リスクとかデメリットって、チャンスだよね

　今回は少し前の話ですが僕が集客のご依頼を頂いたときの話です。

タイトルの通り、今や世間の悪者。たばこ。

みなさん、喫煙者の方は嫌いですよね？
ポイ捨て、歩きたばこ、たばこ休憩・・・まぁ、残念ながら僕も喫煙者です。

なので、苦手な方は閉じてください。

ではいきましょう。

依頼～提案

今回はTwitter経由ではなく、リアルでご依頼いただきました。
営業の外回り中に事務処理ついでに立ち寄った喫茶店。

カフェオレを持ってきてくれたときに店員さんが話しかけてきた

「暑いのに外回り大変でしょう？」

「いやぁ、汗びっしょりですよ。それに今じゃ喫煙者も肩身が狭くなってきて・・・ココが空いててラッキーでしたよ」

「いやぁ、前まではうちもお客さんがそれなりに入ってたんですけど・・・今じゃどっかのウイルスのせいでこの有り様ですよ・・・」

「え？ココなら今でも余裕で繁盛するかと？だってココのことを知ったら来たい人がわんさか居ますよ？」

「あぁ～、HPとかですよね？そういうのはちょっと難しいし、予算も・・・」

「いや、そんなん要らないですよ！スグにお客さん集まります。デメリットは・・・ココが人気になってしまうと僕がこうやってゆっくり来れないことでしょうかｗ」

そんなやり取りをしていると、その店員さんはオーナーだったのか、改めて話を聞きたいと相席してきました。

話を聞くと、コロナが始まり平日１１：００～１７：００はほぼ満席だったのに、今じゃ僕の様にサクッと座れちゃうぐらいの客入り。

アルバイトも何人か居たけど、バイト代が支払えないのと、自分でもどうにかなるぐらいの客入りだったから、辞めてもらったとのこと。
それでも何人かはまた復活したら呼んでください！と言ってくれたこと。

助成金みたいなものはもらえたけど、そのお金は熱心に売り込みしてきたマーケティングの会社に支払ってしまって残っていない。

ん？

マーケティングの会社に？

「格安料金で集客できます！」「クライアントはなにもしなくてラク！」
「一ヶ月で売り上げ２００％ＵＰのクライアント様も！(正しい％かは忘れました)」「今じゃ経営にマスト！みんなやってます！」

そんな謳い文句と、何度も何度も電話してくるからと根負けして依頼。

そのマーケティングの会社がやってくれたサービスがＨＰ制作

「それ、マーケティングの会社ではなくてＨＰ制作ですね」

・・・ついポロッと言ってしまった。

「そうですよね！？」と感情あらわに話しまくるオーナーに若干圧される僕。でも気になるのは、僕が居たのは１４：３０ぐらい。その時間帯に店員はオーナーしか居ない。なのに、これだけ僕と話し込めてしまう・・・

これは結構な問題だな。

「だからネットは信用しません！」

鼻息荒く言い切るオーナーの言葉で我に返った僕。

１つ聞いてみた。
「この辺りで他にタバコが”席で”吸える店ありますか？」
すると、「ありますよ！」とオーナー。

どうやら５～１０店舗ぐらいはあるみたい。
喫煙ブースでなくて、席でタバコが吸える店が。
加熱式じゃなくて、タバコが吸える店が。

これで勝ち筋が見えてきました。
なのでこっからは仮の提案。

コストをかけないためにはオーナーに動いてもらう必要がある、とした上で

• オーナーに”席でタバコが吸える店”に連絡して、ＰＲしていいかを確認してほしい。

• ＰＲ可となったお店の場所と名前、Wi-Fiの有無と電源の数を教えてほしい

• 各お店の外観写真とメニュー表、座席数を入手してきてほしい

この３つ。

１つ減る度に結果が出るまでの時間がよりかかるわけです。

オーナーは快く引き受けてくれました。
それも一週間でやるとのこと。

ならばそのデータをくれたら一週間後にまたお会いしましょう！
それで集客出来ますよぉ～と約束して終了。

プランと下準備

今回、僕がやろうとしたのは需要と供給をつなぐこと。

需要っていうのは喫茶店のオーナーの”集客したい”ってこと
そこに供給、”利用したい”をつなぐだけ。

ビジネスの基本ですね。

たまたま今回は僕が当事者だったから話が早かった。

当事者？・・・そう、それは喫煙者であること。

喫煙所は限られいつも喫煙者で溢れている
お店でも吸えるところがほとんどなく、あっても喫煙ブース
外回りで汗だくになるから涼みたいけど禁煙はなぁ

そして、加熱式(アイコスとかプルームテックとかブルーとか)じゃなくて
火タバコ(一番嫌われている昔ながらのタバコです)が吸えること

単純な市場としては新橋駅を利用している近隣の方々になる。
でも今回は俗に言う”ニッチを狙え！”ってやつを採用。

それはなぜ？

非喫煙者にとってタバコが吸えるお店はデメリット
喫煙者にとってタバコが吸えるお店は楽園

非喫煙者にとって、色んなお店が選択肢
喫煙者にとって、タバコが吸えるお店が最優先

なので、単純にリピートに繋がりやすいんですよね
・・・僕がそうだからｗ

さらにここは新橋。
多くの企業が立ち並ぶため、それと比例して多くの営業マンがやってくる

営業マンと言えど、コロナだから在宅で。なんてところはまだ割合として少なく、ガンガン営業してこいや！が多い。

そして今やノートＰＣを持ち歩くなんて当たり前。

そのニーズに合致するのが今回のプラン

タバコが吸いたい　→　”席で”吸えるお店
PC使いたい　→　Wi-Fi、電源OK

僕がスモーキング営業マンだったからこそかもしれません。

勿論、新橋駅付近には喫煙所があります。
いつも満員。ディスタンスなんて都市伝説。

そしてベンチとかあまりないエリアなんでお店か駅の中入らないとノートパソコン使いにくいんですよね。
タブレットやスマホでは限界ある操作もありますし・・・

そして仕事終わり、直帰するだけだったので再び新橋に戻ってきました。

ここでするのは下見ですね。

明らかに帰宅しようとしている人たちがどの方向、どの道を通ってくるのかチェック
タバコを吸いそうな雰囲気の人がどれだけ居るか(都内ではランチを外で済ます方も多いため)・・・と言ってもココは喫煙者のカンですｗ

それとランドマーク、目印になる建物を探し、撮影
最後に地図アプリで確認しながら、どんな道があるか見て確認

なんちゃら口という感じで出入口が複数あるけれど、今回は依頼主のお店があるエリアに絞ります。

そして帰宅しながら一人作戦会議

今回のプラン・・・題して、「喫煙者の楽園」(うわ、だっさｗ)

始動～実行

一週間もたたずに次々とオーナーからＬＩＮＥが入ります。

お店の外観やら内装やらメニュー表やら・・・
凄いな、これ一人でやったのかな？と思っていたら違いました。
連絡取った相手側のオーナーたちも乗り気で積極的に参加してくれたらしい

へ～、と思いながらお手製のマップに追加していく。
マッピングというのが無料であり、Excelに住所入れておくと地図上にマーキングしてくれて便利。なのでサクサクｗ

あとは画像と情報をExcelでまとめ、スクリーンショットで画像データに変換
それを切り抜いてはめ込めば完成✨

A4サイズに修正して、表面に新橋駅からオーナーの店までを表示したマップ
裏面に全体像のちょっと小さくて見にくいマップ
タイトルは「smoker's eden」※センスないなｗ

作業時間は一時間弱。
データからオーナーにラクスルで印刷してもらっておく
仕上げにオーナーの店に行く途中で１００均のケースを買うだけ

そしてチラシがオーナーの元に届く頃訪問
出来栄えを確認しながら二人で作業
・・・Ａ４を３回折って名刺入れに入るサイズに折り目を付けること

これをすると財布に入れてもよし、ポケットでもよし、名刺入れでもよし
となって持ち運びの煩わしさが減るから。

「これであとは配るだけですね！」

「ですね✨で、明日から出勤可能なアルバイトさんは何人ぐらい居ます？」

「とりあえず３人来てもらうことになりました！今日もランチから２人来ます！」

「じゃあ、サクッとやっちまいますか✨」

そう言ってオーナーはチラシを持って他の参加店へ、
僕はチラシを持って新橋駅・・・付近の喫煙所へｗ

そう、喫煙所で配ります。
と言っても数枚程度ですがｗ
そしておもむろに喫煙所の端にケース毎置いていきます。

それでちょっと離れたところで様子見

・・・何人か取ってくな・・・喫煙所の外側にも必要だな・・・

「近くで食べながら一服できる店」のＰＯＰに引き寄せられて手にしていく
喫煙者のみなさん。
一人取ると気になって二人目、三人目と続きやすい

時刻は１０：３０頃。これまたちょうどええ。

良さげなのを確認出来たところで二か所目の喫煙所へ向かう僕。

同じことを繰り返し、一か所目に戻ると・・・

「あれ！？もう空！？」

そう、空っぽ。
しかもちゃんと持ち帰ってくれたのが分かる証拠に、そこら辺に捨てられていない。

また同じように声掛けしてから設置。
今度は多めに。
そしてまた二か所目へ。

ここで一旦僕は離脱。
１１：００からの本業の打ち合わせへ向かう。

そして打ち合わせが終わり、オーナーの店に戻ると・・・

げ・・・満席ｗ

「いらっしゃいま・・・あ！ろびんさん！凄いですよ！凄い！」

「あ、いや、そういうのいいんで接客してくださいｗ
僕は今日のところは一旦帰りますｗじゃ」

後日談

その後のオーナーとのＬＩＮＥでのやり取りで聞いた情報ですが、

• コロナ前の状態に戻ったかの様に繁盛している

• 追加でまたチラシ印刷して配ってみた

• 喫煙所に置こうとしたらお巡りさんに注意された
  ※許可が必要です。本来は。

• これ以上お客が増えると入れなくて困るとお客さんに言われた

という状況だったそうです。

僕自身、新橋付近のお客さんを別の営業に引き継ぐことになり、
もう行く用事がなかったので一度も顔出ししに行ってません。

今回は分かりやすい強みがあったのと、僕自身が欲していたこともあり
簡単に事はすみました。

新橋駅周辺という限られたエリア内で他のお店も巻き込んだのが功を奏したのかもしれません。

実質かかった時間は一時間程度
しかも誰でも簡単にできるやり方
コストも最低限

地の利と強み、需要を活かせばこんなにも簡単なんですね

是非、機会あれば検討してみてください。

ろびんより