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片耳しか聞こえない話

わたしは片耳難聴です。
生まれつき左耳の聴力がほとんどありません。
とはいえ右耳は普通に聞こえるので、健聴者と同じように毎日過ごしています。
今回は片耳難聴の経験談と、わたしなりに工夫していることを書いてみようと思います。

そもそも片耳難聴が発覚したのは幼稚園の時。
両親も気付いておらず、幼稚園の先生から「この子左耳が聞こえてないみたいです」と言われて知ったらしいです。

中学生くらいまでは毎年夏休みに総合病院で聴力検査をして、経過観察をしていました。
先天性のため治す術がなく、そのくらいしかできないそうです。
なので今はもう年に一回の会社の健康診断でしか聴力検査はしていません。


片耳難聴で困ること

わたしは生まれた時から片耳難聴なので、両耳が聞こえるという世界を知りません。
そのため健聴の状態との比較はできませんが、片耳が聞こえなくて困る場面を挙げてみます。

何よりポジション獲りが命

聞こえない側から話しかけられると、当然聞こえないので反応できません。
なので人と会話する時は、聞こえる耳側に相手に立ってもらうようにしなければいけません。
わたしは右耳が聞こえるので、なるべく自分から相手の左側に行くようにしています。
学校や会社の席も聞こえる席にしてもらっています。
まずこれができないと全く会話にならないので、ポジション獲りには日々かなり気を遣っています。

飲み会が苦手

特に大人数の飲み会ではなかなかベストポジションの席に座ることは難しく、上手く会話に入れないことが多いです。
また居酒屋はガヤガヤしているので、そもそも人の声を聞きづらい環境ではあります。
なので、飲み会の時はめちゃめちゃ頑張って聞いているので結構疲れます(笑)

電話応対しづらい

電話の受け答え自体は問題ないのですが、わたしの場合聞こえる耳と利き手がどちらも右なのでその体制が若干つらいです。
受話器を持った左手を右側にクロスさせて、利き手である右手でメモを取る姿はなんか変だなと自分でも思います。
あんまりそういう電話の出方している方いらっしゃらないですよね。

美容院が苦手

美容師さんってよく話しかけてくださるじゃないですか。
でもお店の中ってドライヤーの音や、他のお客さんと美容師さんとの会話も飛び交っているから、結構聞こえないことが多いのです。
シャンプー台で話しかけられると、美容師さんのお声が水の音で大体かき消されます(泣)
美容院に行くことは好きですが、その状況が苦手で困っています。
聞こえないと耳も疲れるし会話が辛いので、いつも予約サイトの接客への要望欄は「なるべく静かに過ごしたい」と選択するようにしています。

愛想笑いしがち

当然シンプルに聞こえないことはかなりあります。
都度聞き返すように心掛けていますが、とはいえ何回も聞き返すのは相手にも失礼なので、そういうときは愛想笑いで逃げることもあります(笑)

ステレオがわからない

今大体のイヤホンがステレオだと思いますが、ステレオイヤホンを使って音楽を聴くと左から流れてくる音が聞こえないので音が欠けて聞こえてきます。
なのでスピーカーで同じ曲を聴くと、「あ、こんなコーラス入ってたんだ!」などと後から気付くこともよくありました。
でも今はiPhoneのアクセシビリティで片耳難聴仕様に設定ができるようになっています。(すごい!!!)
わたしはステレオからモノラルに変更し、且つイヤホンの左右の音量のバランスを右に全振り(左耳からは何も流れていない状態)していて、とっても快適に音楽を楽しんでいます。
昔は片耳用のイヤホンにわざわざステレオからモノラルに変換するプラグを付けて音楽を聞いていました、、


できることや工夫していること

そんな片耳難聴ライフですが、わたしの場合は健聴者と全く同じように生活しています。
生まれつき聞こえないということもあって、これまで特別できないことには遭遇していないように思います。

運転免許は取れる

普通運転免許は特に問題なく取得できました。
一応教習の前に片耳難聴であることを申告していて、軽く聴力の確認(遠くから押されたクラクションの音が聞こえるかどうか)はしました。
日本車は運転席が左側で、助手席に聞こえない耳の方を向けることになるので、わたしは助手席の人と会話しづらくなるかもしれません。
でも車内は狭くて隣との距離も近いので、教習中は支障はありませんでした。

普通に仕事はできてる

わたしは今普通の一般企業に勤められています。
今はオフィスワークなので、座席の位置がめちゃめちゃ重要になってきます。
ここでもベスポジを獲りにいくべく、左耳が聞こえないことをチームの人に伝えて、左端の席をゲットしています。(快適!)
ただ販売接客のように、立ち位置が固定でない場合はちょっと厳しかったです。
お客様に合わせて自分の立ち位置を変えなければいけないお仕事の場合は、必ずしもベストポジションに居られるかというのはかなり難しいですよね。
あとはわたしは経験したことはありませんが、インカムを付けるお仕事は結構ハードルが高いんじゃないかなと思っています。

必要に応じてカミングアウトする

片耳難聴も言わば聴覚障害の一つなので、なかなか周りの人に言いづらいことだと思います。
でも自分が過ごしやすくなるためには、人に伝えていくのはわたしは必要だと考えています。
見た目には健聴者と変わらないので、自分が言わないとわからないですしね。
わたしは会社の関わりが多い同じ部署の方や、仲が良い友人や恋人には普通に伝えています。
経験上、片耳難聴をカミングアウトしたことで何か不利益を被ったことは今のところありません。
「わたし右耳しか聞こえないからこっち来て〜」みたいに、あまり深刻にならずにフランクに伝えるのが良いと思います。


こんな感じで片耳難聴について書いてみました。
先天性と後天性とでまた感覚なども違うと思いますが、わたしが31年片耳難聴と付き合ってきての経験は以上です。
読んでいただきありがとうございました!

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