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<MBTI>寡黙な性格タイプとおしゃべりな性格タイプ

 数年前に「女性は話が長い」といって解任された老政治家がいたが、私は周囲の人間を見回して、特に女性が話が長いと感じたことはない。むしろ16タイプとの相関が高い気がする。今回は16タイプと会話量の関係について論じてみたいと思う。

異次元に喋るタイプ

ENTP

 全タイプで最も会話量が多い性格タイプはENTPだろう。人生で寡黙なENTPの人物を1人として見たことがない。ENTPの価値観は最終的に人前で話すことに帰着することが多いし、人と積極的に絡んで発信していないと満足が出来ないだろう。N型の人間は全般的に話したいことが沢山あることが多いが、その中でもENTPは群を抜いているように思われる。

かなり喋るタイプ

ENFP

 ENFPもまた、会話量が多いタイプだ。ENTPのような異次元のレベルではなく、場の空気に応じた適切な量ではあるが、ENFPはよく喋る。少なくとも寡黙なENFPを見たことはあまりない。ENFPは周囲の人間と楽しく盛り上がることが大好きであり、話題が無尽蔵に湧いてくるタイプだ。ENFPが人と一緒にいる時は常に楽しく話しているだろう。

INTP

 INTPも会話量が多い。ただし、その表出の仕方は独特だ。学校のクラスや職場のような場所ではINTPは寡黙であると思わえていることも多い。ただし、これは単にINTPが話せる状況に無いことが原因だ。自分の気の合う相手や話題を共有している相手に対してはINTPは非常に多くの会話を行う。いわゆるオタク語りと考えた方がいい。INTPは常に沢山の知識を吸収し、沢山のことを考えているので、話したいことはたくさんあるのだ。

ENTJ

 ENTJも会話量はそこそこ多い。ただし、ENTJのスタイルはP型とは異なり、格式張っていることが多い。ENTJは壇上で自分の持論を演説するようなスタイルのコミュニケーションを好む節がある。フリートークもそこそこ得意だが、やはり格式張ったところがあると思う。

ESFP

 世間一般に流布されているステレオタイプの類いは基本的にS型を念頭に置いていることが多い。「女性は話が長い」もその中の1つだ。私の経験上はS型に関しては女性の方が会話量が多いが、N型に関しては男性の方が会話量が多い。N型が多く集まる進学校のような場所では寡黙な男性をあまり見かけない。常にハイペースで話していることが多い。

 ESFPの男性の会話量は平均的か、やや多いくらいだろう。寡黙と認識されることはまずないが、何時間もぶっ続けで話しているタイプではない。これに対してESFPの女性はそこそこ会話を楽しむことが多い。SF型に会話の例に漏れず、日常生活の延長の話に共感を求めるスタイルが多い。

そこそこ喋るタイプ

ESTP

 S型の中では良く話す方だ。ただし、N型ほど話したいことが多い訳では無い。S型の会話はリズムが重要だ。大量の内容を伝えるためにテンポが滞るような事態を嫌がる。このあたりがS型とN型で大きく会話スタイルが異なる理由だ。ESTPは陽キャなので会話をリードしていることが多いが、会話内容は薄く、ひたすらノリとボケが続いているだろう。

 S型の人間とN型の人間の会話の大きな違いなのだが、N型が言いたいことを徹底的に言い尽くすスタイルのなのに対し、S型はかなり会話のリズムに重きを置いているようだ。N型の人間は言いたいことが多い時は自分の話のタームが長くなるのに対し、S型は一定である。

INTJ

 INTJは不用意に口を開かないので、一見寡黙なタイプに見える。しかし、そう見えるだけだ。INTJの脳内では話したいことが渦巻いており、一度話し始めれば止まらないタイプだろう。

 INTJの話は一方的な語りになることが多いのが特徴だ。議論もそこそこ好むが、ENTPやINTPのように思考を拡散させるのが目的ではなく、特定の結論に収束させようとすることが多い。したがってINTJの会話は「講義」のような色彩を帯びることになる。

ENFJ

 ENFJはEN型の中で比較的地味なタイプであり、そこまで会話量は多くないタイプだ。聞き役に回ることが多いし、うるさいという印象を持たれることは少ない。ただし、ENFJはかなりのコミュ強であり、社交性は極めて高い。要するに、よく話すこととコミュ強であることは別だということだ。

 N型はキャラが濃い人間が多いが、ENFJはその中では比較的控えめなタイプであり、そこまで目立たない。会話量の相対的な少なさが原因かもしれない。とはいえ平均と比べると間違いなく会話量は多いタイプであり、寡黙な人は見たことがない。

平均程度に話すタイプ

INFP

 INFPは丁度平均程度に話すタイプだろう。INFPは引っ込み思案なところがあり、普段の環境でそこまでたくさん話すタイプではないだろう。INFPの場合は心を開ける相手かどうかで会話量が大きく変わるタイプであり、場所格差が大きいと言えるだろう。

 INFPは会社の忘年会や中高のクラスではかなりおとなしい方だ。ただし、親しい友人と数人でマニアックな会話を楽しんでいるだろう。外行きの会話は苦手だが、内輪の会話は大好きだ。ただしF型なのでINTPのように大量の知識量を吐き出すような感じでは無い。

 NT型よりNF型の方が総じて会話量が少ないと思う。理由は両者の気質にある。NT型は言いたいことを全て話そうとするし、穴がないように注釈のように説明を繰り返す。ところがNF型の場合は余韻や表現がうまく、あえて長々と語らないところがある。NTの語りが評論や新聞記事だとすれば、NFの語りは詩文やキャッチコピーに近いだろう。

ESFJ

 ESFJはINFPとは対象的に、どの場面でも同じくらい話していることが多い。ESFJはかなりコミュニケーション能力が高く、ありとあらゆる環境に順応し、周囲の人間から好かれているだろう。S型あるあるなのだが、ESFJは話したい持論が沢山あるわけではない。どちらかと言うと日常会話や情報伝達のために話すタイプである。したがって独特の井戸端会議のような感じがある。

 

やや寡黙なタイプ

INFJ

 INFJは控えめなタイプであり、人前で目立つのを嫌う。自分の本心もそこまで開示しないことが多い。したがってINFJはやや寡黙な印象を受けることが多い。ENFJと同様にN型にしてはあまり目立たないタイプだ。

 ただし、INFJの内的世界はかなり複雑で、深い。INFJが考えていることはかなり多岐にわたるだろう。彼らからその内容を聞き出すのは難しいのだが、それでも仲良くなれば開示してくれることもある。INFJの人間はしばしば文筆家にも見られるが、彼らの文章を読むと、本当は話したいことが沢山あることが分かる。

ESTJ

 ESTJは通常陽キャのように扱われるし、にぎやかなタイプと思われることが多い。しかし、ESTJを良く観察すると、会話量自体はあまり多くないのではないかという印象を受ける。

 ESTJは元気がいいし、声が大きいのだが、ESFJにも増して持論を語るようなタイプではない。必要な時に過不足なくコミュニケーションを取るのだが、持論や話したいこととなると、意外に多くないというのが実際だ。ESTJはプライベートの飲み会となると、意外に話題が少ないことが多い。じっくり話すよりも、賑やかしの方が遥かに得意だろう。また、体育会系タイプは元気がいいことが求められるが、議論を繰り返したり自己表現を続けたりという要素はあまりないだろう。

寡黙なタイプ

ISFP

 ISFPは寡黙なことが多いタイプだ。ISFPは自分の好きなことを追求するタイプであり、内的世界がそこそこ広がっていることが多いが、N型のように自分の思考を大量に言語化しているわけではない。むしろ実際に行動したり、環境をともにすることで内的世界を充実させるタイプである。また、社交性もそこまで高くないので、のべつ幕無しに周囲の人間と話すこともあまりないだろう。

ISTP

 どこまで実態に即しているかは別として、ISTPは寡黙な武人タイプとして漫画等では描かれることが多い。実際のISTPはもっとマイルドなことが多いが、会話量に関しては少ないタイプだろう。ISTPは「うるさい」タイプであることはまず無いし、そういった人間に対して冷ややかのように見える。

 ISTPも自分の興味のある分野に関しては博識であることが多い。ただし、INTPのように無尽蔵の言語化をしているわけではない。両者の大きな違いはこの点だ。INTPは興味のある分野に関しては一晩中語ることができるだろう。ISTPとINTPの見分けるポイントはここだ。

ISFJ

 ISFJも寡黙なタイプである。元から話したいことが多いタイプではないのだ。興味関心は合っても、無尽蔵に言語化する趣味はないし、社交に関してもESFJほど堂々とはできない。ISFJは集団で目立ったり、引っ張っていったりするよりも、受動的について行くことを好むタイプだ。

ISTJ

 おそらく全タイプで一番寡黙なのはISTJだと思う。ISTJは黙々とした仕事人であり、おしゃべりに関しては無駄だと思っているだろう。元から話したいこともそこまで無い。ISTJは実務能力が高いが、業務外の飲み会は苦手なタイプだろう。話を振られると、緊張したり恥ずかしがるタイプだ。ただし、大抵の職場では頼りにされているので、ISTJは寡黙でもそれなりに認められているだろう。

男女差について

 冒頭の「女性は話が長い」の当否についてだが、実際に多くの文化圏で「女性はおしゃべり」だというステレオタイプがあるようだ。ただし、実際はもう少し複雑だと思う。この手のステレオタイプはS型が基準となっていることが多く、N型にはあまり当てはまらない。女性はF型が、男性はT型がメインだが、T型とF型でそこまで会話量の違いはないように見える。F型は会話それ自体を重視し、T型は内容を重視するが、話したいことの総量はそこまで大きな違いはないだろう。

 経験上、男女の会話量に関しては大体このような傾向が見られる。
N型の男性>女性>S型の男性
 私の周囲は大半がN型の人間なので、男性の方が女性よりも圧倒的に会話量が多い。N型の男性は自分から話したがらないことも多いが、いざ話を振ったり個人で飲みにいくと会話量は極めて多い。N型に関しては男女が逆転している様は「朝まで生テレビ」を思い浮かべればいいだろう。ニュース番組や討論番組といった場所では必ずと言っていいほど男性ばかりが会話を主導している。一方で昼間の情報番組のようなS型のテーマの場合は女性の方が会話を回しているケースが多いだろう。

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