【翻訳】最悪のターンカード【CASH、セオリー】GTOWブログ.105
GTOの世界からこんにちは。今日の記事ではターンの集合分析機能を使用して、SRPのプリフロップレイザー(PFR)がIPからフロップでCbetを行い、OOPがコールした時に、どのようなターンカードが私達にとって良いのか、悪いのかをマクロな視点で確認していく。
詳細な分析のために、いくつかのレインボーフロップを見て、大局的な学習に役立つようなパターンを見つけられるかどうか見てみよう。これらの研究は100bbのキャッシュゲームを基づいているが、いくつかのパターンはトーナメントの状況にも適用出来るだろう。
シナリオ1. BTN vs BB SRP K72r
よくあるポーカーの状況である。私たちはボタンからプリフロップでレイズし、相手はビッグブラインドからコールをした。そして今、私たちはインポジションでプリフロップレイザーとして有利な状況にいる。
最初のフロップは、K♠7♥2♦である。
これはBTNが自分のレンジの大部分で小さなCbetを使うことを気にしないフロップである。フラッシュやストレートドローのような自然なコールハンドがなければ、ポジションが無いBBがこのボードでディフェンスするのは難しので、小さなベットに対してオーバーフォールドをする。
そこで我々は33%のポットをCbetし、BBはコールした。ディーラーが4枚目のコミュニティカードを出すまでの一瞬の間に...。
クイズ1
これらのターンカードをBTNのエクイティの高い順に並べてみよう。ボードはレインボーなので、この分析においてスーツの違いは非常に小さい。
T
A
5
K
答えは出ただろうか?ほとんどの読者はAがBTNのレンジのエクイティ的にベストなカードだと思っただろうし、何人かの方はKはBTNにとって非常に不利なカードだと思ったかもしれない。そこで、あなたはこう答えたかもしれない: A>T>5>Kと。
しかし正しい答えを知って驚くかもしれない。Wizardが実際に出したBTNのエクイティの高い順番は、T>A>5>Kの順番なのだから。
次のチャートは、BTNのエクイティをターンカード別に表示したものである(緑が最高、赤が最低):
K♠7♥2♦T♣
まずTから始めよう。AJ、QJ、98などのBTNのフロップでCbetをしたバックドアハンドを助けるだけでなく、BBのフロップのチェックコールレンジからも外れている。BBがチェックコールのラインを取り、ターンのTで改善するハンドを持つことは難しい。全体として、スーツの異なるT♣はBTNのレンジにとって最良のカードであり、BTNに49.9%のエクイティを与えている。
下のソリューションを見ればわかるように、BBはQJs、98s、J9sのようなバックドアのコンボドローをフロップのチェックレイズのプレイを好む。これらのハンドは、フロップでチェックコールしてプレイするにはショーダウンバリューが不十分であるため、ソルバーは、バックドアのストレート/フラッシュドローにターンで発展した場合に継続する能力を持つこれらのハンドをセミブラフとして扱うことを好む。従って、これらのカードがチェックコールしたBBのターンレンジに現れる頻度は減る。
以下の図はBTNが小さなCbetをした場合のBBのフロップ戦略である:
J9s、98s、QJsが全てチェックレイズをする頻度があり、フロップのチェックコールラインでのコンボが減っていることに注目して欲しい。
K♠7♥2♦A♣
次はAだ。Aが出た場合、BTNのレンジのエクイティは45.9%である。なぜなら、BTNがフロップでチェックバックするAハイのパーセンテージが6.8%とある程度存在するからである。十分なショーダウンバリューがあり、ベットすると強すぎるレンジに直面するからである。
BTNのCbetレンジとBBのフロップコールレンジを比較してみよう。
BBにとってAは思ったほど悪いカードではない。BBは実際、Aとそれなりのキッカーのハンド(AQ-A8)のほとんどをフロップでチェックコールしている。それらはコールしてプレイするのに十分なショウダウンバリューを持っている。
BBがフロップでチェックコールをする閾値は、A8oがチェックコールできるのに対し、A6oはチェックフォールドになるようだ。これはA8oがBTNのレンジの7xに対して追加のアウツを与えてくれるからである。
ここでは、「レンジ」タブを使って、ターンでAが落ちた時の各プレイヤーのトップペアのレンジを調べてみよう。BBがトップペアのアドバンテージを持っていることに注意しよう。
Aが落ちたとき、BBのトップペアのコンボ数は38であるのに対し、BTNは72コンボである。しかし、BTNがレンジの大部分でフロップでCbetするのに対し、BBのレンジはずっと狭いので、実際にはBBの方がトップペアのコンボの割合が高い。ハンドクラスを理解する上で重要なのは、絶対的なコンボ数ではなく、それらが各プレイヤーのレンジの中でどれくらいの頻度で発生するかである。
例えば、あなたはリバーでナッツを6コンボ持っているとする。それは、それほど多くないように思えるが、リバーに到達するエアーが3コンボしかない事に気付くとどうだろう?。突然、ナッツの6コンボがレンジの2/3を占めるようになり、多く感じるようになる!別のシチュエーションでは、500コンボのハンドでプリフロップでレイズし、そのうちプリフロップのナッツAAが6コンボしかなかったとする。今、6コンボはとても少なく見える。
K♠7♥2♦5♣
次はブランクである5を見てみよう。5♣でBTNのエクイティは44.5%に落ち込む!
ターンに5が出た場合、BBはより多くのツーペアコンボを持っている。
BBはより多くのツーペアコンボや55のセットを完成させるので、5はAよりもBTNにとって少し不利である。それ以前のターンカードとは異なり、BBはTTやAAのようなセットをプリフロップで3betしていたため、ターンでセットを完成させることはなかった。加えて、BTNのレンジは当然ハイカードが多いので、5はBTNのレンジのブロードウェイ部分には役立たないが、A4sやA3sのようなAローには役立つ。
A3sやA4sのようなハンドは今、ダブルバレルの絶好の機会を得ている。しかし、これらのハンドはBTNのレンジのほんの一部に過ぎない。
K♠7♥2♦K♣
このボードの分析の最後のカードはトップカードとペアになるKだ。
ターンでKが落ちた場合BBの方がトリップスを持つ確率が高い。
トリップスのコンボだけを見ればBBがやや有利だが、BTNもかなりの数のトリップスを持っている。
両プレイヤーが同じようなナッツコンボを示すにも関わらず、BTNはバックドアドロータイプのハンドを多く持っていたため、Kは全体的にBTNにとって不利なカードである。T9、86、65のようなハンドはターンカードによる改善によって、エクイティが高まる(ペアをヒットするかドローに昇格するか)ことを期待していた為である。
オフスーツのK♣はBTNのレンジ内の、どのバックドアドローに対しても追加のエクイティを全くもたらさないので、すべてのKの中でも最悪のカードである。
BBもBTNも相手の全レンジに対して90%以上のエクイティを持つ「ナッツ」コンボを持っているので、BTNはもう明確なナッツアドバンテージを持っていない。
この状況を理解するのに、エクイティ分布のグラフがとても役に立つ。ターンのKで、BBもBTNもレンジにナッツハンドを持っている。この場合の「ナッツ」の定義はKx以上であり、相手の全レンジに対して90%以上のエクイティがある。
しかし、BTNのエクイティは濃い緑の線で示されているように、ほとんど常にビハインドである。
BTNは自分のレンジの多くを強いハンドとエアーにポラライズさせる必要があるため厳しい状況にあるが、BBはKxの十分なコンボで簡単にディフェンス出来る。BTNがBBのナッツレンジに勝てるだけの「超ナッツクラス」ハンドを持っていれば、この問題はそれほど大きくならないだろう。
BTNのターンカード毎の戦略
以上の研究から何が結論づけられるだろうか?
私たちは関与するレンジに注意し,それらがターンカードとどのように相互作用するかを理解しなければならない。一般にPFRは大きいカード(9以上)を好む。
オーバーカードは通常BBよりもPFRに僅かに有利に働く。
5のようなローカードはPFRにとってあまり良くない。
相手がアグレッシブに対抗するためのナッツクラスのハンドを持っていない場合、一般的な2/3ポットベットよりもオーバーベットの方が良いかもしれない。私はこれを、選択的に攻撃的になるための「青信号」と呼んでいる。
ボードペアのカードは非常に悪い。ターンされたKでは、「黄信号」を見たかのように、より慎重になり、それに応じてバレルの頻度を減らすべきである。
エクイティとベット頻度にはある程度の相関関係があるが、これには両プレイヤーのナッツレンジにも影響される。
ターンではレインボーボードの場合通常IPは1/3サイズは使わない。バリューハンドは大きくベットすることを望み、ショーダウンなショーダウンバリューがあるハンドは、小さくベットするよりチェックした方がEVが高い。従って、私たちの決定はチェックするか大きくベットするか(66%から125-150%ポット)のどちらかにするべきである。
これらの分析が正しいかどうか、いくつかのフロップを見てみよう。
シナリオ2. BTN vs BB SRP J85r
このJ♠8♥5♦フロップの「General」ストラテジーには多くの異なるベットサイズが含まれるため、この研究のために、BTNがフロップで33%ポットのCbetのみを使用するよう制限する「Simplified」ストラテジーを使用した。このフロップはレンジベットするスポットではない。
このフロップのデータは先ほどのシナリオとは少し異なる。次の図は、J85rでPFRが33%ベットした後の、ターンカード別のBTNのエクイティを示している:
BTNにとって最悪のターンカードはボードのペアとなるカードではなく、実は「2」である(僅差ではあるが)。一般に、このシナリオではすべてのローカードがBTNにとって不利である。
K、A、QなどがBTNに有利なカードである。オーバーカードに関する観測可能な傾向があらわれ始めている。これはKQ、KT、QT、Q9のようなハンドの多くがCbetを行い、それらがドローやトップペアに昇格したため理にかなっている。また、BBがJ85でAxよりもショーダウンバリューの乏しいKxをチェックコールする方が難しいので、BTNにとってはAよりKの方が若干有利である。
Tや9のようなカードはBTNにとって問題はない、多くのストレートドローは通常Cbetを選択し、ナッツストレートを引き当てたり、ペアを作ったりする事が多いが、BBはQTやQ9のようなハンドを小さなCbetに対してチェックレイズする傾向がある為だ。一方ブランク(3と2)や、ボードペアのカードはBTNにとってかなり悪い。2や3で改善されるハンドを持つよりも、Kで改善されたハンドを持つことはBTNにとっては容易い。QT(改善されたストレートドロー)、AT(ガットショット+1オーバーカード)など
オーバーカードはBTNにとって素晴らしい。
繰り返しになるが、BTNのエクイティとベット頻度には相関関係がある。
オーバーベットは、相手のハンドが改善されないとき、たとえこちらのハンドが改善されないときでも、良いアイデアである。これはKと2の両方に当てはまる。
ボードが変わって両プレイヤーに有利になるカードが来たときは、一般的にオーバーベットよりもラージベットの方が良い。
この研究は簡単ではある。何故ならターンカードが高ければ高いほどPFRのエクイティが良くなることが一目でわかる為である。
最後にもう一つのボードを見ていこう。
シナリオ3. BTN vs BB SRP T32r
J85rと同様に、データをより見やすくするために、IPのフロップでのベットサイズシミュレーションは「Simplified」を使用した。「General」ソリューションでは、オーバーベットを含め、IPは多くのベットサイズを使用する為である。
理解しやすいように、ターンカードをカテゴリー分けをしてみよう:
ブロードウェイのオーバーカード(J、Q、K)
トップカードのペア(T)
中間カード (7, 8, 9)
ストレートのエクイティを向上させる (4, 5, 6)
オーバーカードだがボトムのストレートの繋がりも良くする (A)
ボトム/ミドルのペア (2, 3)
BTNのエクイティ別のソルバーの出力を見る前に,これらのカテゴリーを論理的に分類してみよう。
先に見たように、フェイスカード(ボードに対するオーバーカード)はほとんど常にBTNには有利で、BBには不利である。したがって、エクイティ的にはJ、Q、Kを1位にするのが無難であろう。
この状況でトップカードをペアにするのはBTNにとってまずいと思われる。BBはTxをチェックレイズすることはあまりなく、おそらくATとKTを時々使う程度であろう。私たちのバックドアハンドも完全にミスした。そのため、エクイティ的には最下位になる可能性がある。
私たちのバックドアバレルが改善されなかったので、下位カードのアンコールはBTNにとって悪いだろうが、良いニュースはBBもそれほど改善されなかったことだ。BBには2xと3xがあまりないはずだ。だから、2と3は恐ろしい10より少しはましに見える。
ターンTの場合、BBはオーバーペア以外の全てのペアタイプのハンドの割合が高くなる。
7,8,9と4,5,6を比べると、BTNにとってはよりハイカードの方が価値があるように思える。
ターンした9では、BTNはQJ、KJ、87、J8など、エクイティが向上するハンドを多く持つことになる。K9、Q9のようなハンドで9のペアを拾うことさえ、BTNにとっては悪い事ではない。ターン5で改善されるハンドは、55とT5と、ガットショットを拾える76sだけである。一方、BBのレンジには64s、53s、52sがある。よってローカードはBTNにとってあまり有利に働かない。
ターンしたAはどうだろう?Aはこの状況において特別なカード、トップペアのコンボを多く作るだけでなく、ホイールのストレートの可能性も高めてくれる。どちらのプレイヤーも54, A3, AT, A2を持つ可能性がある。BTNだけがAJ-AKやもちろんAAのような強力なAxを持っている。また、ブロードウェイストレートの繋がりも良くなり、KJ/KQのようなBTNのハンドの一部を助けるが、BBもある程度の割合でそれらを持っているはずだ。
ターンでAが出た場合、BTNのトップペアグッドキッカーはポットシェアの大部分を享受することになる。
しかし、BBはまだ十分な数の弱いAxとターンで完成したツーペアのコンボを持っており、このターンでBTNに完全に圧倒されることはないだろう。
データを見ないと推定は難しいが、私はエースを4/5/6のカテゴリーよりやや上、J/Q/Kのカテゴリーより下に位置づけるだろう。
結果を見てみよう:
最後に、ターンでのBTNのGTOベッティング戦略を簡単に見ていこう。これらの頻度はガイドラインであり、ゲーム内で厳密に従うべきルールではないことを念頭に置いて欲しい。
このフロップの研究からいくつかのことがわかった:
再び、BTNのエクイティとベット頻度には明確な相関関係がある。
多くのプレイヤーはここでのオーバーベットをあまり使えていない。BTNはフロップで33%ポットをベットするため、BBのチェックコールレンジはかなり弱く、BTNはターンでポラライズさせた大きなベットを始める多くのインセンティブがある。次のセッションでは気をつけてみてはどうだろうか。
オーバーベットパターンの例外は、トップカードがペアになるTである。BBの方が「ナッツ」コンボが多い。その代わり、66%のベットサイズがより有益である。44のようなハンドでさえもAハイからのコールが期待できる。
得られたデータを実践に活かす
このような研究は、ソルバーが人間の理解を助ける場面で真価を発揮する。人間である私たちは、レンジ計算ツールを使わずに、ターンで落ちたQが9よりも優れていると客観的に言うことはできない。
この記事から学ぶべき点を1つだけ挙げるとすれば、それは:
一般に、IP vs OOPコーラーの状況では、ターンのハイカードはPFRにとって有利になり、ローカードやボードペアのカードはPFRにとって不利になる。ということだ。
ベット頻度のデータと合わせて、アグレッションを高めるべき「青信号」のタイミングと、アグレッションを抑えたほうがよい「黄信号」のタイミングについて、より良く理解出来ただろう。
逆に、あなたがOOPの時に、相手がエクイティが非常に低いターンカードを尊重しないことに気付いた場合、チェックレイズを増やしたり、通常ならインディファレントとなるブラフキャッチャーであるはずのハンドを常にチェックコールすることで、相手に対抗することが出来るかもしれない。
さらに言うなら、低いステークスの対戦相手の多くは、良いターンであっても十分にアグレッシブではない事が考えられる。例えば、T32Trの場合、ソルバーは44-99を全てベットし続けることを提案しているが、多くの人はそれをしないと私は確信している。その結果、彼らは自分のレンジからシンバリューベット出来るハンドを取り除いたので、私たちの最悪のブラフキャッチャーはコールになる。しかし、これは別の日のトピックである。
エクスプロイトについて勉強したいときは、まずGTOのベースラインを理解し、次
に対戦相手がどのように乖離しているかを理解することをお勧めする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を読んで良いと感じて頂けましたら、noteのスキ、やSNSでの拡散、Xのフォロー、サポート等をして頂けますと、本当に執筆の励みになります!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?