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ルチアがルチアとして生まれ変わる瞬間〜死の淵から自分を取り戻すまでのライフストーリー28〜

第28話 愛を受け取らない〜聖なる誓いの解除〜

2020年3月ようやく、コネクションプラクティスの認定講師ラスールに受けてコミットしたところだった。
自分自身を癒すことにコミットした2019年の間は、コネプラの受講をあえてしていなかった。その頃やっとパート3の講座を受講できる機会が訪れた。

今思えば、絶妙なタイミングで対面での講座を受講することができた。その後これほどまで長く人とのリアルでのコミュニケーションが絶たれることなど考えもしていなかった。

講座のため、つくばの駅前のビジネスホテルに泊まった。普段、家族に気兼ねしながらzoomで学んだり共感コールをしていたので、これは絶好のチャンスだと思い立った。
私の中で超えなければならない大きな壁があった。それを仲間の協力を借りて向き合うことにした。

講座を終えてみんなでおいしい食事の後、zoomでつながった。
中々本題に入れず、ついつい違う話をしてしまうのだった。
私にとっての大きな壁、それは子供の頃の性被害の体験に向き合うことだった。その話を知らない仲間にその話を打ち明けることにした。
今までカウンセラーの先生や医師、教会でお世話になっているシスターなどに話したことはあった。だけど、まだその当時の私にはハードルが高くて声が震えた。安心、安全な場所で打ち明けることは癒しにつながることも理解していた。
ただ、黙って親身に話を聞いてもらった。
そこまでで私としては十分だった。だけど・・・

「その誓い、解除したほうがいいんじゃない?」

と提案された。そのほうがいいことは頭ではわかっているけれど、体はこわばっている。何かが抵抗している。そして、この聖なる誓いの解除のワークは、相手に私になってもらう必要があった。それが心配だった。
自分が抱えているものの重さは自分が一番理解しているのだから・・・

覚悟を決めて、ワークに望んだ。
私がその当時に誓った誓いとは、

『これ以上苦しまないように誰からも愛を受け取らない。』ことを誓っていた。
なんて悲しい誓いなんだろう・・・切なくて胸が切り刻まれるような感覚を感じた。でもその時はまだ、その痛みを本当に感じることすらできなかった。

仲間に私を託す。すると、急に咳き込み出した。さっきまでそんな様子はひとつもなかったのに。それからガタガタ震え出した。息ができない。苦しい。今にも息絶えてしまいそうな様子に動揺した。
「このままでは死んでしまうのではないか?」そんな恐怖で混乱していた。
その後の記憶がほとんどないのだけれど、なんとか誓いの解除をして、終わった。
zoomの向こう側でどうすることも出来ない焦りを感じながら、自分がどれだけ重い荷物を背負って生きてきたのかを嫌というほど味わった瞬間でもあった。子供の頃からひどい肩こりで、銭湯のマッサージ機を使っていたほどだった。街角の10分マッサージでは、対応できないと断られたり、整骨院へ何年も通っても中々変わらない程だった。

誓いを解除して、とても軽やかな、爽やかな感じを味わっていた。
と同時に仲間は大丈夫なのか?とても心配になった。
仲間は、ワークが終わったあとは、何事もなかったように落ち着いた様子だった。

仲間からはこんなに苦しい思いをしていたことに驚かれながら、無事解除できたことをお祝いしてくれた。

体を張って全身全霊で望んでくれた仲間に感謝と尊敬の気持ちが湧いた。
信頼、友情、本物さ、愛、安心が満たされた。

翌朝、いつものデイリーコヒーランスでの私の姿が昨日よりも変わって見えたと、生まれ変わったような感じがしたことを教えてくれた。

何事もなかったかのように淡々と「よかったね。お祝い。」とメッセージが届いた。

昨日までは感じることがなかった爽やかさと心地よさを味わいながらみんなと合流。
くみくみ亭の近くの公園や周りを散歩した際にこっそりくみくみに報告した。

くみくみは目に涙を滲ませながら祝福してくれた。

それからの私は、自分がどれだけ愛されているか。大事にされているのかを全身で味わえるようになっていった。少しずつ、だけど確実に。


                   次回へ続く


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