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MBTIで語る、被災地に千羽鶴を送る人、それを叩く人の心理

 ツイッター上で必ず災害が起こるたびに巻き起こるネタがある。それは「被災地に千羽鶴を送るな」という話だ。千羽鶴は何の役にも立たないし、送ってもただのゴミになるだけなので、絶対にやめろという話である。

 このネタがメディアに取り上げられることは少ない。ツイッター特有だと思う。そもそも被災地に千羽鶴を送る人間は今どき少ないらしい。千羽鶴はツイッターを始めとしたネット社会特有のネタと化しているようだ。

 どうしてツイッターではこのネタが何度も擦られるのだろう。私の中では結論は出ている。ツイッターはNT型が中心のメディアだからである。

 被災地に千羽鶴を送る人のノリは基本的にF型だと思う。被災地の人はつらい思いをしているから、自分も頑張って共感しよう。思いを届けよう。こうした一心で千羽鶴を折っているのだろう。F型の人間は、仮に役に立たなくても、日本のどこかに自分のために千羽鶴を折ってくれる人がいるというだけで嬉しい気持ちになる。

 NT型は生まれながらの批評家だ。彼らはF型の集団的・共感的な雰囲気が嫌いだし、それらに水を差すのが好きだ。実際、被災地千羽鶴ネタが何度も関心を呼ぶのは、千羽鶴を折る人の真摯な思いと、実際の千羽鶴がゴミにしかならないというギャップが原因だと思う。NT型からみると彼らは「一生懸命なバカ」であり、嘲笑の対象となる。彼らは小学校でありがちな情操教育にも基本的に批判的なはずだ。感動の押しつけとか、善意の押し売りだということである。また、24時間テレビに関しても非常に批判的だ。実のところ、24テレビ叩きと千羽鶴叩きはかなり心理的背景が似ていると思う。

 T型の人間は問題解決を優先するので、金を送れとか、食料を送れということになる。そのことが間違っているわけではない。ただ、F型にはF型なりの価値観があり、それ自体を蔑視するのはどうなのかとも思う。ツイッターという空間はあまりにもこうしたF型特有の共感性に冷ややかであり、実社会とは大きく雰囲気が異なっている。

 実社会では、被災地に千羽鶴を送るのと同様のノリは多いだろう。部署が残業で忙しい時、自分の仕事が終わったとしても、なんとなく帰りにくい雰囲気は感じたことがあるはずだ。F型の人間は共感性を重視するので、不公平感などに厳しい。仕事が無くても残れ、という発想に繋がりやすい。これはNT型の人間にとって理不尽極まりないだろう。無意味な自粛もイライラすると思う。

 私は去年の8月に広島に旅行に行ったのだが、平和公園のは大量の千羽鶴が全国の小学校から届けられていた。ここが千羽鶴の発祥となった土地なのだ。原爆の後遺症で死亡した少女にクラスメイトが千羽鶴を折ったのが起源である。NT型の人間はこうした小学校でありがちな活動にも大体が批判的だと思う。無理やり教師に思想を押し付けられているように感じるからだ。

 また、原爆関連はNT型のノリが許されないような雰囲気も感じた。NT型の目からはあまりにも理想主義的過ぎるように写るだろう。戦後、政府が日本が核攻撃を受けたときのための対処法を研究しようとした時があったが、被爆地の抗議で取りやめとなった時がある。「再度の核攻撃を想定すること事態が不謹慎だ」というものだ。NT型の人間からは道理に合わないように思えるが、F型の人間は理想と共感が優先されるので、ありえない発想ではない。戦後の平和主義に関してはMBTIの観点から考察するといろいろ興味深いが、あまり受ける話でもないから、止めておく。

 ともあれ、NT型はこうした共感が優先し、問題解決が無視されている行動に批判的だ。その昔、アイスバケツチャレンジというものが流行ったが、NT型はこうした運動も嫌いだと思う。ついでに言うとST型も批判的だが、興味がないという感覚のほうが正しい。NT型のようにありもしない出来事を針小棒大に語るということはない。

 なにはともあれ、千羽鶴論争はF型とNT型の性格の違いが露骨にあらわれているので、MBTIマニアの皆さんは参考にしてほしい。

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