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<MBTI>N型必見?!ESTJの攻略法について徹底解説する

 社会で生きるうえで皆何かしらの困難を抱えているものだが、MBTIの界隈においては特にESTJに苦手意識を感じる人間が多いようだ。確かにESTJはMBTIの界隈でおそらくいちばん多いINFPと真逆の性格タイプだし、INTPやINFJといったタイプと比べても心理的な距離が大きいだろう。

 ただし、ESTJはMBTIの界隈で思われているほど凶暴なタイプではないし、扱い方さえマスターすればかなり付き合いタイプである。ESTJは会社組織のような場所では支配的な立場にいることが多く、彼らの思考様式を理解することのメリットは大きいだろう。今回はそんなESTJの「トリセツ」について考察したいと思う。

ESTJは性格が悪い?

 MBTIにハマるようなタイプはINFPとかINFJといったタイプが多い。彼らは基本的にESTJとは価値観や考え方が正反対であることが多い。したがって「苦手なタイプ」や「理解不能なタイプ」として挙げられるのはESTJであることが多い。ESTJがMBTI関係のサイトを見たり編集しているケースはほとんどないので、なおさらである。MBTI界隈においてESTJは常に客体として存在していると考えて良いだろう。

 そんなESTJだが、しばしば性格が悪いと言われることがある。確かにTJ型は特有のキツさがあるので、ESTJは特にそう言われがちなのかもしれない。

 ただし、筆者の見解によればESTJは思われているほど性格は悪くないと思う。というより、普通にいいヤツが多い。TJ型の中では比較的付き合いやすい方である。単にNF型やNT型が彼ら思考様式や行動原理を理解出来ていないだけなのである。正直、NT型の方がはるかに厄介だと思う。

 それではESTJの行動を支配する法則や彼らとの付き合い方はどのようにすれば良いのだろうか?

ESTJは「業務遂行マシン」

 しばしばINTPはロボットとか、実は心の温かいロボットだとか言われるのだが、現実にロボットに近いのはどちらかと言うとESTJである。彼らの行動原理は非常に単純だ。ESTJはその環境で良いとされているもの、優れているとされるものに染まっていく。競争心が強いことと、やや人に冷たいことを除けば彼らの「自分軸」というのは実は殆どないのである。

 例えばESTJがいじめ行為に手を染めるシチュエーションを考えてみよう。ENTPは元から挑発的なところがあり、新規なアイデアの実験台としていじめ行為に手を出すきらいがある。ESTPは単純に暴力的とか攻撃的というケースが多い。ESTJがいじめ行為をする場合は十中八九その集団がいじめを助長している時だ。要するに、体育会系のいじめが近い。ESTJが不祥事を起こすときも決まって体育会系絡みである。今では昔の事になってしまったが、日大の悪質タックルなんかはESTJ的かもしれない。加害学生は単に監督の言いつけに従ったまでなのだ。

 ロボットというとISTJの方がしっくり来るかもしれない。ただ、ISTJは規律正しく無愛想かもしれないが、自分軸をESTJに比べれば持っていることが多い。ESTJはそうしたものが本当に無いのだ。これはESTJという人種を外形的に観察しただけではまず気が付かないため、意識的に見る必要がある。

 ESTJという人種を乱暴に言ってしまえば「業務遂行マシン」である。この点を肝に銘じるべきだ。INFPやINFJといった人々はこうしたESTJの特性を深く認識せず、相手に理解と共感を求めるため、話がおかしくなってくるのだ。性格が悪いのではなく、業務遂行に役に立たないことには本当に関心が無いのである。

 では次項からESTJの具体的な攻略法を考えていこう。

1.ESTJに理解・共感を求めない

 ESTJが苦手という人の中にはESTJに自分の考え方や悩みに関して理解や共感をしてほしいのに、してくれないという点が根源にあることが多い。結論から言うとこのような行為はESTJが最も苦手なことであり、ESTJに理解や共感を求めようとしてはいけない。

 NF型が展開する固有世界は一定の興味と読み取り能力が無いと侵入不可能であり、ESTJはここに入っていく気はない。NF型の重厚な固有世界はESTJにとって興味をそそらないし、役に立つとも思えないからだ(仮に何らかの点で役に立つのであれば、ESTJは熱心に学習し始める)。

 ただし、ESTJは別に相手を嫌っているというわけではなく、単純に理解がないと考えたほうが良い。というか、ESTJという人種はあまり人の好き嫌いが無い部類である。その集団が何らかの要因である人物を排除しようとすればESTJは冷酷無比な側面を見せるが、そうでない場合はESTJは大人の対応を見せるはずだ。

 ESTJに対して避けた方が良いのは、泣き落としをはじめとした相手への共感をベースとする表現である。嫌っていると言うよりも、純粋に理解できないので、不誠実な印象を与えてしまうだろう。

2.ESTJの威圧・説教を真に受けない

 とは言え、ESTJは活動的で集団内で高い地位にいることが多いため、その言動や行動はかなり威圧的になりうる。体育会系のシゴキや特有のおら付いた雰囲気で見ただけでやられてしまう者も多いかもしれない。ESTJは業務遂行マシンといったが、競争心は人一倍強いため、その言動や雰囲気はしばしば攻撃的になりうる。使えない部下に説教したり、嫌味を行ったりすることも頻繁である。

 ただし、このようなESTJの行動はよく観察してみると非常に単純である。N型のような複雑な自意識やマウントは存在しない。ESTJの説教はあくまでその集団内で一般的に共有されている規範を大声で読み上げているだけということが多い。この「大声」というのがミソだ。ESTJが注力しているのはどちらかと言うと元気の良さや処理速度や上下関係に伴う微妙な作法であり、説教の内容についてあれこれ考えるような趣味はない。

 ESTJは威圧的に見えることもあるが、よくよく見てみると声が大きいだけなのだ。行動の予測可能性も高い。彼らはNT型やNF型に比べると遥かに現在志向なので、過去に関してグチグチということもなく、さっぱりとした性格である。

 というわけでESTJの威圧や説教はただ声が大きいだけで特に内容は普通であることが多く、あまり真に受けて悩み過ぎるのは良くない。信号無視を警察官に怒られるような感覚で望むべきである。しばしばN型は厳しい説教や叱責の背景には深い教育的な意義があり、カリスマ性があるのではないかと期待してしまう時があるだろうが、ESTJにそういったものはあまり期待できない。ESTJは個人としてオリジナルの倫理性を追求するのではなく、倫理性を一定程度備えた集団に入ってしまったほうが高潔な人間になれるだろう。

3.スポーツの話を楽しむ

 ここまで書いた内容を踏まえるとESTJは会社や仕事以外に興味のない淡白な人間に見えるかもしれない。実際彼らは役に立たないことに興味を持つことは少ないものの、例外はいくらでもある。その最も重要な例がスポーツである。

 ESTJはスポーツを好むことが多い。役に立つ立たないではなく、純粋に好きなのだ。ESTJやESTPといった人々(特に男性)にとってスポーツというものは価値観において極めて重要なポジションを占める。ESTJ男性の多くは何らかの形で運動部に所属していたことが多いし、そこで体育会系マインドを身に着けていることが多い。ESTJはESTPと同様に見た目の「強さ」を重んじており、ここもスポーツとの親和性を伺わせる。同じ強者崇拝的傾向のあるタイプでも、ENTJやINTJは「潜在的有能感」と呼ぶべきものを重んじており、対称的だ。

 よくサラリーマン啓発本にはスポーツ関係の話が見られるのは、ES型に通じやすいという側面は無視できないだろう。宮崎駿や庵野秀明が登場のような人物はまず見たことがない。スポーツ選手はS型でもN型でも「すごさ」を認識しやすいので、万人受けである。

 なお、ESTJの受けたい時は基本的に野球やサッカーなどメジャースポーツが良い。マイナースポーツは特に相手が経験がある場合は除いて受けが良くないだろう。アマチュアスポーツの祭典である五輪はなんとも言えないが、かなり一般常識的なイベントであるため、世間話としては問題はないかもしれない。

4.返事・挨拶は大げさに

 ESTJという人種を観察していると、ユーモアの類はほとんど見られないことが多い。単純にそっちの方向に関心が向いていない印象を受ける。世界観は現実的だし、「面白い」ことをあまり重視しないからだ。しかし、実社会ではどうかというと、意外に「つまらないやつ」という評価は少ない。エンターテイナーであることはほとんど無いが、盛り上げ役くらいの立場であることは多いのだ。

 ESTJがある程度「面白い」とされるのはひとえに反応が良いからである。筆者がESTJの「面白い」の例として挙げたいのは松岡修造だ。彼は非常にわかりやすいESTJである。松岡修造をよく見ていると、ユーモアの類は全く言っていないのだが、反応がとにかく良いので「つまらんやつ」と思われることはまず無い。というか、メディアでは面白キャラとして認識されていることがほとんどである。

 これはESTJに対しても使える原理である。ESTJが説教や干渉をしてくる時はとにかく反応を良くしたほうが良い。N型にとっては意味がないように感じるかもしれないが、ESTJからするとその場の空気や反応速度の方がはるかに重要なのだ。逆に多少アホでも反応がとにかく良ければ許してくれることがある。ESTJはとにかく常識的な行動・言動を反応良く行っていれば認めてくれる。ENTJだったらこんな手は使えないだろう。

5.権威を振りかざす

 以前の記事でも書いたが、ESTJというのは100%の権威主義者である。これは悪い面もあるが、いい面もある。「忠誠心」や「伝統的君主主義」といった概念とESTJは相性が良いと思う。目上の人間はとにかく「偉い」ので、その人が有能か否かや利用価値があるか否かはそれほど問題ではないのである。

 ESTJが部下や後輩にいた場合はこんなにやりやすい状態は無いだろう。これは全タイプに共通ではないかと思われる。ESTJは年次や役職が上の人間には一定程度の尊重を示すので、トラブルになる可能性は高くない。あるとすればその強い競争心が噴出したケースである。

 年次や役職には劣るが、もっと一般的なステータスで舐められないようにするというのも手である。例えば学歴なんかも武器になる。東京大学を出ていると言うだけでESTJに対しては効力を発揮したりするのだ。時間稼ぎやトラブル回避くらいには使えるはずである。他にもミーハーな社会的ステータスがあればESTJに見下されるリスクは回避できるだろう。

 なお、ENTJやENTPといったタイプにこの手段は使えない。実態が伴っていなければあっという間に撃破されてしまうだろう。ENTPに至っては挑戦的なところもあり、警戒が必要である。

6.ESTJを恨まない

 ここまではESTJという人間とトラブルを起こさずに良好な関係を維持する方法について考えていたが、それだけでは不十分なのが会社組織である。会社組織で生きるうえでは自分の出世や業務上の評価を上げる必要性に駆られることが多いだろう。

 ESTJは上司など評価する側に回ることも多いのだが、ここで問題になるのはESTJがN型の好む可能性や独自性といった要素をほとんど評価しないという特性である。折角業務改善のためのアイデアを提案してもESTJによって容赦なく却下されたり、無意味な干渉を受けて腹がたったという人もいるだろう。中にはESTJの保守性に自分が否定された気分になるという人もいるかもしれない。

 結論から言うと、ESTJは悪くないことが多い。ESTJは組織そのものに染まっていくため、もしESTJがアイデアを否定した場合、それは組織そのものにアイデアを受容する素地が存在しないと考えて良い。N型が実現可能性を度外視してアイデアを探求することが多いのだが、ESTJは実現可能性の無いアイデアを議論する意味を感じていないだろう。いずれにしてもアイデアが採用されないことは同じである。

まとめ

 ESTJという人種は一件怖くて性格が悪そうに思えるが、実際はそこまででもない。行動原理を理解さえすれば大変付き合いやすい性格タイプである。

 ESTJは見た目こそ威圧的に見えるが、権威性は警察官のそれに近い。警察官に交通違反を注意された時に、泣き落としをしたり、法制度のおかしさについて議論したりはしないだろう。警察官からしても困ってしまう。それにESTJの指摘や主張はその集団内で一般的に認められた正論であることが多く、反論は悪手である。

 逆にESTJが自分を嫌っているとかいじめているという認識も良くない。これまた警察官の間合いに近い。ただし、軟弱な人間は舐められる時があり、ここは注意が必要だ。ESTJは基本的にさっぱりした性格であり、長年根に持つということはあまりない。ESTJが刺すような言動をしてきても、あまり気に留めないほうが良いだろう。状況が改善すればESTJは必ず態度を改めるし、そうでなくてもN型が思っているよりも気にしていないからだ。

 会社のような実利的な組織に在籍している限り、ESTJとの付き合い方は必要不可欠である。ただし、対策すれば比較的行動の予測可能性が高いタイプでもあるため、苦手意識を持つのではなく、攻略法を考えるべきである。ESTJがあなたを否定した場合は基本的にその組織があなたを批判していると解釈するべきだ。ESTJの人間性それ自体を取り立てて批判することはできない事が多い。

 いずれにしてもESTJはMBTIの界隈で思われているよりは無害でいいヤツであり、やり方さえ間違わなければINFPとかINFJといった人間の害となることは無いだろう。仮に合ったとすれば「人間」ではなく「場所」を変えるべきである。

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