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医療・創薬とAI

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LPIXELが取り組む医療AI、創薬AI等に関する情報を纏めています。
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記事一覧

創薬における画像解析AIの活用潜在的なDXニーズを掘り起こす 第一三共 × エルピクセル包括提携 ー後編(事例編)ー

みなさん、こんにちは。エルピクセルにて広報を担当している大瀧です。 本記事では、エルピクセルが2022年7月より包括提携契約を締結している第一三共株式会社との取り組みについて前編・後編に分けてご紹介します。 2024年6月、第一三共株式会社の研究所を訪問し、包括提携の取り組みとその成果についてインタビューを行い、前編では第一三共株式会社 DX企画部 朝生さんとエルピクセル サイエンスビジネス本部の濵地に包括提携に至った経緯や第一三共社内における取り組みについてご紹介しまし

プログラム医療機器の保険収載を目指すには

みなさんこんにちは。エルピクセル株式会社RA/QA室の大竹と申します。 今回はプログラム医療機器の保険適用の流れや、保険適用における評価についてご説明します。 その前に、4月の記事「令和6年診療報酬改定の内容について(診断支援ソフトウェア関連)」で内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(K271)の新たな注釈(注3)である病変検出プログラムを使用する場合の加算について触れましたが、2024年6月1日施行以降、対象となる製品が公表されましたので、お知らせいたします。 8月1日時

創薬における画像解析AIの活用 潜在的なDXニーズを掘り起こす 第一三共×エルピクセルの包括提携  ー前編ー

みなさん、こんにちは。エルピクセルにて広報を担当する大瀧です。 本記事では、エルピクセルが2022年7月より包括提携契約を締結している第一三共株式会社との取り組みについて前編・後編に分けてご紹介します。 2024年6月、第一三共株式会社の研究所を訪問し、包括提携の取り組みとその成果についてインタビューを行いました。 前編では、包括提携を主導する第一三共株式会社 DX企画部 朝生さんとエルピクセル サイエンスビジネス本部の濵地に、包括提携に至った経緯や具体的な取り組みを伺

AIで加速する創薬・臨床における病理画像解析

こんにちは、LPIXELの研究開発本部 サイエンスグループ アルゴリズム開発エンジニアの本室です。 主に製薬企業との提携における画像AIの開発を担当しています。LPIXELで扱う医療・ライフサイエンス領域の画像は多岐に渡りますが、本記事では病理画像を対象とした取り組みについてご紹介します。 病理画像の特徴と課題病理画像は薬効薬理試験や臨床での診断などの場面で使用されます。生体内の組織構造を観察することができるのが特徴で、採取された臓器に処理を施して薄くスライスすることによ

健康診断における胸部X線検査とAIの可能性

みなさんこんにちは。エルピクセル株式会社 RA/QA室の龍です。 RA/QA室では薬事・品質保証を担当しており、私は主に品質保証の部分を担当しています。また自社製品に限らず、製薬会社・医療機器メーカー、アカデミア等との協業における薬事・品質保証の支援も行っています。 ここでは日頃の業務から少し離れて、健康診断における胸部X線検査とAIの可能性についてふれたいと思います。 健診における胸部X線検査の役割まず、ここでは「健康診断」を労働安全衛生法に基づく「一般健康診断」とし

令和6年診療報酬改定の内容について(診断支援ソフトウェア関連)

みなさんこんにちは。エルピクセル株式会社RA/QA室の大竹です。 RA/QA室では薬事・品質保証を担当しており、自社製品だけではなく、製薬会社・医療機器メーカー、アカデミア等との協業における薬事・品質保証の支援も行っております。 プログラム医療機器の保険適用については、よくご質問頂く部分になりますが、今回は令和6年3月5日付で告示されました、令和6年診療報酬改定の一部をご紹介したいと思います。 ※本記事は2024年4月24日時点の情報を元に作成しています。 令和6年診療報酬

エルピクセルが進める製薬企業との協業と共創

こんにちは、エルピクセルでサイエンスビジネス本部の責任者を務めている加藤です。 私たちのグループは、あらゆるパートナーとのコラボレーションをミッションとしていますが、今回は主に製薬企業との協業を通じた、少し先の発展に関するお話しをしてみたいと思います。 エルピクセルのこれまでを簡単に振り返る生物画像解析技術をビジネスに:「IMACEL」の誕生 まずは、弊社ファウンダーの島原が執筆した初回記事を参照しながら(私も初めて知ることが多かったです)、簡単に振り返らせていただければ

医療AIを上市するまで

こんにちは、エルピクセル取締役COOの福田です。 今回はAI画像診断支援ソフトウェアを自社で研究開発から薬事申請・上市まで行ってきた経験を踏まえ、製品として市場に出すまでにどういうことが必要なのかの概要をまとめました。 AI画像診断支援ソフトウェアを上市するために整えること医療機器とは 医療機器の定義は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)で下記のように定められています。 ソフトウェア単体でも医療機器として扱われ、医療機器プログラム

画像解析AIで実現する未来の安全性研究

こんにちは、エルピクセル サイエンスビジネス本部で事業開発を担当している濵地です。前々回の記事では、ゼネラルマネージャーの加藤が「エルピクセルの製薬企業との協業・共創」についてお話しました。 私たちは画像解析AIを活用し、創薬のバリューチェーンにおける研究・製造・臨床といった様々な領域における課題解決を目指しています。今回はその中でも「安全性研究」にフォーカスし、画像解析AIの活用可能性をご紹介します。 新薬開発における安全性研究安全性研究の重要性と課題 新薬開発におい

LPIXELのAI画像診断支援技術ってどんなことをしているの?

こんにちは、LPIXELにてAI画像診断支援技術のセールスマネージャーをしている植田です。我々のチームでは主に医療機関向けにAI画像診断支援技術の普及をおこなっておりますが、今回は業界を取り巻くお話と普及に向けての活動に関して触れていきたいと思います。 AI画像診断支援技術の普及画像診断とは 「そもそも画像診断って何」という読者の皆さんもいると思いますのでご説明させていただきます。 画像診断とはレントゲン画像、CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)、超音波な