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「若手厨」について簡単にまとめてみる

初めてのnoteでいきなりこんな話になるのも
我ながら何だかなという気がしないでもないが、
この後書こうと思っているネタに関わることでもあるので、
ちょっと書いていきたいと思う。

何も野球に限ったことではないが、
野球ファンや評論家の中には
ベテランや中堅選手の起用を嫌い、
「若手」の一軍起用を強硬に主張する人たちがいる。
ネット上では俗にこのような人たちを「若手厨」などと呼んだりしている。
もちろん「若手厨」と呼ばれる人にも個人差はあるが、
大雑把に言って次のような特徴があるように思う。

競争はない

口では「〇〇と△△を競争させる」と言い、
自分でも競争させる「つもり」かもしれないが、
その競争結果は実力ではなく感情で決まる
最初から自分の推す選手の評価は数百%増し、
逆に対抗選手は大幅に減点しているため、
実際には競争が全く存在していない。

高卒至上主義

彼らは高卒至上主義も兼ねているケースがほとんどだ。
まあドラフトの場合、
高校生は大学生だと4学年、社会人も最低3学年の年齢差があるから、
これだけなら彼らの志向について納得はいくかもしれない。
だが、それだけでは説明のつかない点もある。
まず大学生と社会人、
あるいは社会人出身同士の年齢差には興味がない点。
典型的なのが「4位赤星、ハア?」
23歳の藤本敦士と28歳の沖原佳典を
「ほとんど年齢の変わらない」と言い切った話だ。
「そんな昔の特殊な事例を持ち出されても」と言うかもしれないが、
2017年には年齢差3年、学年だと4年の差がある
21歳の岸田行倫と24歳の大城卓三の指名に対して
同様の批判が多数見られた。
もう一つは、
高卒か否かで「若手」の定義が大きく変わる点だ。
大卒や社会人出身の場合は概ね大卒1~3年目以内、
つまり遅くとも25歳の時点でベテラン、ロートル扱いになってしまう。
ところが高卒即プロの選手に限っては、
高卒10年目の28歳を超えても若手扱いすることがやたら多いのだ。
この点については今年というかつい昨日、
改めて証明する呟きを多数見ることができた。

生え抜き至上主義

彼らはまた、往々にして生え抜き至上主義も発症している。
ただし辞書的な「生え抜き」とは意味が少し違い、
他球団からトレードされた若い高卒選手は「生え抜き」、
そのチーム一筋でも
大学・社会人出身は「外様」扱いされることもしばしば。
かつての逆指名制度の影響だろうか。
なお高卒であってもFAや海外からの出戻りはあくまで外様になり、
高卒の外様よりも大卒・社会人出身の生え抜きの方が優先される。
わかりやすい例だと阪神時代の西岡剛と上本博紀(2歳差)か。

ポジションや守備力より長打力を重んじる

長打力重視は一見そこまで悪いことではなさそうに見えるが、
この「長打力」の有無は実際に残している数字ではなく、
体格や出自(高卒か否か)などの「心の目」で判断する。
典型的なのが社会人2年目に本塁打6(うち都市対抗1)、
プロ1年目に二塁打20、三塁打7、本塁打9本を打ったのに
未だに一部の阪神ファンやアンチ阪神から
「アヘ単」呼ばわりされている近本光司だろう。

「『聖域を作るな』と言ってるだけ」「成績が悪くても使い続けろ」

「若手厨」と呼ばれた人たちにしばしば見られる反論に、
「俺は『聖域を作るな』と言ってるだけだ」というのがある。
たしかに
明らかに調子が上がらないベテランが
なぜかずっと起用されるケースは時々見かけるから、
この主張は一見正当なもののように思える。
その一方で自分が推す若手に対しては
「余程のこと(≒大怪我)がない限りスタメンから外すな。
成績が悪くても使わないと育たない(=使えば育つ)から使い続けろ」
とよく口にしている。
ところでこの「成績が悪くても使い続けろ」。
我々は俗にこれを意味する漢字二文字の熟語をついさっき見たはずである。
そう、「聖域」だ。
すなわち「若手厨」とは
「『聖域を作れ」と最も強硬に主張している人たち」ということになる。
中には「『悪いのに使い続けろ』」なんて言ってない」と言う人もいるが、
実際に成績が上がらずスタメンを外れたり二軍落ちしたりすると
すぐ首脳陣を罵倒し始めるので結局は同じである。

最後に一言言っておくと、
もし「何がおかしいんだ」と思った人、
なぜか「ふざけるな。俺はそうじゃない」と激怒する人がいたら、
あなたは立派な若手厨です。
自分の見方の偏りを見直すか、
せめて自分が若手厨だという自覚を持ちましょう。

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