フランス語力がなくてもフランス留学がしたい〜フランス政府奨学金制度について〜

 こんにちは。
2022-2023年度のフランス政府奨学金(理系)に合格し、春からクレルモン=オーベルニュで研究実習生として4ヶ月間、バイオマテリアルに関して研究する予定です。

フランス政府奨学金に応募し、合格するまでの流れについて述べようと思います。
また、有料記事( 800円)をご購入いただくと、実際に申請に使った申請書と、プレゼンテーションスライドの閲覧が可能になります。

私のスペック

どのようなスペックで奨学金を応募したのか、参考までに書いておきます。

・国立大学院生 2022年度春から博士後期課程に進学。
フランス政府奨学金(理系)の研究実習制度で春からフランスに留学予定
・語学力 TOEIC 915点 
フランス語を学習したことはありません。また、英語に関してもTOEICの
点数の通り、特別できるわけではありません(Speakingが苦手。)
・出版 論文1報 主著
・資格 危険物取扱者甲種

 フランス政府奨学金制度

フランス政府奨学金制度は、日仏間の大学間交流・研究交流を目指し、フランス留学を計画する日本人学生に対して、フランス政府が奨学援助を行う制度です。大学生・修士学生・博士学生など様々な学生が給費対象になっています。およそ90年の歴史をもつ奨学金制度です。フランス語ができなくても、最低限英語ができれば問題ありません。

https://jp.ambafrance.org/bgf

援助内容
フランス政府奨学金では、次のような援助を受けることができます。
・滞在費
 どのタイプ(大学生・修士・博士)の給費を申請するかによりますが、返済不要の滞在費が与えられます。私が申請した研究実習給費では、1704ユーロ(約22 万円)の滞在費を得ることができます (大きいですね。)

・往復の航空券・留学先までの電車賃
 滞在費に加えて、フランスへ出発するのに必要な航空券の往復を補助されます。さらに、留学先が空港から遠く離れており、電車を利用する必要がある場合は、その電車賃が補助されます。

・VISA申請費 
 90日以上フランスに滞在する場合、VISAを申請する必要があります。その際、99ユーロ(約12000円)の申請費を支払う必要がありますが、フランス政府奨学生は免除されます。

・社会保険
 日本の保険制度のように、フランスにも社会保険制度があります。社会保険料も免除されます。

・学生寮の優先的入寮
 フランスの滞在先が学生寮である場合、その入寮手続きが優先されます。

このように、フランス政府奨学金制度は、フランス留学における全てを援助されると言っても過言ではないでしょう。なので、政府奨学金に合格することは非常に価値があります。

申請の流れ

 申請には、1. 書類審査 2. 面接試験の2段階の試験があります。

1.書類審査(11月中ばごろ)


まず、書類審査では、次のような書類が必要になります。

B1. カバーページ
出願サイトでダウンロードし必要情報を入力したカバーページを PDF に変換し添付すること。
B2. 略歴(フランス語または英語、および日本語) 小学校以降学んだ学校名、研究所名、研究経歴、職歴、発表論文、学位、資格、その取得年月日を詳しく 記載すること(2022 年度取得見込みの学位も含む)。数カ月以内に撮影した証明写真(カラー)を略歴の 1 ページ目に添付すること。仏日、あるいは英日二か国語の略歴を 1 枚の PDF にして添付すること。
B3. 推薦状(フランス語または英語) 現在の指導教官あるいは指導を受けている研究者(現在いなければ直近の指導教官あるいは研究者)から
の推薦状。和文の場合は仏訳あるいは英訳を添付。機関のレターヘッド付き書簡用紙を使用し、日付、署名、 署名者の氏名・肩書きが明記されていること。
B4. 受入承諾書(フランス語または英語) フランスの希望受入機関(大学などの高等教育機関または研究所)からの受入内諾書。機関のレターヘッ ド付き書簡用紙を使用し、日付、署名、署名者の氏名・肩書きが明記されていること。 ※応募の時点で受入承諾書が入手できない場合は「受入承諾状況説明書(フランス語または英語)」(様式 任意、入手できない理由、入手予定時期を記載)を作成し添付してください。ご不明な点は事前にお気軽に お問い合わせください。
B5. 研究計画書(フランス語または英語)
1~2 ページの詳細な研究計画書。共同給費の場合は、給付情報(協力機関名、分かる場合は協力機関か
らの給付額)、申請状況(承認済み、申請中、申請前など)も記載すること。博士給費(交互滞在型)の場 合は、フランスでの詳しい研究滞在日程を盛り込むこと。
B6. 成績証明書(フランス語または英語) 大学入学以降の学業成績証明書。裏面の成績評価基準も含めること。

https://www.institutfrancais.jp/wp-content/uploads/2021/09/Règlement-BGF-Science-2022-2023_JP-2.pdf

  申請書類の中で最も大事な書類だと考えられるのが、研究計画書です。具体的で
練られた研究計画書を作る必要があります。また、誰がみても理解できるような書き方を心がけなければなりません。
 
 次に大事な書類は、推薦状と受け入れ機関からの受け入れ承諾書です。これらは
指導教員や受け入れ先の大学の先生にお願いして作成してもらう必要があります。最低でも提出1ヶ月前までには依頼をするようにこころがけましょう。

 理系のフランス政府奨学金制度では、語学力の証明書の提出が不必要です。質の良い計画書を、最低限英語またはフランス語で文法上の誤りなく書くことができれば書類審査は合格することができます!募集要項の情報に沿って書くべき情報をしっかりと、わかりやすく書くようにしましょう。

 全ての書類が完成したら、フランス政府奨学金の募集ホームページに書類を貼り付けて送付を行います。送付が完了すると、書類を受領したというメールが届きます。また、どこまでかはわかりませんが、書類に不備があると、直してくださいといった主旨のメールが届いたりします。

2.面接試験(1月終わりごろ)

 書類審査の締め切りから、1ヶ月と少し立つと、書類審査結果を知らせるメールが届きました。そして、面接試験の案内も届きました。面接試験は1月の終わりごろに対面(フランス大使館)またはオンライン(Zoom)で行われます。フランス大使館から500 km以上離れた場所に住んでいる人はオンラインでの面接試験が推奨
されています。私は大阪在住なので、オンラインで行いました。
面接は、
・10分間のプレゼンテーション
・10~20分間の質疑応答

が行われ、研究テーマに関する理解度・言語力・指導教員とのコンタクト・
モチベーション 
が審査されます。
 
プレゼンテーションは3枚以内 10分以内という制約があり、

受験者の自己紹介(1 ページ)、留学・研究計画の紹介(2~3 ページ)、留学に対するモチベーション(1 ページ)

https://www.institutfrancais.jp/wp-content/uploads/2021/09/Règlement-BGF-Science-2022-
2023_JP-2.pdf

の形式で作成することが推奨されています。重要なことはやはり留学・研究計画を
いかにして面白いと思わせる
ことにあると思います。 そして、自分はこの留学を通じて何を吸収したいのか、なぜフランスで学ぶ必要があるのか、どんな人に将来なりたいのか ということもしっかり伝えましょう。

 質疑応答では、基本的なことを数問聞かれました。例えば、「受け入れ先の指導教員とはどのようにコンタクトを取ったのか」とか、「○○(今回研究を計画している材料)の特性について説明してくれますか」といったことです。質問の多くは、研究計画書とプレゼンテーションの中身から聞かれるので、あらかじめ想定質問を練っておくことを強く推奨します。私の場合、全部で五個の質問がりましたが、そのうちの3つは想定質問でした。

3.合格発表(2月中ばごろ)

 面接から3週間弱経った頃に、フランス政府奨学金から合否に関するメールが送られてきます。合格おめでとうのメールを見てやっとほっとすることができました。修論発表で忙しい中時間を割いて取り組んだ甲斐がありました。フランス行きの航空券がゲットできて、かなりの額の生活費まで支給されるので、心置きなくフランスで研究することができます。また、フランスから自身の研究計画・スキルを認めて貰ったという自信もできました。研究頑張るぞ〜。

合格後は、VISA申請や奨学金申請書類を出す必要があります。
そこからの手続きがめちゃくちゃたいへんなので今後記事にまとめようと思います。

まとめ

以上が、フランス政府奨学金の応募・審査・合格までの流れになります。
フランス政府奨学金はフランスに留学するのに必要なもののほぼ全てを援助してくれる制度です。フランス留学を考えているそこのあなた、腕に自信があるなら是非
挑戦してみては..?
 以下は有料でありますが、実際に提出した研究計画書と、プレゼン資料になります。

是非参考にしてみてください!!

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