防災用ファーストラインを組んだ話
強くなければ生きていけない。
優しくなければ生きていく資格がない。
しかし、生きていくのに資格はいらない。
こんにちは、予選敗退で〜す。災害関連の話題をよく耳にする昨今ですので、自分も人並みに自宅の防災関連装備を点検しました。その流れで入れ替えにより使わなくなったサバゲーの装備品を流用して防災用ファーストラインを組んでみました。
ファーストラインとは?軍物装備や入手方法の話
まずファーストラインとはなんぞや?というところなのですが、かんたんに言ってしまうと腰回りにベルトで装着する装備群のことです。軍隊などでは装備を装着する場所ごとにファーストライン、セカンドライン、サードライン……というように呼び名があります。腰回りのファーストラインには「任務を遂行するのに最小限必要な装備」を装着するらしいです。
が、今回は防災用なので「非常用持ち出し袋からいちいち出すのが面倒なわりとひんぱんに使う物」と「盗難・紛失に遭うと面倒な物」を常に身につけておくことを目的としています。リュックで通勤される方でスマホやら財布やらを入れるためにサコッシュを併用される場合もあると思いますが、あのイメージです。ちなみに背中に背負うリュックに入れる物はサードラインと呼ぶそうで、防災装備では非常用持ち出し袋が該当します。
腰に装着するベルトに各種ポーチ的な物を付けていってファーストラインを組んでいくのですが、ここで最近よく使われるのはMOLLEシステムのPALSウェビングがついたモジュラーパッドベルトです。サバゲーとかミリタリーマニアな人以外だと「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」という感じなのですが、簡単に紹介すると以下の通りです。
MOLLEシステム
主に米軍・英軍の装備品の規格
PALSウェビング
MOLLEシステム準拠のポーチや装備品などをベルトで縛り付けるための共通規格およびそのベルト。「MOLLE対応ポーチ」として売られている物は背面にこのナイロンの堅いベルトがついている。
モジュラーベルト/ベスト/パネル
PALSウェビングがついている装備を装着できるナイロンなどのあみあみな帯とそれがついている物。最近のミリタリー風なリュックとかバッグの表面についているナイロンベルトの謎のペン差しの出来損ないみたいなあみあみのアレもそのパネルの一種。
ベースとなるモジュラーパッドベルトはアマゾンなどで2,000円〜で買えます。「タクティカルベルト」や「MOLLEベルト」などでも検索できます。2~3,000円の「MOLLE対応」となっている物で十分使えたりします。↓こんなやつです。
このモジュラーパッドベルトに各種MOLLE対応ポーチを取り付けていきます。ポーチもピンキリですが、1個1,000円くらいで買えます。アマゾンなどで「MOLLEポーチ」で検索するといろいろ出てきます。
自分がサバゲー装備で組んだ防災用ファーストライン装備の内容
前説が長くなりましたが、これらの物を使って今回組んだ自分用防災ファーストラインは↓こんな感じです。
※画像の番号は背中からみて右から順
スマホポーチ兼小物入れ
スマホはもちろん油性ペンとかメモ帳とか公的身分証とか金融関連の書類の写しやらZIPPOライター等々を収納。(※電子タバコへの移行によりすっかり出番がなくなったzippoは予備オイル・火打ち石と共にジップロックに密閉されて非常用持ち出し袋内のレギュラーメンバーとなりました。ちなみに電子タバコが使えなくなることを想定して紙巻きタバコも5箱くらい入れてあります。)ダンプポーチ
サバゲーの時は空の弾倉を放り込んでおくために使う物だが、防災装備では一時的に物を突っ込んでおく雑用袋として利用予定。携帯ラジオとか非常食を入れるなど。サバゲーでは利き腕と反対の腕でアクセスしやすい場所に装着するが、今回は利き腕方面に配置メディカルポーチ
応急処置用の医療品を収納。ウエルシアで買い求めた包帯不要で使える傷パッドとか絆創膏とか消毒薬とかワセリンとかを収納。包帯と滅菌ガーゼも少量いれてあるが、付近に使える人がいたら渡す用。医療用ハサミも収納。ちなみにサバゲーでは雰囲気装備扱いとなるが、防災用では結構ガチ。メディカルポーチは通常は非常持ち出し袋(←実は非常持ち出し袋のリュックもMOLLE対応の軍物)のモジュラーに装着しており、必要に応じてファーストラインのベルトに付け替える予定。ペットボトルポーチ
500〜1,000mlのペットボトルを収納可能なポーチ。ゲーム中にフェイスガードを外せないサバゲーではもちろん使わない。非常持ち出し袋には500mlの水を4本入れていれており、それらをいれておく予定。なんか水が消えたとかよく聞くじゃないですか……(泣) ペットボトルを入れないときはこちらも雑用袋として使用予定。ビクトリノックス・ソルジャーナイフ
いわゆる十徳ナイフ。ナイフ付属のベルトポーチをそのまま装着。(※←このポーチはMOLLE準拠ではない様なのでかなり無理につけた)迷惑防止条例違反の疑いで職質されるレベルで治安が回復したら取り外す予定。フラッシュライトポーチ
単四アルカリ電池3本で300ルーメン程度の明るさの2,000円くらいのフラッシュライトが格納されている。フラッシュライトはUSB充電のタイプの方が性能は良いのは分かっているが、充電できないレベルでインフラが破壊されてしまった場合に備えてあえてアルカリ電池を使用するタイプにした。なお、単三・単四電池はそれぞれ20本ほどが非常用持ち出し袋に入れてある。作業用グローブとビニールテープ
MOLLEに装着可能なDリングで装着している。ちなみに作業用グローブはド定番のメカニクスウェアの作業用の一番安いヤツ。3,000円くらいから。アマゾンとか自動車用品店で購入可能。
この防災用ファーストラインベルトは折りたたんで非常持ち出し袋(リュック)の中に入れてあり、非常時に取り出して装着するという運用を予定しています。
クソデカナイフの話
実は利き腕で一番アクセスしやすい1と2の間のラインにはまだ物が装着できるのですが、ここはあえて空けてあります。(ちなみにサバゲーの時にはサブウェポンであるハンドガンを収納するホルスターがここにいます。)それはなぜかというと、本格的にヒャッハーッ!レベルで治安が悪くなった時に「それはナイフというにはあまりに大きすぎた。大きく分厚く重くそして大雑把すぎた」といった感じのキャンピング(笑)ナイフをここに装着予定だからです。(※このナイフは基本的に非常持ち出し袋の奥底に収納しておき、めったなことでは出さない予定)
もちろんそんなデカいナイフは自分には使いこなせないんですが、治安がマズい状況では自分がいかにやべーヤツであるかをアピールするのが余計な争いや不利益を回避するうえで非常に重要なのであえて装着しちゃいたいと思います。
こんな心配をしているのには理由があります。まず、なんとなく近所の施設のキャパとか高齢者数等の諸々を考えると自分が避難所に入れる可能性は低いと想定しております。そうなると車やこわれかけの自宅やへたすりゃ野宿で単独避難生活になるわけですが、この場合はある程度自分でそっち系の安全も確保しておかないとマズいなと思っているからだったりします。
自分と同様の懸念をお持ちの方はホームセンターなどにて3,000円くらいで購入可能なナタとか手斧を持っておくと良いかもしれません。なお、このナイフが「ドキュン殺し」という名前にならないことを強く願っております。
ところで念のため書いておくと、「それはナイフというにはあまりに大きすぎた。大きく分厚く重くそして大雑把すぎた」といった感じのキャンピングナイフ(爆)の入手経緯についてですが、こんなモノを私がお金を払ってわざわざ購入したわけではありません。これは元々知人が購入したモノです。その知人は東日本大震災の後に「放射能で東京を大脱出しないといけないかも……大脱出の時に治安が悪化したらどうしよう……俺には家族を守る義務がある!」とあさっての方向に思考がグルグルしてしまって、勢いで飛び込んだナイフ店で購入したそうです。そして事の顛末を奥様に報告したところ、奥様から「子供がいるのにそんな危険なモノを高い金を払って買ってくるとは何事か?そんなヤベー物は<私の名前>にでもやってこい。」とこれまたブッ飛んだお叱りをいただき、我が家にやってきたという次第となります。
いちおうモノは炭素鋼のフルタングでして、研げば切れ味抜群なものの定期的にメンテしてあげないとダメなモノでした。念のため知り合いの公安関係者に確認したところ、「所持はOKだけど、持ち歩くのはアウトね。」とのことでした。
この事前準備だけは無駄になることを願う(笑)
平時ではがんばって事前に準備したことが不要になったりすると「ムキーッ!」となったり、「落ち込んだりもするけれど、私はやっぱり元気じゃありません。」となりますが、防災関連の準備だけは無駄・徒労に終わることを本当に、かなりつよく本当にマジで、願っております。
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