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兄弟の兄弟は兄弟ではないというシチュエーション

 筆者が以前読んだクイズの本にこうした問題が載っていた。

「AとBは兄弟です。BとCは兄弟です。でもAとCは兄弟ではありません。なぜ?」

 答えは簡単だ。AとBは異母兄弟、BとCは異父兄弟、こうなると、AとCの間に血縁関係はなくなる。

 筆者は物好きなので、こうした家系図が実際に存在するかを考えてみた。できるなら全員有名人がいい。惜しかったは中山美穂=辻仁成=南果歩=渡辺謙、の連なりだ。南果歩と渡辺謙の間には子供がいないようだ。うーん惜しい。

 仕方がないので近代以前にさかのぼろう。奈良時代の藤原氏が一番メジャーだと思う。

 橘諸兄と光明皇后は兄弟だ。光明皇后と藤原四兄弟は兄弟だ。しかし、藤原四兄弟と橘諸兄は兄弟ではない。実際、藤原四兄弟と橘諸兄は政敵だった。橘諸兄の死後、橘奈良麻呂の乱が発生し、藤原仲麻呂によって政権を奪われている。

 私の知る範囲だと、先ほどのシチュエーションが成立する最も有名な例はこれかなと思う。それにしても、源平藤橘に一端に数えられる橘氏の始祖が女性というのは驚きだ。県犬養美千代という人物がルーツである。彼女は文武天皇の乳母を務め、その功績から橘を賜ったようだ。ただ、橘氏は4つの中で唯一歴史から消えてしまう。源平藤橘という形で残っているだけの存在と言えるかもしれない。

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