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ダムはなぜ鉄筋コンクリートで造らないのか?

建築のビルや橋は当たり前のように鉄筋コンクリートが使われている。
建築や土木に明るい技術者でもおそらく疑問に感じると思うのが、ダムのような大規模な構造物がなぜ鉄筋コンクリートで作られていないのかということだ。

ダムはそもそも「ダム本体に引張力が働かない構造」にするという掟のようなものがある。コンクリートというのは圧縮に強く、引張に弱い。どのくらい引っ張られるのに弱いかというと、圧縮の約1/10と言われている。

土木構造物の中でもダムは結構レアな構造物なのです。
普通土木構造物というと、文字通り、擁壁や土留め壁のように土を支えるために作られるものが殆どですが、ダムは上流に貯まった水を支える役割をしています。

つまり、土圧じゃなくて、水圧に耐える構造物なんですね。
上から押されるだけなので、コンクリートで作られたダム本体は圧縮されるわけです。(僕も上司からの圧に耐えるのが得意だったので、もしかしたら前世はコンクリートだったかもしれません。)

ただ、全く鉄筋が入っていないわけではないんです。
洪水吐、取水塔、水圧鉄管、フーチング以外の階段、導流壁、エレベーター、副ダムなどは鉄筋が入っています。僕らはこれを構造物周りの鉄筋と呼んでいます。主に開口(空洞)になっているところには補強として鉄筋が入っていると考えると分かりやすいかなと思います。

さていかがでしたでしょうか~?
皆さんの知りたいダムの知識やダム造ったことがある人だから答えられることを発信していこうと思っています。
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サムネの素敵な絵はkei02さんに描いて頂いております。


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