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時の流れ


「ねぇ、いくつになったんだっけ?26とか?」

〝いや、今年でもう28になります″


「え?初めて会った時、確か24じゃなかった?」

と本気でびっくりしたのは彼のビジュアルが全く変わっていなかったせい。

痩せた色白の肌が少し焼けて、
髪はサラサラのボブヘア、両耳にはピアス。

黒ばかり着ていた彼の服は今日はベージュで
とてもカジュアル。

以前より明るい雰囲気になっていたし、

アラサーにはとても見えなかった。

あの日は新宿で昼飲みしてカラオケして
ホテルに行ったんだっけ。

今はもう、遠出してそんなデートコースは
疲れちゃうかもしれないけど笑

とても綺麗な子だったからしばらく思い出してはぼんやりしていた事をよく覚えている。

最後にあったのは去年の3月だったかな。

その後も時々LINEをくれたけど、他の人と会う気になれなくて仕事を理由に断っていた。


数日前、連絡をしたのは私から。

すぐに返事をくれて休日を1日空けて
遠くからうちに来てくれた。


本当に、パッと見全然性欲があるようには見えない中性的なタイプなんだけど、

抱き合ってキスしたら

〝最近なんか、性欲がすごくて我慢できない″

〝初めて会った時の事思い出しちゃう。
いっぱいえっちなことしたよね″

と、なってしまうのは若者らしくてとても好き。


お互いに、お互いの恋愛の話なんかをして

だけど恋人にするようなセックスはする。

矛盾しているけれど、そういう相手の方が

最中に卑猥なことを平気で言えたりして

性的には盛り上がるのかもしれない。


事後、冷えた部屋の中で寒くなって
ベッドに潜り込んだ私に

〝おいで″

と行って腕枕してくれた。

背中をとんとんしてくれるから

「眠くなっちゃうよ」

そんな会話をしていたら

私の顔を覗き込みながら

〝連絡しないの?″

と言われた。


彼のことだ。

会わない間にそんな事があったよと話したから。

「うーん、、しないかなぁ。なんかやっぱりね」

笑いながら言った私のおでこを撫でながら

〝怖いの?″

って聞かれた。

ドキっとした。

多分図星だったから。



「、、、うん、怖い。」

〝そっか、そっか″

と頭を撫でてくれた彼に抱きついて

束の間の安心感を貪った。


この人はきっと、優しい人。

それって間男的な
本当の優しさじゃないのかもしれないけど、

私にはそれがちょうど良かった。

だから会いにきてくれて嬉しかった。

ありがとうって思って

明るい気持ちになれたよ。




今日は身体中痛くて全く仕事にならないけど

心は満たされているから、今週もがんばろ。


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