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ヘンテコなとらうま

しゃっくりが止まらないと、いつも思い出す作品がある。
小学生のときに読んだ『しゃっくり百万べん』という本。

内容はもうあまり思い出せないけど、確か読み終わってからしばらくは「しゃっくりへの恐怖」が止まらなかった気がするし、今でもタイトルをはっきり覚えているんだから、きっととても印象深い本だったんだと思う。
今改めてあらすじを読んでみると、

しゃっくりがとまらない晴夫のまえに、きつねうどんのゆげのなかから白いきつねがあらわれる。そして、おごそかに「しゃっくりが百万べんでたら死ぬぞよ」と予言。パニックの晴夫は妖怪世界に足をふみいれる。

とのことなので、《しゃっくりが百万回出たら死ぬ》という設定で進められるお話だったらしい。
そう言われてみると「しゃっくりが永遠に止まらない日がいつか来るんじゃないか」とずっと心配していた時期があったような気もする。
作品自体はユニークで楽しかったはずなんだけど、自分のしゃっくりが止まらない未来を想像すると、それは非常に恐ろしかったんだと思う。
時は流れて、最近は〔しゃっくり 止め方〕で検索すると出てくる、目一杯息を吸い込んで止める方法を習得したので、しゃっくりなんて何処吹く風。どんと来いである。

迷信といえば、雷が鳴ると「雷様におへそをとられるよ」と言われて怖がったけれど、おへそをとられることは小さい頃どう怖かったんだろう。
おへそってどんな役割で身体を守っているのか、他の身体のパーツより分かりづらいから、とられるとどう困ると思っていたんだろう。あれかな。へその緒が赤ちゃんと繋がらなくなっちゃうからかな。
小さい時の恐怖心とかトラウマって、些細なきっかけでどんどん膨らんでいくから、今思うとちょっとヘンテコだ。

昔話の『こぶとりじいさん』の、こぶをとったりくっつけたりする現象もすごい。
自分のほっぺたを実際に引っ張ってみると分かるけど、もしかすると、鬼にこぶをくっつけられたおじいさんよりも、元々あったこぶをとられたおじいさんの方が本当はほっぺた痛かったんじゃないかなぁ。
こぶがとれたおじいさんはすっきり/こぶが増えたお爺さんはげんなり、みたいに描かれているけど、くっつくより、引っ張られる方が痛いと思う。
美しさに我慢はつきものってこと?

まあ実のところは、痛みもなくこぶをとってくれたからああいうハッピーなお話になったのだろうし、結局やっぱり鬼ってすごいんだなぁ

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