英語との出逢い* 伝わってないんじゃない、聞こえてないだけ。
初めて母国語以外を話した日のこと、覚えてる?
2歳: グアム
はじめて、海外旅行に連れて行ってもらった。
記憶はもちろん、 ない。
写真がたくさん残っているから、そこにいた気はしている。
なんとなく覚えている気がしているのは、伝統工芸品のお面が怖くて泣いたこと。(両親の記憶とも一致)
ここから私の「年1旅行」が始まるのだけど。
3歳: ニューカレドニア。
飛行機の、座席の足元で寝転がっての移動。(10歳頃までやってた)
今じゃ確実に怒られる、親じゃなくてCAさんに。だって危ないから。
ハイビスカスティーを飲んだのはここだったと思う。
家族全員で白い服をお揃いでおしゃれして、なんかパーティーみたいなのに参加して、
現地の人にダンスに誘われて、全力で拒否したので、
代わりに父が踊ってくれた。
4歳: バリ
バスに乗っていたら、現地の人がものすごい勢いで窓から何かを差し出してきて、
お土産品を買ってもらおうとしていることに気が付いた。
「1000円!1000円!」って言っているのがわかった。
現地の人が日本語をしゃべっていることに驚いた記憶。
5歳: フィジー
このころになると、私も人間らしくなってきてるので、
何かが欲しかったり、何かがしたかったりするわけだ。
ホテルでオレンジジュースが飲みたくて、父に言ったら
”「オレンジジュース、プリーズ」って、お姉さん(サーバーさん)に言ってごらん” と。
勇気を出して言ってみた。たぶんめちゃくちゃ小さい声で。
めちゃくちゃ首を傾げられて、めちゃくちゃ顔を近づけられた。
伝わらない!!!
私は急に恥ずかしくなって、うつむいてしまった。
父に再度促され、もう一度。
また首を傾げられたら恥ずかしい悲しいから、嫌だったけれど。
”おれんじじゅーす、ぷりーず!!”
お姉さん、にっこり。
私はこれでオレンジジュースを手に入れた。(支払いは父)
私の英語が伝わらなかったんじゃなくて、
ただ、声が小さくて聞こえてなかっただけ。
そのあと、だいたい私は、物の名前の後に「ぷりーず」をつけて
いろんなものを手に入れた。(支払いは父)
英語で誰かに何かを伝えた体験は、覚えている限りこれが最初。
あの時、すねてもう一回言うのを拒否していたら、
私は英語が嫌いになっていたかもしれない。
「もう一回」と言ってくれた父に感謝しかない。
ちなみに、私の大好きな祖母の話。
朝食の際に必ず聞かれる「Tea or Coffee?」に対して、
姉が、「three tea pleaseかな、tea three pleaseかな、、、」と悩んで言い淀んでいたところ
”こ・う・ちゃ!みっつ!(手で「3」)”
とはっきり大きな日本語で、オーダーをばっちり通していました。
大きな声で話すって大事だって話。
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