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【翻訳】ポーカーにおける最も強力なプレーとは【ICM、MTT】GTOWブログ.34

スタックの深さの中心的な戦略的含意は、プレイヤーが自分のスタック全てを賭けて利益を得るために、どれだけのエクイティを期待しなければならないかという問題である。通貨やトーナメントチップ、あるいはビッグブラインドで測られるようなスタックの大きさではなく、SPRがこれを決定する。SPRが低ければ低いほど、あなたとあなたの対戦相手はオールインするのに十分な強さの手札を持っていることが多くなる。他のすべては、この中心的な観察から導かれる。

オールインすることは強力なプレイである。ショーダウンで勝てる可能性のあるハンドをフォールドさせることで、他のプレイヤーのエクイティを否定する機会を与えながら、自分のエクイティを完全に実現することができる。SPRが低くなれば低くなるほど、あなたの戦略は、オールインされることで相手にエクイティを奪われるような状況を避けつつ、オールインすることで利益を上げられるような状況を作ることに重点を置くべきである。


トーナメントとICM

トーナメントでは、ICMチキンゲームでも有利になるため、オールインすることはさらに強力だ。2台の車が互いに正面からスピードを出しあっているとしよう。トーナメントで2人のプレイヤーがお互いにオールインすると、お互いに何かを失うことになるので、そのような対決を避けることがお互いのプレイヤーの利益になる。オールインすることは、Lee NelsonとTyson Streibの著書「Kill Everyone」の言葉を借りれば、ハンドルを窓から投げ捨てることと同じである。もはやハンドルを切ることは不可能なので、あなたは相手にフォールドを強要し、大きく分散の高いショーダウンを避けるのである。

オールインレンジ

この原則を簡単かつ強力に説明するために、50BBスタックのトーナメントスポットのChipEVシミュレーションを見てみよう。COが2.3BBでオープンし、BTNがコールした後、BBはハンドレンジの5%で(88やJ9sのような弱いハンドも含まれる)ポットの約6倍のレイズである50BBでオールインする:

ソルバーが登場する以前の常識では、このような大きなサイズのAIは決して正しくなく、魚がポストフロップでプレイするのが嫌だからすることだと考えられていた。しかし、魚は何かを掴んでいたのだ!!
BBがどの手をAIしているかに注目してほしい。最も強い手はレンジに無くAAは喜んで次のアクションを誘う。AIに最適なのは、相手の強いコールレンジに対して多くのエクイティを持ちながら、フォールドから多大な恩恵を受けるハンドや、フロップ後のプレイが難しいハンドである。

小さいレイズを選択するハンド

ここでは先ほどの原則が見る事が出来る: BBは、対戦相手のエクイティを否定し、AQoと中位のペアのエクイティ実現を100%保証するために、ポットを大幅に超える額にオーバーベットするという極端な手段を取る。

これはまた、BBの対戦相手がBBのエクイティを否定する機会を奪うことにもなる。「通常の」10.4BBへのレイズは他のプレイヤーをオールインに誘い、これらのハンドを不利な状況に追い込む可能性がある。JTsは4ベットに対して簡単にはフォールドしないように見えるかもしれないが、99やAKoのようなハンドに大きなポットで約50%のエクイティを与えてしまうリスクがある。

BBがこのようなスポットを避けるもう一つの方法は、全くレイズしないことである。Q8sとJ8sはレイズすることがあるが、K8sとA8sはレイズしない。問題は、レイズするには弱すぎるということではない。むしろ、レイズフォールドするには強すぎ、レイズコールするには強くないのである。
BBがオールインでは無いレイズをする場合、彼らはオールイン4ベットに直面するリスクを念頭に置いてポラーなレンジを構築している。このレイズレンジは、コールされても戦えて、AIされた時に簡単にフォールド出来るようなハンド(A9o、JTo)と、相手のAIを誘発したい極めて強いハンド(ビッグペア、ビッグスーツのA-Xの手)で構成される。

ポストフロッププレイ

同じ原則がポストフロップのプレイにも当てはまる。以下は、J♥ T♥5♦のフロップでBBvsBTNのシングルレイズドポットでヘッズアップのES40bbのCbet戦略である。BTNはT♠7♠や88のようなミディアムペアを含む79%のハンドをベットしている。

ES20BBでの同じシナリオと比較してみよう。BTNのCbetの頻度は62%に下がり、控えめなペアはほとんどチェックするようになった。これは、20BBではBBがよりアグレッシブにオールインでチェックレイズできるため、BTNはこのレイズに直面するのを嫌うハンドでより保守的にならざるを得ないからである。

結論

上述の頻出する2つの状況で見た事と同じ原理が、オールインが選択肢となるポーカーゲームでは、すべての決定ポイント、すべてのストリートにおいて働いている。有効なスタックがポットに対して浅くなればなるほど、オールインの脅威と機会を中心に最適な戦略が展開される。つまり、常に次のことを念頭に置いてレンジを構築すべきである:

ポットをオーバーするようなベットだとしても、強いが脆弱なハンドでオールインする機会を探すこと。相手にフォールドさせることができるエクイティの高いハンドに着目すれば、判断はより正確になる。
レイズする時は、相手にそこにオールインをしてあなたのエクイティを否定させる事が出来る事に注意すること。あなたのベットがよりオールインに近くなれば、あなたのベットレンジはポラライズされ、その中間のハンドは全くベットしないか、自らオールインするようになる。

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