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デマチカヤナギ「恋のラストアドバイス」 新緑の文化祭2024

左京東部いきいき市民活動センター集会室では、毎年ゴールデンウイークに”新緑の文化祭”を開催しています!
三年目を迎える今年は、劇研アクターズラボ+村上慎太郎(夕暮れ社弱男ユニット)による劇団デマチカヤナギの第三回公演『恋のラストアドバイス』が上演されました!
新緑の文化祭は劇団デマチカヤナギと共に歩みを進めています✨


劇団デマチカヤナギがどのようなお芝居をしているか気になる方の参考になるように観た印象を書いてみます!

『恋のラストアドバイス』あらすじ

”路地裏の雑居ビルの2階に“まゆずみ恋愛相談所”はある。かつては悩みを抱えた相談者が多 く訪れていた。だがそれも昔。時代はスッカリ変わってしまい、指がダイヤルを覚えること も、手紙を待ち焦がれることも無くなってしまった。後継者もいないし、もうこの相談所は 閉めよう!と決意した、まゆずみ所長が最後の相談者を招き入れたのだが・・・

デマチカヤナギ第三回公演は、相談を重ね重ねしながら荒唐無稽に突き進むコメディです。”

市民劇演出の名手・村上慎太郎さんによる演劇公演。
年齢・経験の様々な参加者たちの個性を活かした演出が見所です。
まゆずみ恋愛相談所を中心に、とある一家とそこにまつわる人々の”恋愛相談ラブコメディー”が展開されます。

”恋”と”相談”はいつもセットで。
なぜ人は、こんなにも人に相談したがるのか……。

どなたが考案したのか、秀逸なキャッチコピーです。
フライヤーには、黒電話の上で折り目正しくプロポーズをする男性。前世紀のトレンディドラマを彷彿とさせます。現代からまるで失われてしまった光景です。”恋愛相談所”という謎の施設も、昨今の結婚相談所というよりはお見合いの仲人のような印象を受けます。

物語は、恋愛相談所の主である黛が職員と共に部屋の片づけをするシーンから始まります。そこに黛の熱烈ファンである美佳が訪れ、黛の元で恋愛相談の修練を積みたいと懇願します。早速ここでディスコミュニケーションが起こります。相談所を閉める決意をし、後片付けの最中にそんなことを言われたって仕方ありません。美佳は如何に黛の『恋愛街道一直』(VHS)に人生を変えられたか熱く語ります。
そんな黛の最後の相談者は「人を好きになるって何ですか」と語る青年ユウ。もはや情熱のない黛は相談以前の段階でだらだらと引き延ばし、取り合う気もありません。恋愛相談所の看板を掲げる癖に相談者を突き放す黛からは一切のやる気を感じません。

そんな看板は降ろしてしまえと言わんばかりに相談所の看板をもぎ取って突撃してくるユウの”元カノ”アイリ。アイリはユウに別れを告げられていますが、自身がまだそれに承諾していないとし、ユウにGPSを取り付け後をつけてきたのです。ユウとアイリの間のディスコミュニケーションが描かれます(アイリが多分に暴走していますが)。ユウはひとまずその場をしのぐために恋愛相談所の従業員を装い、かかってきた予約の電話に出て新たな予約を受けてしまいます。
その相談者をここぞとばかりに請け負った美佳は、黛のユウへの態度を黛流の相談と思ったのか、一分も聞き取りをしない内に相談者を突き放し、挙句高額なお金を請求します。自分が黛恋愛相談所を継承すると豪語していたにしてもクレイジーな仕事ぶりです。美佳は優れた経歴を持っていますが、コミュニケーションに難を抱えた人物のようです。

冒頭からそれぞれのコミュニケーションの不和が積み重なっていきます。黛恋愛相談所の従業員ケイコに復讐心を抱く者や、実際に言語でのコミュニケーションが困難な”モルビア”出身のフェリシアの問題が描かれていき、半ば隠居した黛に代わって美佳や相談者の家族たちが奔走します。

作品の見どころ

自分本位だった、他者を振り回す側の登場人物達が、許されたり、また新たな関係性を築いていくことで成長していきます。”ラストアドバイス”は、そんな登場人物たちの姿から観客に伝わった事でしょう。

演出の村上さんは、ワークショップや稽古を通して見えた参加者たちの個性を役にすることを得意とされています。このキャラクター性が役者さんのお家芸だ、と言えるくらいに成長していきます。

これからの劇団デマチカヤナギ

劇団デマチカヤナギは今年度で四年目、ラストイヤーを迎えます!継続して受講している方も多い中で、どのような作品が生まれるのでしょうか。これから楽しみです!


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