法律の人間味(ドラマ 「女神の教室〜リーガル青春白書〜」感想#1〜7話)

今回はドラマの感想です。
北川景子さん主演、「女神の教室〜リーガル青春白書〜」です。

法律と言われたら皆さんは何をイメージするでしょうか。ルール?人を裁くもの?平等?
このドラマを見ると、法律って人間味に溢れているものだと認識を改めました。 

舞台は、司法試験を受ける生徒たちが集まる「ロースクール」。
司法試験は、多くの人が思い浮かべる、難関試験のひとつだと思います。
そこに、北川景子さん演じる柊雫(ひいらぎしずく)が、裁判官から転勤を命じられ、先生として赴任してきます。
ロースクールで出会う生徒たちは、最初は法律を「司法試験に受かる」ためだけに勉強していましたが、柊先生の授業を通じて、法律の先にいる「人間」を見出します。

柊先生が担当している、実務演習という授業に参加している5人の生徒にスポットがあてられており、1人ずつ柊先生の授業に心を動かされていく様が物語に描かれます。

少し話は逸れます。ドラマの醍醐味のひとつに、人の心が動かされた瞬間をどう描くか(演出するか)があるかと思います。
このドラマは、その瞬間がとても爽快に、丁寧に描かれているなと思いました。

例をひとつ挙げると、今まで司法試験には出ないような非効率な柊先生の授業に嫌悪感を示していた照井(てるい)さんという生徒は、とあることがきっかけで、柊先生から受け取ったホットレモンを、開封して飲みます。
今までは、柊先生の差し入れも受け取らなかった、受け取っても口にしなかった彼女が、です。
学園ものは、生徒の心が動く瞬間が、観ていて分かると、スカッとしますね。

また、食べ物を食べる、というシーンが随所にこのドラマは出てきます。
人間は食べないと生きていけません。法律を通して人間を知るとしたら、その人間に不可欠な食べることをテーマとして入れ込むのも自然ですよね。柊先生はトンカツ弁当をよく食べているのですが、しっかり食べて生きているなあって、ドラマの話数を重ねていくごとに感じます。

法律の話に戻ります。このドラマを観ていて、法律に対して抱いたのは「相手には相手の事情があり、私にも私なりの事情がある」ということです。人を裁くというのは、必ず責任を伴います。だからこそ、法律という一定の定義を使って、それぞれの事情に折り合いがつけられるような判決を出さなければいけません。
法律がそのような性質を持っているものだとしたら、法律が制定されること、学ぶこと、扱うことは、とても人間味のあるものなんだな、と強く思います。
多くの法律家が、人間と向き合って、ときには戦って、作られたものが法律なのだな、と。

絶妙なところで流れるVaundyさんの「まぶた」も、このドラマにピッタリだと思います。

「僕ら目を閉じあうことで、少しずつわかるようになるかもね」
人と人の関係性の本質をついた、素敵な歌詞だと思いました。

ドラマも終盤ですが、最後まで観るのが楽しみです!

拙文、読んでいただきありがとうございました。

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