グレープフルーツジュースのような温泉~2017.1.29遠賀川温泉
1月末のこの日は、曇ったり、雨が降ったりと気分が上がらない天気。さらにクルマはリコールにかかって、代車で軽自動車が貸し出された。ガソリンがあまり減らない程度に遠出をしようと思って、遠賀郡に向かう。
乗り心地はあまり良くないなと、これまた気分が上がらないが、3号線を北上する。遠賀川の手前を右に曲がって進んだ先に温泉がある。
けれど昼時だったので、まずは腹ごしらえと24時間営業がやたら強調された「がんこもんラーメン」に入る。外までスープの香りが漂ってくる。入り口にある食券機でラーメンを購入する。席に着くと店員に何かを言われる。訛りのせいか、その人の発音のせいか聞き取れなかったが、あいまいにうなづいておく。麺の硬さを聞かれたのかもしれない。ほどなくして出てきたラーメンは、濃いめでとろみのある豚骨スープ。福岡のあっさりとした豚骨ラーメンに食べ飽きていたので、ちょうどよい濃度である。店先で感じた匂いほど、スープ自体にくさみはない。
食べ終えてから、温泉に向かう。畑が並ぶ平野に、一軒の建物。遠賀川温泉の看板が掲げられている。中に入り浴室に向かう。洗い場がカーテンで仕切られているのがおもしろい。
湯舟は茶褐色というより、もっと鮮やかでオレンジがかっている。こんな色のグレープフルーツジュースがあるよなと思いながら湯舟に入る。湯の温度は決して高くない。どんどんかけ流されて、排水溝がゴボゴボと音を立てる。
じわじわと温まったところで、外の風呂へ行く。外といっても壁や屋根があり、屋外感はない。外に出て驚いたのは湯船の色だ。なんとこちらは、無色透明。オレンジ色ではない。しかも鉄分を取り除いているだけで、内湯と同じ源泉とのこと。信じがたいけど、そのような説明書きだ。外湯は若干温度が低かったので、中と外で交互浴をしてから上がる。
帰り際に温泉のご主人から「ぬくもりましたか?」ときかれた。最初?となったが、「あったまったか?」と聞いているようだ。「ぬくもり」という単語は使うが、「ぬくもる」という動詞はあまりなじみがなく、方言的に使われているのだろうか。「ぬくもりましたか?」って何だがよりほっこりとする語感で、心も温まる気がする。
たわいのない会話を2,3かわして、温泉を後にした。
2017年6湯目。
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