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<MBTI>日本人の特徴はISFJ型?

 国民性はエスニックジョークで良くネタにされる。こうしたジョークはが特定の集団によくいる人物の特性を誇張して風刺する役割を果たす。

 では他国の人間と比較した時の日本人の特性は、16タイプで例えることが可能だろうか?今回は日本人の特徴とされる項目を一つ一つ分析することによって考察していこうと思う。

日本人は控えめでコミュ障・・・I型

 日本人の特徴として一番顕著なのは「大人しい」ということだろう。これには英語が苦手という事情も絡んでいるかもしれない。しかし、国際交流の場を見ると日本人はやっぱり控えめだ。英語が下手でもインド人は平気で場を仕切りだす。一方で日本人は全くついていけないことが多い。これは外国に行った時に一番感じることである。

 欧米人にコミュ障がいないわけではない。一定の割合で欧米人にも日本人並みに控えめな人間はいる。ただ、彼らは日本社会のコミュ障と比べて遥かに生きづらそうである。

日本人は行儀が良い・・・J型

 日本人の特徴として、とにかく行儀が良いというものがある。ルールをしっかり守るし、不正は行わない。街で財布が落ちていたら交番に届けるのが日本人である。これは諸外国ではありえないことだ。

 日本の街は治安が良いし、ゴミが落ちていない。監視と刑罰で矯正されているのではなく、自発的に秩序が保たれているのは素晴らしいことだ。東日本大震災のときは被災地できちんと列に並ぶ日本人の姿が各国で称賛されていた。

 外国、特に発展途上国ではルールを守らない人間が多く、非常にショックを受ける。時間を守らない、ゴミをポイ捨てする、列に横入りする、こうした風習が横行していれば犯罪が多発するのも当然だろう。P型一辺倒の私ですら嫌悪感を感じるレベルだ。私がルールが嫌いというのはあくまで一般の日本社会の常識を前提とした話であって、発展途上国のようなカオスを肯定しているわけではないのだ。

日本人は几帳面・・・S型、J型

 日本人がかなり几帳面な人種であることは間違いないだろう。日本の街は隅々まで清潔だ。ウォシュレットに象徴されるように日本人は細かいところまできれい好きのようだ。電車の時刻も正確だ。メイドインジャパンの製品は細かいところまで性能が良い。

 日本人のきれい好きは結構前から始まっていたらしい。江戸時代の時点で既に日本人は欧州人に比べてかなり清潔だったようだ。一説には日本人が清潔すぎて人口が爆発し、近代化が遅れたらしい。

日本人は温厚で相手に気を遣う・・・F型、J型

 日本人の大きな特徴として、相手との対立を避けるというものがある。自己主張は好まれない。手柄を自慢するタイプよりも寡黙に日々の努力を続ける人間が評価の対象となる。

 こうした文化はアメリカとは対称的らしい。アメリカでは成功や達成を他人に誇示するのが当たり前だ。外資系企業の文化にもそれは出ている。積極的に前に出て能力をアピールしなければどんどん評定は下がって行って首になってしまう。

 一方で日本人は競争を嫌う。一緒に働く人間とは良好な関係を築きたいと考えるからだ。場の空気を乱す内部競争は抑制されるのである。

 また、なにか嫌なことがある時に「自分が悪い」と考えてしまうのも日本人の特徴だ。人生に不満を抱いた日本人が自殺の道を選ぶのは端的な例だろう。これも温厚で控えめな日本人の特徴が表出しているのかもしれない。

日本人には表裏がある・・・I型、F型

 日本人は本音と建前を使い分ける事が多いと言われる。これも日本人の場の空気を重んじる文化の派生だろう。その場の空気を壊さないための社交辞令が異様に発達しているのだ。

 もっともその背景には日本人のシャイさもあるだろう。兎にも角にも人前で自己主張することを嫌うのだ。

日本人は「甘え」がある・・・F型、P型

 見落としがちだがしばしば指摘される項目である。日本人はインサイダーに甘い。一見権威主義的のようにに見えて、子供が親にわがままを言うように下の人間の甘えに寛容だったりする。例えば日本企業は外資系企業ほどトップダウンではないし、社員を守ろうとするところがある。日本企業の厳格な上下関係は権力に非対称性というよりも、一つの文化的慣習なのだ。特に利害関係が無くても年上の人間に敬語を使うのと同じである。

 昔の日本人は儒教の影響で封建的な家族関係を結ぶと思われていた。ただ、実態は少し異なる。プロイセン的な厳格なしつけ文化は日本社会には見られれない。韓国人は両親に敬語を使うが、日本人は両親にタメ口で話す。日本人の家族観はそこまで権威主義的ではないのだ。

日本人は集団主義・・・E型、S型、F型、J型

 日本人に大してしばしば指摘される特徴として「集団主義」もある。これはどこまで実態に即しているのかは分からないが、一応日本社会の特徴として信奉されている。

 日本人は場の空気を重んじるし、同調圧力が強い。したがって集団主義に見えることが多いだろう。アメリカのような国では人種も民族もバラバラなので、日本社会のような均質性を前提とする社会運営は不可能である。

日本人には「ものづくり精神」がある・・・I型・T型

 これも日本の特徴といえるだろう。日本人は製造業が得意だ。これは日本が飛躍的な経済成長を遂げるのに大いに役に立った。インドやアラブの国に比べると東アジア人は器用で職人精神がある。こうした特性を活かして東アジアの経済の奇跡は生まれたと言われる。

 日本経済は停滞しており、かつての輝かしい栄光は消えてしまった。それでも日本の製造業が同レベルの国と比べるとまだまだ強いのは間違いないようだ。日本人(他の東アジアも同様だが)は伝統的に理系に強く、こうした強みが影響しているのかもしれない。

日本人は仕事人間?・・・J型

 これは一昔前までは言われていたが、最近怪しくなっている要素である。昭和の日本人はとにかく熱心に働いたし、仕事を人生の一部のように考える傾向があった。日本人にとって人生の中心となるのは会社であり、会社で頑張ることが人生の成功だったのだ。

 ただ、最近の日本人はそうでもないらしい。日本人の労働時間は欧州よりも長いが、アメリカ人と同程度だ。韓国人は日本人よりも更に長い。日本社会の近年の風潮を考えると労働時間が更に短くなる可能性も高くなりそうである。

 戦後日本は急速な経済成長を遂げた。大変夢のある時代だったということだ。働けば働くほど豊かになり、目に見えるように生活が便利になる。こうした状況下では現在より労働意欲が遥かに高かった可能性がある。

集計すると

 これまで挙げた結果を集計すると、日本人の特徴として描かれる人物像はIが3つ、Eが1つ、Sが2つ、Fが4つ、Tが1つ、Jが4つ、Pが1つである。総じて日本人の国民性はISFJであるということができる。確かにISFJの特徴として指摘される項目はエスニックジョークで描かれる日本人の特徴と極めて近い。実態にどこまで即しているかは別として、日本人のステレオタイプはISFJと考えても良さそうである。

個人的な見解

 日本人のテンプレがISFJであることは間違いない。一昔前の日本人論の本に書いてある日本人の特徴はどれもこれもISFJばかりだ。勤勉で場の空気を重んじ、常に親切で自己主張を避ける。こうした特性はISFJそのものである。

  ただし、日本人の特性としてしばしば言及されていた仕事への熱心さや勤勉さは過去のものとなりつつある。私が思うところでは、日本人の特性は以前より消極的でノンビリとしたものに移行しているのではないかと思う。「さとり世代」や「無キャ」といったものだ。日本人のマナーの良さも、規律への厳格さというよりは消極性と平和主義に由来している気もしてくる。

 今後の日本人論は次第にISFPに近づいていくのかもしれない。


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