息子を失った悲しみが深すぎて、安子にもひどい言葉をぶつけ、もうひとりの息子、勇に目が向いていなかったようにも見えた哀しい母だった美都里さん。

いつ豹変するかとドキドキしていたのだけど、心から「息子がかわいくて仕方がない」愛情深いお母さんになっていた。まるでつきものが落ちたみたいに。愛の人として稔さんの元へ行けてよかった。最後までドキドキしててごめんなさい。

YOUさんがあさイチで
「最後までやな感じなんです」って言うから。
だまされたー(笑)

安子のおはぎを見て、稔が買ってきてくれたことを思い出して涙している美都里さんに

おいしゅうなあれ、おいしゅうなあれ。
食べる人が笑うてくれますように。

と言って、おばあちゃんの頭をなでる孫のるいちゃん。

あんなに嫌っていた「町のちいさな菓子屋」のおはぎ。金太さんが、安子が、いつも気持ちを込めていたあんこづくりのときの、おまじないのような言葉が、孫のるいちゃんを通して、美都里さんに届く。

技術だけじゃなくて、心をこめたモノづくりをしてきた職人さんの心が、魂が、意図せずとも伝わっていって人の心に沁みわたっていく。

こんな時代だからこそ、たちばなのお菓子で救われる人がいるはずじゃ、と言った金太父ちゃんは、夢の中の算太に救われた。金太父ちゃんの作ったおはぎの記憶に、戦場の算太は救われたんだ。

おはぎでこんなに泣かされるなんてね。

誰かに怒りをぶつけることも恨むこともできないほど、心身ともに弱っていたような美都里さん。かたくなに手のひらに握りしめていた怒りも憎しみも手放したら、あんなに穏やかな表情になって、思いがけず算太の心もゆるませて。算太も握りしめていた反発心やこだわりをちょっと手放せた。

しんどいときは自分が握りしめていることにも気が付かない
でも、気が付いたら手放せばいい
しんどいなら手放せばいい
こだわりを捨てたら少しだけラクになることもある

握りしめてたこだわりを手放して
もうひとりの大切な息子、勇の活躍を見て
夫の千吉さんからもありがとうと言ってもらえて
大好きな息子、稔がいるであろう場所に旅立っていった。

最初に安子の前に立ちはだかった
ラスボスのような美都里さんに
こんなに泣かされるとは思いませんでした。

やられたよカムカム
油断ならないなもう(笑)。

*********

岡山を離れるロバートさんが、安子にかけた言葉。

「英語の勉強。これからも続けてください。きっとあなたをどこか、思いもよらない場所まで連れていってくれますよ」

英語は安子をどこに連れて行ってくれるのだろう。

よかったらこちらも併せてどうぞ。

2021年12月14 日(火)放送 第32回


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