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【翻訳】ターンのテクスチャーの分析【CASH、MTT、セオリー】GTOWブログ.38

ホールデムのようなコミュニティカードゲームでは、ボード上の表向きのカードが、ショーダウンで見られる可能性の高いハンドに関する重要な情報源となる。ボードの質感によって、どのペアがありそうか、ストレート、フラッシュ、フルハウスが可能かどうかが決まる。新しいカードが表向きになる度に、これらの変数に関する新しい情報と、自分のハンドがどの程度の確率で勝っていそうなのかを知ることができる。

フロップはあらゆるストリートの中で最も多くの情報を明らかになる。フロップは、ハイカード、スートの数、ペアかどうか、ストレートやストレートドローの可能性などによって分類することができる。これらはすべて、ボードカードが各プレイヤーのレンジにあり得るホールカードと、どのように相互作用するかを知る方法である。

フロップでは存在し得なかった、どんなハンドがターンでは持ち得るようになったのか?どのプレイヤーのレンジにも大きく影響しそうにないブランクのターンカードでさえ、重要な情報を伝えている。フロップですでに強かったハンドは、ターンで脅威が薄れることでより強くなり、ドローやペアでは無いハンドは、改善するチャンスが残り1回しかないことで弱くなる。ターンの新しいボードカードを分析するとき、私たちが最も興味を抱くべき疑問は、「何が変わったのか?」という事である。


レンジアドバンテージ

レンジ・アドバンテージとは、異なるプレイヤーのレンジが互いにどのように影響し合うかを語る方法である。レンジ・アドバンテージには主に2種類ある:

  • エクイティ・アドバンテージ - エクイティが各プレイヤーのレンジ間でどのように配分されているか?どのプレーヤーが最も多く、その差はどのくらいか?エクイティアドバンテージはベット頻度と相関する傾向がある。プレイヤーのレンジが強ければ強いほど、ベットするインセンティブが高くなる。

  • ナッツアドバンテージ - 各プレイヤーが最強のハンドを持っている可能性はどのくらいか?また、その差はどの程度か?ナッツアドバンテージはベットサイズと相関する傾向がある。対戦相手に比べてナッツハンドを持っている可能性が高いプレイヤーほど、大きなベットでポットを大きくするインセンティブがある。

詳しくはこちらの記事から

フロップでのプレイヤーのエクイティは、起こり得る全てのターンも含むエクイティの平均である。特定のターンカードが公開されると、そのカードが相手に対してどれだけ有利かによってエクイティが増減し、それに伴ってベット頻度も増減する。

ナッツアドバンテージはより二元的である。フロップのアクションの後、一方のプレイヤーがナッツのアドバンテージを持ち、ターンの結果次第でそのアドバンテージを維持するか失うかのどちらかになる。フロップでのナッツアドバンテージを持つプレイヤーは、ボードの質感を大きく変えないブランのクターンには大きなサイズのベットをし、ボードの質感を変えるようなターンでは小さなサイズのベットをする傾向がある。(新たにナッツアドバンテージを得たプレイヤーからの頻繁なドンクベットを伴うこともある)

事前のアクション

ターンの感触を分析する際には、プリフロップとフロップのアクションを念頭に置くことが重要であり、それによってターンの前にどちらのプレイヤーがレンジのアドバンテージを享受していたかが決まる。

アグレッションはナッツアドバンテージと相関する。ベットやレイズをしているプレイヤーは、チェックやコールをしているプレイヤーよりもナッツハンドを持っている可能性が高い。プリフロップでレイズし、フロップでコンティニュエーションベットをし、コールされたプレイヤーは、ターンに向けてナッツアドバンテージを持っているだろう。平均的なターンカードでは、プレイヤーは大きくベットするかチェックするかを選択する事になるが、テクスチャーを変えるターンカードは定義上例外である。

プリフロップのアグレッサーは、フロップをチェックした場合、ナッツクラスのハンドである確率は低くなると言える。フロップでのナッツアドバンテージの大きさに応じて、ターンでそのアドバンテージを維持する事もあるが、それは薄れるだろう。

NL500 100BB キャッシュゲームからの例で、これらの原則が実践されているのを見ることが出来る。UTG がオープンし、BB がコールする。UTG は K♠ 8♠ 7♥ のフロップでポットの 33% をベットし、BB が再びコールをする。この時点で、ターンのカードが明らかになる前に、UTG はナッツアドバンテージを持っているが、エクイティのアドバンテージは無い。BB は自分の最高クラスのハンドをレイズし、最弱のハンドをフォールドするインセンティブが非常に高いため、彼らのコールは比較的強いがコンデンスされたレンジを示しており、一方でUTGのベットは非常に強いハンドと比較的弱いハンドにポラライズされている。

このことがUTGのターン戦略にとってどのような意味を持つかを思い出してみよう:

  • ブランクのターンでは、大きなサイズで低頻度のベットを行うと予測される。

  • UTGのナッツアドバンテージを否定するようなターンでは、ベット額は小さくなり、おそらくベット頻度も低くなると予想される(ターンがエクイティ配分をどのように変えるかによるが)。

  • UTGのナッツアドバンテージが維持され、エクイティも改善されるターンでは、ベット頻度は高くなり、ベットサイズは小さくなることが多い。

以下は、上記のノードの後にターンでBBがチェックした場合のUTGの戦略をまとめたレポートである:

いくつかのパターンが見られる:

  • UTGは一貫して3枚目のスペードが落ちたターンでは小さなベットサイズを使う、BBには多くのフラッシュが完成するためこのターンカードはUTGのナッツアドバンテージを否定する。唯一の例外は7sで、これはボードがペアになる3枚目のスペードである。UTGのレンジにはクワッズやフルハウスがBBよりも多いので、このカードではオーバーベットが可能である。

  • ストレートを完成させるカードも同様に機能するが、BBはストレートのコンボが少ないため、その効果はそれほど劇的ではない。BBはプリフロップで96oをフォールドし、フロップで96sを高頻度でレイズするため、5が例外となる。

  • UTGはスペード以外のA、K、Qのターンで最もベット頻度が高い。これらのカードはストレートやフラッシュを成立させず、UTGのエクイティをBBよりも向上させるが、これはUTGのフロップアクションの後、ペアではないブロードウェイカードを持っている可能性が高いためである。これは、特にAがターンした時のベットサイズが小さくなることと関連している。このようなカードはUTGのエクイティに大きく貢献するため、オーバーベットのレンジをサポートするブラフ候補が足りなくなってしまうからである。

  • 最もブランクのターンはスペード以外のホイールカードであり、これはドローを完成させるものでも、UTGのレンジのアンペアハンドを改善するものでもない。これらのカードでは、UTGは高頻度でチェックするか、オーバーベットする。

  • BBがUTGよりもトリップスを完成させる可能性が高いため、UTGにとってボードの下のペアである7と8はKほど良いカードでは無い。その結果、UTGがこれらのターンにベットすることはほとんどないが、7♠と同様、フルハウスとクワッドのアドバンテージはまだ小さな頻度でのオーバーベットのレンジを可能にする。

BBはフロップをチェックコールした後、ほとんどターンで(ドンクベットをせずに)チェックする。唯一の例外は、BBのcappedレンジに新たなナッツハンドが加わることである:

BBにはこれらのカードがターンした時にベットするインセンティブがある。なぜなら、これらのカードはUTGにとって不利であり、チェックしたときにあまりUTGがベットすることを期待できないからである。
この記事では、集合分析を多用しているが、使い方についての説明はこの動画を参考にすること。

フロップがチェックスルーした場合

ここで、UTGがフロップをチェックしたときのことを考えてみよう。このフロップにおいては25%の頻度で起こり得る。UTGのチェックレンジはベットレンジよりやや弱いが、決してチェックハンドには弱いハンドしか無いわけではないことに注意することが重要だ。実際、UTGはフロップで最も弱いハンドの多くをベットするインセンティブがあるため、彼らのチェックレンジはむしろコンデンスされており、彼らのチェックレンジはペアの周りに集中している:

UTGのプリフロップのレンジはBBのレンジよりはるかに強いので、多少の弱体化効果はあるにせよ、エクイティアドバンテージとチェック後のある程度のナッツアドバンテージの両方を保持している。つまり、一般的に、ターンでのBBのベット頻度は低く、ベットサイズも小さいと予想される。
以下はフロップのチェックスルー後のレポートで、今回はBBの視点からの戦略を示している:

確かにベットの頻度は低い事が見て取れる。BBがベットするのに最適なカードは、やはりボードのテクスチャーを変えるカードである。実際、これらのカードはUTGがフロップでチェックビハインドした場合は、BBにとってさらに有利になる!これは、フロップでのアクションが、ボードに関わるカード周りにCbetレンジを集中させるからである。UTGはフロップでフラッシュやストレートのドローをベットするインセンティブが高いので、これらのカードがターンした時にフラッシュやストレートを作る可能性は低くなる。

UTGのフロップチェックレンジにおけるドローの内訳は以下の通り:

フロップのCベットを拒否することは、UTGがドローを保持している可能性が低いことを示している。BBはレンジ全体でフロップチェックを行うため、これと同じ情報は無い。従って、フロップのチェックの後にドローが完成するターンカードが落ちると、BBはナッツアドバンテージを獲得し、オーバーベットをすることができる。 これはUTGがフロップでドローハンドのいくつかをチェックしていたとしても同じ事である。

BBが2回目のチェックをした場合、UTGからのベットはほとんど小さいサイズのものになる。主な例外はブロードウェイカードであり、このカードは彼らのEVを最も向上させ、以前はキャップされていたレンジに新たなナッツクラスのハンドを加えることになる。


結論

レンジの格差はUTG対BBの対決において最も顕著であり、上述の物はUTGにとって特に良いフロップである。このようなパターンが常にこのように明確で顕著であるとは限らないが、基本的な原則はどのような状況でもターンカードの評価に役立つはずである。ターンカードの前に、エクイティとナッティハンドがどのように配分されているかを明確に理解することから始め、次にターンがそれらの配分をどの程度変えるかを考える。


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記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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