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低空飛行note

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ひきこもり・メンタル系の当事者会〈低空飛行net〉から生まれた書きものサークルです。表現したい、発信したい、そんな何かを載せられるnote。物好きなメンバーが気の向くままに更新中。
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2024年4月の記事一覧

人といてやわらいだ世界

「このハイライト、あの人のブルベの肌に似合うよな。」 「これ、あの人の好きな青、だろうか。ちょっと緑っぽいかな?」 私の頭がつぶやくとき、いつの間にか他の誰かがそこ加わっていることに最近気づいた。 ひとりでいるのに、私の世界にはひっそりとした温かさが存在している。 それは変化と呼ぶには些細なことで、あまりに曖昧かもしれないが。 ずっと他人を思考回路に入れることが怖かった。 思い描く他人は、いつだって強くて、攻撃的で、異物を見るように遠くから顔をしかめている。 人との関わりの

久々にけっこう病んでた

前回のノートを描いたとき、それはそれは心が荒んでいた。 一、二週間にわたって息苦しさのようなものがあった。 最近じゃほとんどなくなった、「帰宅してから自分の今日の言動を振り返ってクソほど反省し死にたくなる消えたくなるタイム」がじわじわ復活してきたり、 いつもだったら「まあ、自分に変えられないこと手をつけたってしゃーないし」という適度な無関心、自他境界の壁が揺らいでしまったりもしていた。 先日の就寝前なんかは、家のベランダから落ちていく自分のイメージが頭から離れず、「やば

火にくべる

母はいつも疲れていた。 子ども、特に私に対して、今で言うモラハラをする傾向にあった。 うちでは、「勉強に必要なものは親が買うから言いなさい」という方針だった。 とてもいいことだ。当たり前のことかもしれない。すべての子どもが得られるわけではない「当たり前」だ。私は恵まれていたと言える。 でも、いちいち申告するのは少し息苦しくて、私はある日、お小遣いでコンビニのカッターナイフとペンを買った。 紙をスーッと切るのも、自分で選んだペンでぐりぐりと字を書くのも、ささやかながら楽しか