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L'Authentiel 精油紹介 (2)

カリフォルニアの夏至は9時半まで明るいので、得したような気分になります。この写真は夜の8時くらいです。完全に昼間の感じですよね。
LSA Japanの精油ブランド「ロタンシエル」のサマーセールを6月25日午前0時より始めます。ここでは精油についての話を少しして、セールアイテムの詳しい紹介を致します。最後にショップサイトのリンクがありますので、よろしかったらご覧ください。

5月くらいから紫外線が強くなると日焼けが気になりますよね。ここではまず、光感作のガイドラインを紹介します。これに従いシトラス類、セリ科の植物の精油は十分気をつけてブレンドしてください。皮膚に使用して強い日差しにあたることで火傷や色素沈着の原因になりますそして光感作のある精油を1つのブレンドにいくつも入れないことをアドバイスします。洗い流しても12時間以内は皮膚内に残ることがわかっており、注意が必要です。
今回はリラクゼーション、肌荒れや皮膚の炎症、リフレッシュをキーワードに光感作のない精油を揃えました。各精油の詳細な情報は成美堂出版の「アロマテラピー精油事典」(バーグ文子著、第四刷となりました)を参照してください。ブレンドレシピも多く紹介していますので、役立つはずです。

実際にシトラス果皮に含まれるフロクマリンが日焼けを促進するので
夏の屋外でシトラスの皮に触ったりするのも気をつけて

<光感作のガイドライン>
以下の希釈度で使用することにより、光感作の症状は出ないと研究されています。皮膚の太陽への耐久性は個人的な遺伝子にも関係があるので、十分に気をつけてください。シトラス類の蒸留した精油にはまず光感作物質はほとんど含まれません。またフロクマリン以外でも光感作の原因となる物質があり、蒸留した精油にも存在するので、以下のリストをブレンドの参考にしてください。目安として5mlに精油のドロッパーで1滴落としたものが1%となります。以下の精油を表示された希釈率以下にして使用すれば光感作を避けることができます(以下の%はティスランド・インステテュートより)

タジェット      0.01%
マンダリンリーフ             0.17%
クミン                                0.4%
アンジェリカルート        0.4%
ベルガモット        0.4%
ライム                                0.7%
ビターオレンジ                1.25%
レモン        2%
グレープフルーツ    4%
マンダリン                        5%

<オーガニックエッセンシャルオイル>

オレガノは最も殺菌力の強い精油ですが、皮膚にきついので通常は使用できません
でもこのケモタイプはオレガノとしては例外的に皮膚に使用することが可能です
必ず希釈して1%まで。但しお顔は避けてください。敏感肌の方も要注意です。

オレガノCTリナロール Origanum vulgare CT linalool シソ科 トルコ産 
大変珍しいリナロールタイプのオレガノ精油です。リナロールが64%を占め、カルバクロールを19%含みます。通常のオレガノはカルバクロールが80%近く占めているので使用が難しいのですが、このケモタイプは殺菌消毒、抗ウィルス、抗感染の目的に使用できます。また、疲労時に優れた刺激活性、強壮作用を示します。フリクション剤(必ずキャリアオイルに2%までに希釈)やディフューザー、ハンドサニタイザー(無水エタノール30mlに精油20滴をよく混ぜて、アロエヴェラ20mlを加えます)に最適です。初夏のフリクション剤に最適で、以下のレシピを局部擦り込み用にしてみてください。お肌の弱い方は必ず腕の内側でパッチテストしてください。フリクションの箇所は首の後ろ、腰、太陽神経叢(みぞおち)、両足の裏でそれぞれに希釈したブレンドジェルを10滴ほど塗布して1分間擦り込みます。夏バテ、浮腫み、集中力低下、慢性疲労、不定愁訴などに効果的です。
提案レシピ:オレガノCTリナロール5滴、ラヴィンツァラ3滴、ローズマリー3滴、ゼラニウム2滴、リツェアキュベバ2滴、MCTココナツオイル5ml:これをよく混ぜてからアロエヴェラジェル20mlによく混ぜる。3%希釈
成分:リナロール(64%)、カルバクロール(19%)、シメン、カリオフィレン、テルピネン、ボルネオールなど
禁忌、注意事項:敏感肌、乳幼児には使用しないこと。バスオイルには適しません

ローズマリーCTシネオール Salvia rosumarinus  シソ科 チュニジア産 
1,8シネオールが44.5%含まれるフレッシュな香りで使用しやすい精油です。偽和されることの多いローズマリーですが、こちらは天然そのままを保証致します。ルームスプレーからバスオイル、フリクション、全身マッサージまで多目的に使用できます。地中海沿岸地方が原産地ですが、地中海沿岸のどこで取れるか、その標高と天候で成分が変化します。古代ギリシャと古代ローマでは再生のシンボルと考えられ、薫香として焚かれました。
成分:1,8シネオール(44.5%)、α-ピネン(10.4%)、β-ピネン(10%)、カンファー(9%)、カンフェン(4%)など
禁忌、注意事項:乳幼児、高齢者(急激に吸入させると咳などの反応を起こす可能性)、妊娠中、授乳中、敏感肌の方はパッチテストをしてからご使用ください

美しい紫色の花を咲かせる木です。これは近所の方の木です
ヴァイテックスの精油はドイツやフランスで使用されてきました

ヴァイテックス Vitex agnus-castus シソ科 トルコ産 部位:種子、葉
チェストトゥリー、アグナス·カスタス、貞操木とも呼ばれる植物の葉と種子を蒸留したもので、通常はハーブ薬またはチンキ剤で売られています。精油は希少でドイツやフランスで研究されており、更年期や月経障害の全般に渡り効果が認められています。エストロゲン作用がないという特質があり、エストロゲンを避けなければならない方にも使用が可能です。月経周期への効果を出すためには2~3ヶ月毎日使用する必要があります。毒性が低いためにこれは例外的な方法です。微量成分との相乗効果で脳下垂体への平常化、調整作用があると考えられてます。PMS、稀発/頻発月経、更年期の諸症状、月経周期の乱れ、ホルモンバランスに関する問題に安全で穏やかにアプローチできる精油です。
成分:1,8-シネオール(20%)、α-ピネン(14%)、β-カリオフィレン(14%)、リモネン(4.5%)、ミルセンなど
禁忌、注意事項:乳幼児、妊娠中、授乳中、避妊ピルとの併用(ヴァイテックスの効果が出ません)

うちの月桂樹です。早く大きくなってほしいです

ベイローレル(月桂樹) Laures nobilis クスノキ科 トルコ産 部位:葉 
地中海沿岸が原産地の常緑樹で、料理によく使用される月桂樹です。精油はスパイシーですっきりとした香りがして男性用の製品にも使用されます。抗ウィルス、殺菌、抗真菌、抗カタル、リンパ刺激作用など、感染症対策や冷え症に適した精油です。リンパ節に5%以下に希釈した精油を擦り込むと感染予防にもなり、冬場は特に有用です。末端の冷えにはエプソムソルトか海塩大さじ3杯と5滴の精油で足浴します。平和と勝利の象徴として古代文明より文献に残されています。キリスト復活のシンボルでもあります。
成分:1,8-シネオール(57%)、ピネン(11%)、酢酸テルピニル(8%)、β-フェンチルアルコール(3%)など
禁忌、注意事項:乳幼児、高濃度で使用すると皮膚刺激となる可能性

バルサムファー Abies  balsamea シソ科 カナダ産 部位:針葉 
野生のモミの針葉から水蒸気蒸留した精油です。血行促進とエネルギーの活性化、呼吸器の障害のために使用されます。 シュナウベルト博士は特にエステルの働きに注目され、効果的な鎮痛作用を筋肉痛や肩こりに勧めています。穏やかな甘味のある香りで、呼吸器系の問題には全般的に効果的です。1.8-シネオールやメントール、サリチル酸メチルなどの強い刺激となる成分が入っていないので、呼吸器を刺激しすぎることなく使用できます。妊娠中でも2%までで使用可です(ティスランド·インステテュート)ルームスプレーやディフューザーに使用すると森林浴の香りで精神を安定させます。サイプレス、ヴァージニアシダー、プチグレンなどとブレンドして使用するのがお勧めです。
成分: δ-3-カレン(19%)、α-ピネン(18%)、β-ピネン(17%)、酢酸ボルニル(8%)、リモネン(8%)など
禁忌、注意事項:酸化した精油は皮膚にきつくなるので注意

コリアンダーシード Coriandrum sativum   セリ科 インド産 部位:種子 
甘味のある香りのコリアンダーシードは、古代エジプト人の媚薬でした。アラブでは愛する人を呼び寄せる儀式に使われたり、サシェに入れて胸に忍ばせたりします。これはアダプトゲンとして有名で,心身のストレス時に最適です。d-リナロール(別名コリアンドロール)が75%を占め、精神安定や不安症などに効果を示します。消化器系、リンパ系、神経系に効果的なオイルです。ジャン・バルネ博士は高齢者のマッサージオイルに入れることを勧めました。食欲を促進し、老廃物を効果的に排出し,循環を促進して身体を温め、心を穏やかに安定させてくれるからです。ネロリ、ジャスミン、イランイラン、ラヴェンダーなどの花のオイルやレモン、オレンジなどのシトラス類のオイルとよく合います。妊娠中でも安心して使用できる精油です。
成分:リナロール(75%)、α-ピネン(5%)、γ-テルピネン(5%)、カンファー(4.5%)、リモネン(2.5%)など
禁忌、注意事項:通常の使用については特になし

マダガスカルはアフリカと言っても赤道からはかなり離れており
南半球で、さらに首都のアンタナナリボは標高も高いので
6月は現地の方たちがダウンコートを着ていてショックを受けました

ラヴィンツァラ Cinnamomum camphora CT cineol クスノキ科 マダガスカル産 部位:葉 
Cinnamomum camphoraはショウノウノキですが、ケモタイプや変種が多く、カンファーやホーリーフがあります。ホーウッドはリナロールを多く含む変種で芳樟と呼ばれ、ラヴィンツァラはマダガスカルに自生する1,8-シネオールケモタイプです。子供にも使用できるマイルドな精油で約57%も1,8-シネオールを含むのに残りがモノテルペン類とアルコールで占められています。子供や高齢者に使用するときには、顔のすぐそばは避けて、胸の擦り込み剤を使用するときにはミツロウ軟膏での形態が安全です。ラヴェンダーやタイムCTリナロールなどとブレンドして使用しましょう
成分:1,8-シネオール(57%)、サビネン(13%)、α-テルピネオール(8%)、ピネン(8%)、テルピネン-4-オール(2%)など
禁忌、注意事項:安全な精油ですが、乳幼児(3ヶ月~5歳)には顔の近くに塗布しないこと

ジャワ島でパチューリの栽培農場に行った時に、数年間発酵させている葉が
段ボールの残骸のように見えて、発酵だか放置だかわからない状態でした
実はその間に特有の深みのある墨の香り付に使われる成分が出来上がります

パチューリ Pogostemon cabin  シソ科 インド産 部位:葉 
皮膚の乾燥と炎症に効果的な研究結果の出ている精油です。深くアージーな香りは好き嫌いがありますが、ラヴェンダーやローズ、イランイランなどのフローラルオイルとブレンドすると使いやすくなります。ドライスキンの方はゼラニウムとパチューリを1:1で全体で1%にして試してみてください。満足する使用感が得られるはずです。
成分:パチュロール(30%)、δ-グアイエン(23.5%)、α-グルジュネン(17%)、セイチェレン(8%)、α-パチュレン(4%)など
禁忌、注意事項:通常の使用については特になし、香りが強く個性的な為、ブレンドの際は香りを確認すること

ホジャリは最高級のグレードで、サラーラの北方の高地に生える野生の木から
雨季の前に収穫した樹脂が上級品です

フランキンセンス樹脂ホジャリ Boswellia sacra  
悠久の歴史を振り返ってみると、シバの女王やソロモン王、クレオパトラ、イエス·キリスト、ヘロドトスの歴史的記録に登場する特別な香料樹脂であり、イスラム教、ユダヤ教、イスラム教で使われます。薫香用にも使用されますが、最上級の樹脂ホジャリは薬用、飲用、食用として使われます。

チューイングガムのように噛むことにより分子の大きいボスウェリア酸を十分取り入れることができます。ボスウェリア酸は樹脂とCO2抽出エクストラクトに豊富に含まれます。心理面への影響は抗うつ作用、神経強壮作用が研究により証明されていますが、薫香として焚いた場合により効果的な成分(テトラヒドロカンナビノール)と精油に含まれる成分(酢酸インセンソール)がわかっています。 

<フランキンセンスのレシピ>
* フランキンセンスウォーター
小指の先程の小さな樹脂を500mlのミネラルウォーターに一晩室温で起き、翌朝飲みます。樹脂は1回で溶けきらないので何回か水を足すことはできますが、3日くらいで使い切ることをお勧めします。飲み残しは冷蔵庫に入れて下さい。
* 浸出油
フランキンセンス樹脂(乳鉢で少し砕くと良い)10g、ホホバオイル100ml を湯煎にして30分程置く。室温で冷まして一晩置いてからガーゼなどで濾す。スキンケアオイル、香油として使用する 脂溶性の分子の大きな不揮発性成分が多く含まれるので、浸出油として使用すると乾燥肌に良い。


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