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Gather Inc.の爆速プロダクトマネジメント

ども!自分にあった外出先を簡単に見つけられる、観光AIを手掛ける慶大発スタートアップ・Gather Inc.の高比良です。私たちは平均年齢21歳・殆どが学生のチームであり、その体力と俊敏さを強みに出来るようなプロダクト開発・改善を心掛けています。今回は、そんな私たちのプロダクトマネジメントのプロセスを公開します。

まだまだ未熟な部分も多いですので、もし気になった点やアドバイス等あれば、是非気軽に私のX(https://twitter.com/lucatech_)にDM頂けると助かります🙏


3レーン体制

私たちは3つの手法を用いて同時並行的に新機能の検証を行うことで、短期間の仮説検証を可能にしています。メンバーのInstagramアカウントを用いた投票を用いた検証、プロトタイプを用いたヒアリング検証、アプリを用いた実機検証です。出した順番に労力が少ないため、最大限投票やヒアリングを通じて顧客行動のアタリをつけた上で、顧客行動の仮説を立ててプロトタイプを作成しヒアリングを行います。それでもまだ不明瞭な部分 - 例えば、ソーシャル機能のようにユーザー同士のインタラクションがあるような要素に関しては、実際に開発を行った上で機能の検証を行っています。

Gather Inc.においては、3つの手法で同時並行的に仮説検証を進めている。検証中に開発設計を進めることで、アプリ開発の工期を削減し、1スプリントあたりの期間を圧縮している。

Instagramを用いた検証

私たちが機能を思い付いた際に最初に用いる手法が、Instagramを用いた検証です。具体的には、アンケート(フリーフォーム)もしくは投票を用います。機能を思い付いた際には、理想とする顧客体験を使用する顧客行動をいくつか列挙し、仮説を立てたうえでアンケートを実施します。

インスタを用いた仮説検証プロセスの一例。理想像となるアプリの機能イメージから逆算し、顧客ペルソナのユースケースを抽出、そこから投票を用いた定量調査を行うことで、「課題がなかった・ターゲットとなる状況が存在しなかった」という状況を防ぐ。

Instagramは、ユーザー同士の距離が近い(リプをしやすい)ので、不特定多数の定量評価を行えるのみならず、ヒアリングを通じて定性評価を行えるのが良いと考えています。Instagramは、どなたがアンケートや投票に入れてくれたのかわかるので、よくレスポンスを頂ける方を中心に、直接DMを送って追加のヒアリングをさせて頂いております。

一方で、Instagramをはじめソーシャルメディアを用いた不特定多数に対するヒアリングではカバー出来ない部分に関しては、プロトタイプ及びアプリを用いて、実際にユーザーの日常生活の中でニーズがあるのか検証を行うように心掛けています。

プロトタイプを用いた仮説検証

プロダクトの手触り感を確かめる際には、プロトタイプを用いた仮説検証を進めています。プロトタイプを作成する目的が大きく2つあると考えていて、顧客行動とプロダクトとの合致を検証する(PSF - Problem Solution Fitの有無を確認する)こと及び、ユーザーインターフェースの選択肢を絞ることです。

プロダクトのプロトタイプのイメージ。インスタグラムで不特定多数に対して定量調査を行った & DMでn1分析を行った結果をもとに、プロトタイプに落とし込む。この時、実データを用いること、アニメーションや画面遷移まで再現することで、開発後の手戻りを削減する。

私たちが特にプロダクトにおいて気を付けている点が2点あり、実際の具体的な顧客行動に即して作成し、実装時に入れるであろうデータを用いること、アニメーション等の挙動まで(実装後の)UIの要素を明確に反映することが挙げられます。

「実際の具体的な顧客行動に即して作成する」というのは、プロトタイプだからといって適当なサンプルの文字や画像を用いるのではなく、あたかも実際の製品であるかのようにプロトタイプを作成することを意味します。やはり、プロトタイプの過程において、「こういう瞬間にこのプロダクトを使いたいよね!」という瞬間を見つけられるべきだと考えています。自分は学生の4年間でベンチャー企業を5社ほど渡り歩いたのですが、やはりうまく行っている会社 - 例えば前職のAI電子カルテを開発する医療ベンチャー・Pleapなど - が大きく顧客数を伸ばしたときには、プロダクトを開発する前からプロトタイプを用いて仮説検証を徹底的に回していて、顧客ニーズの解像度を高めてから開発していました。

なお、私たちは、プロトタイプを作った仮説検証を行うことは開発工期に影響を与えないと考えています。私たちは、プロトタイプと並行して実装計画を立て、実装上の障壁を洗い出し、プロトタイプでGoサインが出たタイミングですぐに開発を開始出来るように心掛けています。結果として、アジャイル開発の開発工程やイテレーションの長さへの影響を最小限に抑えながら、プロトタイプの開発を進めることが出来ています。

アプリを用いた仮説検証

ソーシャル機能をはじめとしたユーザーインタラクションが必要となる機能要素の検証や、機械学習モデルの研究開発を行う部分など実データが必要となる箇所に置いては、実際にアプリを開発し、テストユーザーに使ってもらうようにしています。私たちは特に、データドリブンな機能検証に注力しています。

Google Analyticsを用いて使用状況をリアルタイムでモニタリングし、
不要な機能や想定した用途で使用されていない機能を洗い出す。

新機能をリリースした際は、ユーザー・アクティビティをすべてGoogle Analyticsで分析を行い、機能計画時の仮説と合致しているのか今一度検証しています。これにより、いち早くユーザーニーズに合致しない機能を排除し、次なる機能をローンチすることに成功しています。

Gather Inc. では機能立案を行った日の夜にはIssueが立ち、実装が始まる。精鋭エンジニアチームなので速い!

おわりに

私たちは、Instagramを用いたヒアリング, プロトタイプを用いた仮説検証, アプリを用いた仮説検証の各手法を使い分けています。コンシューマーアプリはなかなか思うような成果を得られないので、その分そこに至るまでのプロセスやスピードといった、操作可能な要素の精度を上げていきたいと考えています。私たちは、自分たちなりに頑張ってはいますが、やはり経験を積まれた方の声を聞きたいです。もし、アドバイスや改善点等あれば、私のX(https://twitter.com/lucatech_)にDM頂けるとすごく助かります。

また、Gather Inc. は現在、採用活動およびシードラウンドの資金調達を行っております。会社に興味を持って下さった方や、あるいは単純に私とお話したいと思われた方は気軽にご連絡頂けると嬉しいです。

また、私たちは仮説検証の一環で、

  • インスタグラマーの方(特に、観光系やグルメ系)

  • 飲食店や体験施設、観光資源を経営されている方

  • コンシューマーアプリを手掛けられている方

を探しています。もし、どれかに当てはまる方、お繋ぎ出来る方は、ご連絡頂けると助かります!🙏

Company Culture - Gather Inc.

Gather Inc. HP

謝辞

私たちが未熟ながらもプロダクトを前進させられているのは、いつも支えて下さっているGoogle Developer Groupの皆さんや、Jammの橋爪さん、AnyflowのRenさん、E4GのBaraoさんをはじめとした先輩起業家の方々のお陰です。これからも引き続き、宜しくお願いします!


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