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花火大会

先週末、5年ぶりに花火大会に行った。
恋人と花火を見に行くのが夢だったから、また一つ夢が叶って嬉しかった。
天気予報は最初雨予報で、日が近づくにつれ曇り予報になり、当日は晴れて少し風もあって最高の花火大会日和だった。

ピンクの浴衣か黒の浴衣で迷って、ピンクは来年着ればいいやと思ったけれど、来年が必ずあるわけでもなくて少し不安になった。花火大会も、行きたいのはわたしだけかなってちょっと不安だったけれど、わたしにサプライズで言うつもりがバイト先の店長に「こいつ花火行くからって休み取ってたよ。」とバラされて怒っていたから、恋人も少しは楽しみに思っていてくれているんだなと思って嬉しかった。
当日までに着付けの練習をしていった。わりと難なく着られたから、案外と覚えているものだなと人間の記憶力に感心した。

当日、浴衣を着て見せたら可愛い、似合ってるってたくさん言ってくれてすごく嬉しかった。着る練習頑張ってよかったなって思った。
駅まで歩くのに、浴衣を着て歩くのが久しぶりだからかすごく歩きづらくて、ゆっくり歩くのに合わせてくれて「駅までいつもの倍の時間かかるかもね。」って冗談言いながら歩いた。
少し時間が早かったから、駅の近くでコーヒーを飲んでから行こうってなって喫茶店に寄った。
わたしの妹とか、お互いのいとこの話になって写真の見せ合いとかしてたら時間が結構経ってしまって、電車間に合わないってなって慌てて店を出た。
会場の最寄駅の一つ前の駅から浴衣を着た人たちがたくさん乗ってきて、途端にわくわくしてきた。駅に着いたらものすごい人で、ちょっとびっくりした。会場まで少し歩いたけれど、おしゃべりしていたらあっという間で、電車を一本逃したけれどちょうどいい時間に着いた。
屋台見てみる?なんて話していたら、一発目の花火が上がって周りから感嘆の声が聞こえてきた。わたしも思わず「わぁ!」って言っちゃって、ちょっと恥ずかしかったけど、花火が上がるたびにわぁ!とか綺麗!とか言っていた気がする。隣にいる恋人も楽しんでるのかすごく気になって、ちょこちょこ隣を覗き見てしまって笑われた。恋人の目に花火が映ってきらきら光っていて、すごく綺麗だった。わたしはこれから、夏が来るたびにあの綺麗な横顔を思い出すんだろうなって思った。もうちょっと前で見ようってちょこちょこ移動して、フィナーレは結構前で見ることができた。最後に大きな花火が打ち上がって、周りから拍手が沸き起こって、あぁ、夏が終わってしまったなって少し寂しくなった。

恋人が撮った花火

ちょっと屋台見てから帰ろっかって言ってたら、河川敷から上の道路に上がるスロープの前にすごい行列ができていて、やっぱりはやく帰ろうってなってわたしたちも列に続いた。
道路に続く斜面の上や途中で警察官が登らないでって言ってるのに何人かが駆け上がって、一組登るとまた一組とルールを守らない人がでてきて、まぁみんな早く帰りたいし、そういう人たちがでてきても仕方ないなって思っていたけどだんだんヒートアップしてきて、「やれやれー!」とか「行けー!」とか「俺らも行っちゃう?」とかいう声が周りから聞こえてきて、登って抜けたい人たちのちょっとした押し合いなんかもあって、ちょっと危ない空気になってきた。隣にいた恋人も将棋倒しとかなったら怖いねって眉間にしわをよせていて、わたしも行け押せってなってるのが梨泰院の事件の映像を思い出して気分がわるくなってきたから、列を抜けてゆっくり帰ることにした。わたし以上に恋人が気をわるくしていて、「ああいうときに乗っかって行けー!とか言うタイプじゃなくてよかったよ〜」って和ませようとしたけど全然ダメで、普段いろんなことに寛容で気にしない風に振る舞っているけど、けっこう気にしいなんだなって新たな一面を見た気がした。屋台でも見る?ってなったけど、あんまそんな気分にもならなくて、別の通路が解放されたからってまた人が流れていってベンチが空いたから、ベンチに座っておしゃべりしてから帰ることにした。座ったらちょっと機嫌も直ってきたみたいで、次はレジャーシート持って早めに来て見るのもありだね〜とか、そしたら浴衣着れないよ?とかたくさん話した。本当にあるかはわからないけど、将来の話をしたがらない恋人が次の話をしてくれたのがすごく嬉しかった。

帰り道もいろんな話をして、わたしのお姉ちゃんが結婚するつもりのない人と付き合ってて最初はそれでもいいって言ってたのに結婚したくなって別れてさって話になって、「別に絶対何がなんでも結婚したい!とは思わない。」って話をしたら、恋人はそれがひっかかったみたいで、夜寝る前に「毎日一緒に寝れたらなー」って何気なく言ったら、恋人はしばらく黙り込んで「無理かもな。」って返ってきて、予想外の言葉に思わずなんで?って聞いてしまった。わたしが同棲反対派で、結婚もしたくないって言ったからそういう未来は見えないじゃない?ってことだった。別に、絶対結婚!てわけじゃなくて、いつかは結婚できればいいなって思ってるってだけで、結婚したくないわけではないのに。(同棲は、ちょっと嫌だけど。それも別にしてもいいかなーって思い始めているし。)
それに、恋人だってバンドやってる間は結婚とか無理やしなって話していたし、あんまり負担にならないようにって思って言ったことだったのに、うまく伝わっていなくてもどかしかった。
別に結婚したくないわけじゃなくて、タイミングがあればしたいよ?って言ったけど、恋人は煮え切らないみたいで、それからずっと黙り込んでしまった。今日一日楽しかったのに、寝る前にこんなことになってしまったのが悲しくて泣きそうになった。毎日一緒に寝れたらな、なんて言わなければよかったって思った。その日は悪夢にうなされて、でも夢の中でずっと恋人の声が聞こえて、わたしはずっと「助けて!」って叫んでいた。目が覚めて恋人の寝顔を見ていたらひどく安心して、ずっと一緒にいられればいいのにってまた泣きそうになった。

次の日の朝、ほんとに無理なのかなって聞いたら「二人が大丈夫だったら大丈夫だよ。」って前向きな言葉が返ってきてちょっと安心した。昨日の無理かもって言葉も、私に原因があるだけで恋人は別に大丈夫って思ってるから出てきた言葉だって考えたら、恋人はわたしと毎日いっしょにいたいって思ってくれてるんだなって、そう言葉にしては言ってくれないけどそういうことだよなって嬉しくなった。ちょっと転換しすぎてるかもだけど。

恋人は好きだよとか楽しいよとか嬉しいよとか、あんまり言葉にして言ってくれないから、いつもわたしだけなのかなって、最近よく不安になる。言葉にして言ってくれても、わたしが言わせたようなもんだしなって思ってしまうし。
言葉にして言ってくれなくてもわかってあげられるようになりたいなとも思う。難しいことはお互いカバーしていけばいいよなって。だからさ、わたしがすぐ拗ねるって言うけど、それはわたしが今どう思ってるよってわかりやすくするために大袈裟にやってんだから、はやくそれに気づいてよね。

今月末で付き合って4ヶ月だけど、まだ4ヶ月なのかって思う。なんか、もっと長く一緒にいる気がする。気づいたらあっというまに半年経ってたりするんだろうな。これからも小さなすれ違いとか、喧嘩とかあるだろうけど、できるだけ仲良く過ごせたらいいな。次はどこにおでかけしようかって考えたら、わくわくしてくるよ。

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