歩み寄る熟女
久しぶりにアスリートと会う約束をした。
今日は朝から雨降りで、低気圧が苦手な私は
機嫌が悪くてなんだか沸々としていた。
また1時間以上の距離を高速に乗って会いに来てくれたのに、ちょっとした事をきっかけに熟女がまたぶつぶつ言い出すわけよ。
もうこれ、完全に八つ当たり。
朝からの不機嫌の。
甘えてるのよね。
「俺は思ったことしか言わないよ。いつもは俺が悪い。でも今日のはaoiさんも悪い。俺のこと信じてないから俺の言ったことに裏があると思っちゃうんだよ」
若者に諭されるアラフィフ。
そういえば旦那にも、こう思ってるに違いないと思って怒ったら
〝俺はそんな事一言もいってないし思ってもない。おまえは被害妄想が激しい”
ってこと何度もあるし、
元カレには
〝aoiちゃんは全体を見ないで俺の言った一部分だけをピックアップして落ち込むけどそうじゃないよ。俺aoiちゃんに対してそんな事思ったことない。思い込み激しいよ”
と言われたことあるし。
こやつらは口が達者なの?
それとも私が面倒くさいの?
どちらにしても私は拗らせている。
どうにも拗らせ体質が治らない。
だってさ、私は自分に自信がないんだもの。
言われること間に受けて傷つきたくないんだもん。
幼稚で単純だから本気にしちゃう。
思ってないなら喜ばせるような事悲しくなるから言わないでほしい。
がっかりすると大人は浮上するのに
時間がかかるんだから。
ベッドで大きな身体に抱き抱えられて
「お互いの価値観を擦り合わせていこうよ」
と言われて
ちょっと泣きそうになった。
だけど、
ただのセフレなのに?
私ってちょろ過ぎやしないか?
ってすぐ頭に浮かんで来た。
それで、自分がいちばん自分を見下していることに気づいて
いつもはバイバイした後LINEなんて送らないけど
ありがとうってアスリートに伝えた。
今日の私はえらかった。
そう思うことにする。
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