見出し画像

#126 スクリューホームムーブメントとは

これまでの投稿の中でも、
現代人の多くの方が悩む箇所に
膝関節が挙げられると言ってまいりました。

人の動きは各関節が
各々の動きを完遂させるとともに
各関節が連動することで日常生活動作、
スポーツ動作をスムーズに
遅滞なく行えるようになっております。

その中で膝関節には、
特徴的な現象がございます。

これをスクリューホームムーブメント
といいます。

スクリューホームムーブメントとは、
足を浮かせ膝が曲がった状態から
伸ばしていくときに
最終伸展域の少し手前(10°位手前)のところで下腿が外旋方向に動くことをいいます。

下腿が外旋方向に動くというのは、
つま先が外側に向くことをいいます。

スクリューホームムーブメント
OKC(オープン・キネティック・チェーン)の状態の時だけ起こると言われています。

OKCとは足が地面から離れて
固定されておらず、自由に動くことができる運動のことをいいます。

人が地面に膝を伸ばし立っている状態の
CKC(クローズ・キネティック・チェーン)では、足が地面に着いて止まっているので、膝が伸びていったとしても
下腿は外旋することはありません。

ただ、下腿が外旋しないため、
下腿の上にある大腿骨が
内旋をしていくことで
相対的に下腿が外旋していくような
膝関節の状態になっております。

このスクリューホームムーブメントに
深く関わっている筋肉に
膝窩筋という筋肉がございます。

膝窩筋は膝裏にある小さな筋肉で、
太ももの骨と半月板(膝の関節の組織)の
外側から脛(すね)の骨の後面に掛けて
斜めに走行している筋肉になります。

膝窩筋の機能が正常でない場合、
このシステムが破綻し膝の曲げ伸ばしが
スムーズに行われず、
膝に負担が掛かってしまうことに
なってしまいます。

膝窩筋は、長時間座ることが多い現代人は、とても硬くなりやすいと言われております。

スクリューホームムーブメントが
機能しなくなってしまうと
歩行時の大腿骨の内旋が
出にくくなってしまい、
膝関節の周囲の軟部組織に
負担がかかりやすくなり
痛みが出てしまうこともあります。

スクリューホームムーブメントは、
意外と知られていない
構造、現象だったりしますので、
膝の悩みを抱えておられる方は、
スクリューホームムーブメントが
上手くいっていない可能性が
考えられますので、
ご自身の状態が気になる方は、
しかるべき場所で精査していただけると
良いかと思います。