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山崎蒸留所に行って来た

2023年11月某日、私は東海道新幹線に乗っていた。

この日は快晴。富士山がとてもキレイに見えた。

目的地は「サントリー山崎蒸留所」だ。

苛烈な抽選倍率をくぐり抜け、運良く当選した私は指折り数えてこの日を待っていた。

当選通知が来たその日のうちに京都への新幹線を確認し、宿泊を含めたプランを練る。旅行に関する彼是をあーでもないこーでもないと思案している時が一番ワクワクしているかもしれない。

ワクワクしながらもふと気付いた。

「バー山崎は無くなったらしいが、確かテイスティングラウンジがあったよな」と。

近年、ジャパニーズウイスキーの人気は凄まじく、恐らくレアなウイスキーのボトル購入は望むべくもない。

しかし、しかしだ。

山崎蒸留所直営・直下のテイスティングラウンジならレアなウイスキーがあるかもしれない。それならば宿泊代を飲み代に全BETした方が良さそうだ。

そう思案した私は早々に宿泊を諦め、日帰りでのプランに変更。
スマートEXで最大の割引が効く時間での新幹線を手配した。

果たしてテイスティングラウンジでレアなウイスキーにありつけるのか、取らぬ狸の皮算用となるのか、私は山崎へと向かった。

京都で新幹線から京都線に乗り換え15分。
やって来ました「山崎駅」。

駅前の駐車場脇をすり抜け、歩く事5分程度で到着した山崎蒸留所。

受付を済ませてから、真っ先にお土産を確認しにギフトショップへ。
残念ながらレアな山崎は無し。
あったのは「山崎蒸留所」と刻印された年数表記の無い山崎。

まあ、買いますよ。そりゃ。

その他、諸々のお土産を購入しつつ待機し、蒸留所見学ツアーが始まった。

以前行った某蒸留所と異なり、さすが大手メーカーの蒸留所で、ツアーをリニューアルさせただけあり、見学コースもしっかり整備されているし、ポイントポイントでモニタと案内人による解説が入る。

モルトマッシュの匂いはビールを想起させる

ポッドスチル(蒸留器)が壮観にならぶ蒸留室は撮影禁止だが、外からなら撮影しても良い、と。

ずらっと並ぶポッドスチルが壮観。その奥に山崎のロゴ

その後、熟成庫にてチャーした(内部を焼いた)樽がキレイに見える断面が透明な樽を見学。

樽内部をチャー(焼き)しているのがよくわかる

横には山崎を構成する原酒の樽が並ぶ。そのうちの一つが「シェリー樽」と知って、内心「それを俺に飲ませてくれ」と思ったのは内緒だ。

シェリー樽だと!!!!?

現在この熟成庫にある最も古い1979年の樽。(これも俺に…略)

こちらは1924年原酒を樽詰めしたものらしい。(中身もあるそうだが売らないだろうとのこと…)

樽に煌めく「1960」の刻印

日本庭園も整備されていた。この日も何人かいた外国人らしき参加者も感嘆していたが、日本人が見ても美しい。

ちょうど紅葉の季節でさらに美しかった

ツアー終了後は別室にて「山崎(ノンエイジ)」の構成原酒の飲み比べ。
恐らく日によって内容は異なると思うが、私が参加した際の原酒は「ホワイトオーク樽原酒」「ワイン樽原酒」「ミズナラ樽原酒」の3種に、完成した「山崎」そして「お好きな飲み方で」としてもう一杯「山崎」が用意されていて、5杯分のグラスがあった。

黒い箱は持ち帰り用のテイスティンググラス

「オーク樽原酒」はいわゆる樽薫がしっかりあり、ハチミツの様な濃厚さ。「ワイン樽原酒」はやはり葡萄由来のフルーティーさと絶妙な酸味。ただこのワイン樽原酒が一番「若さ」を感じた。個人的にシェリー樽のウイスキーが好みなので、ワイン樽が最も気に入るだろうと思ったが、意外にも「ミズナラ樽原酒」が最もおいしかった。
案内人の方が「実はミズナラ樽原酒が最も貴重で高価」と説明されていたが、恐らく今回頂いた中ではこのミズナラ樽が最も熟成されている物だった様に思う。

その後、完成した山崎を味わい、最後に「最もおいしいハイボールの作り方」がレクチャーされ、終了となった。

ちなみにハイボールを作る際に使用する炭酸は山崎の仕込み水で作った物で、それ自体がおいしく感じた。

そうして見学ツアーと試飲は終了し、解散となったが、私はテイスティングラウンジへと足早に向かった。

バーカウンターがポッドスチルの形

恐らくタイミングや時期等によると思うが、幸運にもこの日は響21年や山崎18年、1人1杯までだが山崎25年が提供されていた。これはもう大勝利だ。これを飲みに来たんだ!

と言う事で、帰りの電車まで30分を切っているなか注文。

豪華な2ショット

いやぁ、満足感が凄まじかった。
あまりにもゆっくり味わい過ぎて、山崎駅までダッシュするハメになり、かつ飛び乗った電車が逆方向だったと言うオチまで(苦笑)

次の駅で京都方面へと乗り換え、京都駅についた時には乗る予定の新幹線発射15分前だった。

弾丸での日帰り見学ツアーとなったが、ウイスキー好きならば大満足の内容だと思われる。残念ながら大人気の為、抽選でありなかなか当選しない様だが、それも納得の内容だった。今度は上位版であるプレステージのツアーにも是非参加したい。

おそらく多くの人が撮るであろう山崎にある「ヤマザキ」
定価300マソでも今の価格が途方もない幻の山崎55年
初代山崎。実物を見たのは初めて
静かに眠る山崎の原酒


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