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【翻訳】ブラフをしてこない相手へのアジャスト【エクスプロイト、MTT】GTOWブログ.114

「あいつはいつも何かを持っている!」とは、ポーカーでよく使われる、半ば冗談のような表現であるり、あるタイプのプレイヤーが決してブラフしない傾向がある事を説明する時に使われる。これは、一見パッシブに見えるプレイヤーが、普段のキャラクターにそぐわないアグレッシブなプレイをしたときに使われる。

新しいノードロック機能のおかげで、あるプレイヤーがアグレッシブなプレイをしたときに、本当に『常に何かを持っている』場合にソルバーがどうするかを確認することができる。実際、私はこのテーマについて深く研究をした。というのも、最近完成させた書籍プロジェクトがノードロックに関するものだからだ。GTO Wizardのノードロック機能があれば、執筆作業はもっと簡単だっただろう。それにしても、AIの頭の中に飛び込むのはエキサイティングだ。




GTO vs 全くブラフをしないプレイヤー


この例では、ソリューションライブラリから、有効スタック60bb、UTG vs BTN、シングルレイズドポットのプリフロップレンジを使用した。そしてAIにオートマチックベットサイジングオプションを使うように設定した。(特定の機能やノードロックに慣れていない場合には一般的にこれが最良のオプションである)。

フロップは K♥J♦2♣。

これがプリフロップのレンジである:

この例では、UTGは67%の確率で39%サイズのベットをしている(彼らのベットレンジについては後で見てみよう)。彼らがベットした場合、BTNは以下のように反応する:

56%ポットサイズのレイズレンジが10%存在する。バリューハンドはほとんどがトップペア以上の強いハンドである。ブラフは、QTsのオープンエンドストレートドローや、T♦9♦のようなバックドアーフラッシュドロー+ガットショットのようなセミブラフハンドがほとんどである。また、A♦5♦のように、1オーバーカードとともにバックドアフラッシュとバックドアホイールストレートドローの両方を持つハンドもある。また、44や33のようなハンドもブラフとしてレイズすることもある。これらのハンドはドローなどの、今はまだ勝っているハンドにコールされる可能性のあるハンドではあるが、コールされることを決して望まないハンドであるからである。

しかし、もし相手がこのような場面でブラフレイズをしないと感じたらどうだろうか?彼らはUTGがチェックしたターンではブラフをかけるかもしれないが、UTGからのCbetをレイズすることはないと仮定しよう。

ノードロック機能を使って、BTNの対応を以下のように変える:

コンティニューの頻度はほとんど同じだ。しかし、私たちがブラフとして分類したハンドはすべてコールになっている。実際には、相手がブラフをしないと考えるなら、小さなポケットペアやAハイでブラフキャッチをしないと考えるのが妥当かもしれない。また、J9sのようなセカンドペア+弱いキッカー+弱いバックドアストレートドローを持つようなハンドでレイズする可能性も無いかもしれない。このようなプレイヤータイプはGTO Wizardで自分で検証することができるが、出来るだけ近い比較をするために、同じバリューレンジでブラフを無くしてみよう。

ソルバーが行うアジャストは、ブラフをしないプレイヤーに対して繰り返し適用できる信頼性の高いヒューリスティックをいくつか示している。


よりアグレッシブに


ノードロックで最も興味深い事の一つは、プレイヤーのリークへのアジャストが、リークが発生した場所ではなく、ゲームツリーのより早い段階で行われることがあることである。この動きはプレイヤーがブラフを全く持たない場合によくあることである。

フロップの最初に戻って、「ノードの比較」機能を使うと最初の大きな調整を見ることができる。これはUTGがハンドの開始時に行うことである:

左がノードロックをしたもの、右が均衡戦略である。

GTOソリューションでは、UTGはレンジアドバンテージを持っているが、ポジションが無い為、レンジベットは行わず、代わりに67%の確率でベットすることを選んだ。しかし、BTNが決してブラフをしない場合、UTGはベット頻度を67%から100%に上げることができる。

ソルバーはレイズされ、エクイティを手放さなければならないことを嫌う。レイズされる頻度が高く無いのであれば、はるかに高い頻度でベットするだろう。

ブラフが無い例では、相手のレイズレンジが強いときにリードする頻度を高くするのは直感に反するように思えるかもしれないが、私たちはレイズを誘発しようとしているのではなく、コールやフォールドをするBTNの残りのレンジを狙っているのである。その点、ブラフをしないプレイヤーとの対戦はずっと簡単です。彼らは残りのレンジでよりパッシブであり、彼らがレイズしたとき、私たちは通常負けていると確信しフォールドすることで、安く済ませることができる。

また、dynamicやfixedのベットサイズを試してみると、同じような理由でソルバーがベットサイズを大きくすることをより好むことがわかるかもしれない。


相手のアグレッションに対し、より多くフォールドする


最初のアジャストには驚いたかもしれないが、こちらのアジャストには驚きは無いだろう。これは、ソルバー時代以前から、ブラフレンジのないプレイヤーに対して、多くの思慮深いプレイヤー達が常に行ってきたアジャストである。相手が決してブラフをしないのであれば、相手は非常に強いレイズレンジを持っていることになり、その結果、こちらも通常より強いレンジで対応する必要があるという
のは理にかなっている。

GTOソリューション(右)では、40%の確率でフォールドしている。しかし、ノードロックバージョン(左)では、82%の確率でフォールドする。私たちが「ブラフ・キャッチャー」に分類するようなハンドは、ブラフをしないプレイヤーに対しては役に立たなくなる。

そのため、GTOの例と比べて2倍の手札をフォールドする。KTsやQQのような非常に強いハンドでも、セカンドペア以上のレンジに対してはほとんど通用しないので、ここではフォールドする。


改善する可能性はより重要になる


相手が決してブラフを仕掛けてこないので、私たちは非常に強いハンドをフォールドするが、それでも相手のハンドの多くを逆転することが出来るいくつかののアンメイドハンドをコンティニューする。下にあるように、AQs、ATs、QTs、T9sをコールすることもあるのだ。

なぜQTsでコールしてQQをフォールドするのか?なぜなら、このようなハンドは非常に強い相手のバリューレンジを逆転することがあり、その際に多くのチップを獲得することが出来るからである。二つ目の利点は、インプライドオッズの概念に関連している。これらのハンドはすべてストレートを作ることができ、ATsとAQsの場合はより良いトップペアを作ることもできる。QTsを除いて、これらのスーテッドハンドはスペードの時にフォールドする。なぜなら、このスペードのないレインボーボードではバックドアフラッシュドローがないからである。


レイズ頻度を下げる(あるいは全くしない)


GTOソリューションではBTNのレイズに直面したとき、ATo、Q9s、66のようなブラフを含む3betレンジを持っていたことに気付いただろう。また、バリューサイドでは、22、JJ、AA、AKo、KJo、KToのようなハンドがあった。これがGTOの反応である:

ノードロックソリューションにはそのような3betレンジはない。私たちはベストハンドをコールし、残りはフォールドする。

相手がバリューヘビーなレンジを持っていて、後のストリートでベットし続ける可能性が高いことを知っているので、その事を利用してこちらが強いハンドを持っているときは相手にベットさせる。QTsのようなドローを持っている場合、ベットしたくは無い。なぜなら、相手をフォールドさせることが出来ない(フォールドエクイティがない)ため、出来るだけ安く次のカードを見たいからである。

ノードロックに関する1つの重要な考え方は、ゲームツリーの一部を変更すると、ソルバーがロックした前後のノードでは可能な限り完璧にプレイしようとすることである。従って、UTGの3ベットレンジをトップペアトップキッカー以上に強化するよう追加のノードロックを行った場合、BTNはいくつかの非常に強いハンドをフォールドするだろう。これがBTNの反応である:

ここで3betをすると、AKやKQのようなコールが欲しいハンドをフォールドアウトしてしまう。

実際のゲーム中で、ブラフをしない相手が決してフォールドもしないと思われる場合は、ターンカードが出て相手が怖がったり、動きが鈍くなったりする前に、大きなハンドでベットした方がいいかもしれない。しかし、ここでは私たちはコールするだけで、相手がターンやリバーでも引き続きベットしてくることを高い確率で期待している。

これはノードロックから得られるもう一つの教訓である。相手が何らかのミスをしている場合、そのミスを続けさせることが重要だ。

非常に明白なレンジで相手がベットし続けるように仕向ける方が、フォールドする機会を与えるよりも、複数のストリートにわたって支払いを受け取れる可能性が高くなる。ソルバーは通常、相手がミスをしている部分のゲームツリーにとどめようとし、無理にその部分から引き離そうとはしない。


まとめ


これらのアジャストに共通するのは、相手にブラフがないとき、相手はアンバランスだということだ。それに対して、あなたもアンバランスになろう。あなたは、相手がブラフをする可能性が低いことを知っているので、より頻繁にベットするようになるが、相手がアグレッシブなアクションを取ったときには、ブラフキャッチャーをすべてフォールドする。バリューハンドのバランスを取るためにブラフを必要としなくなり、自分のレンジの中で最高のハンドをプレイするだけでよくなる。



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