新卒で入社した会社の話11

流石に2人体制だと無理があると思ったのか、結局派遣社員が来ることになった。名前は、副島。年齢は21歳。短大を出て、調剤薬局で勤めていたという経歴。聞くところによると、資格も持ってるから即戦力になる。。らしい。

即戦力になるかどうかは置いておいて、半年前にパートの人を切ったところなのに、派遣社員を雇おうとするこの組織の読みの甘さに腹が立った。

下手すると、パートで雇うより派遣の方が金額高いんじゃないか。

本当にろくな人が一人もいない。この組織にもう期待することはなく、一刻も早くここを出て行きたいという思いに拍車がかかった。


さて、即戦力候補の派遣社員さんだが、蓋を開けてみると、もう言葉にならないくらいのポンコツだった。

電話応対も全くダメ。電話応対という以前に、言葉遣いがおかしい。呼吸をするように人をイラッとさせるような言葉遣いをされる。

その度に、椎村から副島に指導が入る。
半笑いでその子は聞いている。

教えていてもメモも取ろうとしないし一向に成長するところがない。
私の机の引き出しからいきなりハンコを取ろうとする。私が座っているにも関わらず。

いわゆる、常識が一切持ち合わせていないような子だった。

そして、副島もまさかの男好きで、男性社員に喋りかける時は、猫撫で声でお願いとかするタイプ。

私は正直そういうことに関しては何も思わないタイプだが、やはり女王様の椎村にはよろしく映らなかったようで、副島へのあたりが、自然と強くなって行くのを感じていた。

案の定、3ヶ月も満たない頃に、辞めると言い出し始めた。

まぁそうだろう。

これ以上ここにいられても余計にイライラさせられるし、仕事も逆に増えて行く未来しかなかったのだから。

また2人体制に戻ってしまった。


そしてその1ヶ月後、所長から言われた一言が、

「来月から新しい派遣の人が来る。今度は40代のしっかりした人だ。」

期待はなかった。

結局、年齢とかそういう表面的なところでしか人を判断できないこの読みの浅さしかないのだ。
そしてそんな奴が所長という位置にいる。

3年目に入ったら絶対やめる。

就職先決まらなくても絶対やめる。

覚悟は決まった。

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