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EVAフォームでクローンアーマーを作る - 準備編

どうも、Stapesです。先日投稿したヘルメット改造記を読んでくださった方、ありがとうございました。

さて、ヘルメット完成後、しばらくはヘルメットだけでウキウキしていた私ですが、だんだんある思いが抑えられなくなっていきます。

アーマーが欲しい。クローントルーパーになりたい。

善は急げ、ヘルメットの時と同様に、海外のカスタム勢の情報を漁りました。そうすると、意外とハードルは高くないなということに気づいてしまったわけです。

今回は、クローンアーマーを手に入れるいろいろな方法と、実際に私が採用したEVAフォームでの造形を紹介しようと思います。


1.クローンアーマーの入手方法

海外市場では、様々な種類のクローンアーマーが出回っています。
まずは今ポピュラーなものについて紹介してみましょう。

1.バキュームフォームキット
ストームトルーパー時代から続く王道。各種海外サイトでも多数取り扱いがあります。
軽さ、頑丈さ共に申し分ないですが、キット組み立て時に自分の体に合わせて削る作業が発生し、それがなかなか大変そう。

2.3Dプリント
ここ数年で一気に発展してきた分野。データを購入して印刷してもよし、自分で造形して印刷してもよし。最近発売されている完成品アーマーも3Dプリント版が増えてきた印象がある。
こちらは積層跡の処理作業があり、これがなかなか大変。

3.テンプレートから作る
要はアーマーの展開図です。紙に印刷し、切って材料に写して、その通りに切って接着すればアーマーができるというものです。プラ板用、EVAフォーム用などの種類があり、無料公開されていたり、有料で配布されていたりと様々。

そして、今回私が採用したのは、EVAフォーム用テンプレートを使うという方式でした。
メリットは、素材が柔らかいため、体の可動域に合わせた加工がとても容易にできることです。それこそ、ハサミでジョキジョキ切って調整したりしています。また、とても軽いです。
デメリットは、その柔らかさゆえに、他のアーマーよりも頑丈性・安定性に欠け、凹みやすいということです。ここら辺については、作成編でまた触れようと思います。

2.アーマーのテンプレートについて

さて、アーマーのテンプレートですが、私は無料で配布されているものしか使っていません。
有料で配布されているものは、確かに出来はかなり良いのですが、如何せん私はコスプレど素人。いきなり有料のものに手を出して失敗したら多分立ち直れません。
そんなわけで、ネットサーフィンの末に二つのテンプレートにたどり着きました。

1.Sergio Solo氏のプラ板用テンプレート
コロンビア在住のモデラーであるSergio Solo氏が公開しているプラ板用テンプレートです。

2016年に公開されたこちらの動画の概要欄には、各部位ごとの作成動画がリンクされています。さらに、それらの動画の概要欄には各部位のアーマーのテンプレートのリンクが貼られており、無料でダウンロードすることができます。
また、コマンダー用のテンプレートであるため、ポードロン、カーマ、ホルスターなどのテンプレートもあります。
一応プラ板用ですが、EVAフォームで造形しても問題なく、私のアーマーのガントレットとポードロンはこのテンプレートをベースにしています。


2.Red Ryzer氏のEVAフォーム用テンプレート

そして2つ目が、Red Ryzer氏によるEVA用テンプレートとなります。

Ryzer氏のテンプレートはSolo氏のものをベースとしていますが、EVAフォームでの造形に最適化したものとなっています。
また、Ryzer氏は実写版のほかに、クローン・ウォーズ版のアーマーのテンプレートも作成しており、こちらも無料公開されています。

なお、Ryzer氏は今でもアーマーテンプレートのアップグレードを行っており、時折告知して投稿したりしています。氏のInstagramをフォローして、ストーリーをチェックしておくと、更新状況をたまに見ることができると思います。フォローしましょう!
https://www.instagram.com/red_ryzer/

私のアーマーの大部分は、Ryzer氏のテンプレートを使用しております。身長176cmの私が、拡大縮小無しでちょうど良く着れるサイズ感です。

3.自作
上記二つがネットで見つけて使ったテンプレートですが、幾つか足りないパーツがありました。
それらについては、テンプレートを自作しております。
工作用紙に現物合わせで直接書いたり、後述の資料をpptでトレースして印刷したりして製作しています。

3.EVAボードを準備する

テンプレートを入手したら、素材選択です。
有難いことに、日本はEVAボードの選択肢が豊富にあります。
豊富すぎるゆえに、どれを選べば良いか最初は迷ってしまいますよね。

これから、私が使用したEVAボードを紹介しますが、完全には満足していません。満足していない理由は後述します。

1.ダイソー EVAスポンジシート

おそらく最も入手難易度が低いボード。私が最初に使ったボードです。
1.5mm、2.5mm、4mmのバリエーションがあり、色も4色から選べます。

百均マテリアルガントレット

私のアーマーのうち、手甲とガントレットはこのボードを使用しています。
スカイウォーカーの夜明け最速上映前に、ガントレットくらいは欲しいなと、Sergio Solo氏テンプレートから作成しました。
手甲は4mm黄色の二枚重ね(多分)、ガントレットは2.5mm白を使用しています。
当時、まだEVAボード工作は不慣れだったので、コムパッドはダイソーのクリアタイルを貼っただけのお手軽使用です。
作成から4年経ち、手甲は下地が見えたりしてますが、まだまだ現役です。
皆様には白の使用をお勧めします。劣化して下地が見えてもリアルになるのでw

2.COSボード

私のアーマーの大部分、手甲とガントレット以外は、全てCOSボードを使用しています。白と黒の二色で、2mm、5mm、10mmから選べます。
かつては3mmがありましたが、商品仕様変更時に2mmに変わりました。
私は楽天市場で大部分を買い(楽天ポイントが貯まりやすいタイミングでまとめ買いしてます)、足りなくなって、かつ急ぎの時はユザワヤで買いました。

アーマーの大部分は5mmボード、腕や脚などは3mm、ポードロン両端に10mmを使用しています。各種CGレンダリング画像や、ドラマ版アーマーを観察して使用する厚さを決めています。

COSボードはダイソーボードと比べてきめ細かく、なおかつ曲げやすいので、加工はとても簡単にできました。
ただ、曲げやすいがゆえに、形を保つのにはいまいち向いておらず、特に脚や胴など、大型のパーツではそれが顕著になります。すぐにしなってしまいます。

他の方がアーマー制作に使用している、ライオンボードやコスプレボード ハードタイプなど、より硬いボードを使用した方がいいかもなと、完成した今となっては思います。

4.アーマー資料

個人的に、とても重要だと思う箇所です。
他のアーマーキットと違い、テンプレートから製作するには各アーマーの形をしっかり把握する必要があります。
また、テンプレートがないものは、自分で試行錯誤して作成する必要があります。
そのためには、信頼できる資料をたくさん集めておく必要があるのです。
以下に、私がアーマー制作で特に重宝した資料を載せていきます。

1.バンダイ 1/12 クローントルーパー

ウェザリングをした私の作例

https://bandai-hobby.net/item/1538/

まずはこれを入手しましよう。
CGモデルの立体を欲しているなら、これこそが決定版です。
プラモデルであるが故に、アーマーの各パーツを取り外して観察することができます。これは、他のアクションフィギュアなどではできない芸当です。


2. Hasbro The Vintage Collection Phase II Clone Trooper Action Figures (3.75”)

遊ぶ用ではなく資料用として買った稀有なオモチャ

現状、手軽に手に入るものでは最も良い、ドラマ版クローントルーパーの立体資料です。
ドラマ版のうち、Obi-Wan Kenobi、Andor、The Mandalorianで使われたFBFX社アーマーは、CG版と比べて各所が削られていたり、分割線があったりと、実際に人間が着ることを前提とした改修が施されています(Rogue One以降のストームトルーパーと同じ発想の改修ですね!)。
この3.75インチフィギュアは、Andor版のアーマーを忠実に再現しているため、CG版をベースとしている各種テンプレートを改修する際に、どこをどう削るか、立体的に観察し、反映させることができるわけです。


3.Adam Savage氏チャンネルの動画

「怪しい伝説」でお馴染み、Adam Savage氏のチャンネルに突如として投稿されたこの動画。OWK版アーマーを、作成したFBFX社のAled Holland氏と共に舐め回すように見るというやべぇ動画です(そもそもAdamは元ILM社員というすごい経歴の人ではある)。
プロップを舐め回すように見るどころか、いかにROTSのCGモデルからOWKの実物アーマーを作ったかを、CGモデリング過程まで全部開示している贅沢ぶりで、当時のクローンアーマー界隈の騒然ぶりたるや凄まじいものでした。


4.Ardeshir Radpour氏

https://www.instagram.com/equuspolo/

俳優であり、501stメンバーでもある氏は、ドラマシリーズで数多くの役を演じていますが、クローン界隈ではObi-Wan Kenobiにクローントルーパーのスタントアクターとして出演したことで知られています。
ドラマ出演後に、氏はプロップにほぼ忠実なクローンアーマを作成、その写真を数多くInstagramに投稿、さらには501stのCRLに登録もしています。
CRLは以下のリンクから参照できます。


5.シスの復讐 CGレンダー画像

結局最終的にはここに行き着きます。
アーマーの厚みなどを忠実に再現しようとした場合、結局は映画で使われたモデルのレンダー画像が一次資料となります。
これに関しては、各国のROTSを愛する者たちがいろんなメディアを漁って必死に画像をかき集め、日夜Instagramに投稿しています。
日々アーカイブは更新されていくので、何人かフォローして動向をチェックして、気に入った画像はブックマークに溜め込みましょう。


6.本編映像

Disney+で配信されている本編を4Kテレビで映して、写真を撮るという、めちゃくちゃ古典的方法で収集しています。
なんだかんだで、困った時はこれが便利です。


7.ポイズンTV

クローンアーマー制作の先輩、AKIRAさんのYouTubeチャンネルです。
ショートムービーのメイキングと見せかけたクローンアーマーメイキング動画を時々出してくれるのですが、いろんな知恵が詰まっています。
制作に疲れた時は変態的レビュー動画やタスケンの爆走動画を見て息抜きしています。
イベント直前にはtwitterでの終夜作業スペースにお付き合いいただいたりと、AKIRAさんには頭が上がりません。


Ex1.501st Legion Databank

こちらは自分はほぼ参照していませんが、501stでの認証に必要となるアーマースペックのデータバンクになります。
クローンアーマーのデータベースも豊富にあります。ただし、あくまでファンが作って認証した、501stのレギュレーション集ですので、自分の欲する資料であるか、見極めながら使う必要があります。


Ex2.Hot Toys TV Masterpiece - 501st Legion Clone Trooper

トイサピエンスで撮影

買ってないのでExです。TVCは手軽に手に入る資料ですが、こちらはそう簡単には手に入りません。ただし、資料としては圧倒的に情報量が多いです。
買えないならどうするか?
トイサピエンスで舐めるように写真を撮るしかありません。
先日たくさん撮影できたので、今後のアーマー制作追い込みで活用します。


以上が私が使用した資料+αとなります。

ここまで読めばお分かりかと思いますが
私は特定のクローンを忠実に作ろうとはしていません。
コスチュームとして着やすく、それでいて実際のアーマーからは完全には逸脱しない。良い塩梅のアーマー作成を目指しています。

そもそも作ろうとしているのがアニメのキャラのアーマーなので、忠実もへったくれもないわけですが・・・・・・


と、制作まで全部書くつもりでしたが、なんかこの時点でものすごい情報量になってしまったので、準備編として一旦ここで区切ります。

次回は製作編となります。ではまた。

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