どうしたら洋楽をオススメできるか?

私みたいな隅っこで海外の音楽を聴いてる者でも、それなりに同じ趣味の話ができる友人というものが欲しいもの。

しかし、「日本の音楽聴いてるなら海外の音楽も聴かなきゃ勿体無いよ」理論は、思えばなかなか暴論なんですね。
例えば多くの人々は、正月にはぼんやりとお昼前に起き、こたつに入りながら箱根駅伝を見て「おお今年はどこどこが勝ってるんだあ」なんて言いながらミカンをボリボリ食っているでしょうが(だいたい毎年の視聴率が30%前後)、そんな彼らに「駅伝観るなら出場選手が毎年出てるインカレ(全日本学生選手権)の10000mとかも良きですよ!あとダイヤモンドリーグ(IAAFが主催する世界最高峰の陸上競技リーグ戦)は熱いですね~」とか言っても「あなた誰ですか?」と一蹴されてしまうでしょう。

往々にして個人における趣味の追い方は十人十色であり、そこを無理強いしても仕方ない。私がMr.ChildrenからU2,L'Arc-en-CielからThe Cureといった具合に趣味を広げていったからといって 「日本のリスナーは国内の音楽しか聴かないからダメだ」なんて喧嘩腰マウンティング脳で向かって行っても、「あ、そうですかご勝手に」と一発で終わってしまう。だって誰しも好きなものを好きで聴いてるんだから。

ならば全力で「あ、ちょっと気になるかも…」と思わせてこその’オススメ’じゃないだろうか。思いつく限り方法を考えてみます。


・好きな曲、アーティストを紹介する

これは王道かつ全てに通ずる第一歩。信頼する相手(これ重要)から目をキラキラさせてオススメされたら、自分だったらちょっと気になります。
そうしていろんな人々から満遍なくオススメを受けてきた結果、「UKロックバンド以外生温いわ!」と尖りまくっていた高校生の頃の私はどこへやら、今では「D'Angeloやべえ!」「NieR:Automataのサントラ良すぎ!」「誰よりも高く跳べ!しか勝たん!」などと何でも聴くしDD(どれでも大好き)状態の丸さ。川の下流域にたくさん転がっている磨かれまくった石のごとし。
皆のオススメが、いろんな人々の好みを丸くする渓流になるのだ。

一方で特定のジャンルに特化した熱いリスナーが、その熱量をそのまま伝えられれば、その魅力は10割増しで伝わります。ロックのロの字も知らなかった友人が熱狂的ヘビメタファンと出会って以降、彼も熱きヘビメタの民へとジョブチェンジした雄姿を私は忘れない。その熱量の鋭さや、戦国時代の名刀のごとし。
何かへの熱量が、誰かの好みを鋭く研ぎ澄ます刀鍛冶となるのだ。


・有名人の名前を使う

何のネームバリューも無い私が言うより、有名人がオススメした方が数千倍効果があるという事実は、普段音楽を紹介するブログを書く自分としては最も目を背けたい…だがなりふり構わずいこう!

「元欅坂46の長濱ねるさんがThe 1975っていうイギリスのバンドをおすすめしてたよ!」これは効果絶大!
「フジロックには嵐の松潤さんも岡田将生さんも松田翔太さんも来てるらしいし、ハライチ澤部さんとさらば森田さんのゲリラ漫才も見られるらしい!」とあからさまに有名人の名前を出していって、たくさんの海外アーティストが登場する音楽フェスに目を向けてもらうのもいいかもしれない。

しかし音楽に限らずですが、普段交わらなそうなジャンルから別のジャンルへと興味が広がるきっかけを作ってくださる有名人の方々には本当にありがたいなと日々感じています。その人にしかできない素敵なアクションだと思うので。
もう日本中の洋楽好き有名人は洋楽をオススメして「一緒に聴いてくれたら嬉しいな」みたいな一言添えていただければ嬉しいんですがどうですか米津玄師さん?


・金を渡す

ああやめてください!「この筆者手抜き始めたし音楽好きのプライド捨ててんな読むのやめよ」って言わないでください違うんです!

この前コンビニ行ったらSpotifyの月額料金を支払えるカードみたいなの見かけたんです。これをギフトとして渡し、「いろいろ聴いてみてね。」ってオススメできるの、よくよく考えるとすごい時代だなと思うんですよね。

一昔前だとCD貸すとかでしょうか?(こっちの方が何だか甘酸っぱい青春の香りがする)
CDの貸し借りか、あるいはCDレンタル5枚1000円の恩恵を授かるか、はたまたブックオフ500円/250円コーナーを隈なく探すか。これがお小遣いの少ない中高生のころの私でしたが、今では月1000円くらいで無限に音楽聴けますからね。こんなに音楽をオススメしやすい時代はないですよ。

「あ~ありがとうございますー!
今、1年分のSpotify利用券をいただきました!
ありがとうございますー!
こんなんなんぼあってもいいですからね!」ってな具合でね。


・車で流す

やっぱり普段の生活に音楽が流れていないって寂しいじゃないですか。そりゃあテレビくらいしか音楽を耳にする機会が無ければ、当然興味はそこで流れる楽曲やアーティストに集中して当然ですからね。
そこでいろんな場面で音楽を流せないかという話ですね。ベタなところだとドライブ中に音楽をかける。どうですか、夜の高速道路を疾走しながらTom Mischなんて流したら、仮に彼の音楽を知らなかったとしてもやっぱりうっとり聴き入っちゃうと思うんですが。
いろんな権利関係の問題が山積みなのは承知ですが、町のちょっとしたお店とかでもいろんな曲が流れていて、「これ良い曲だな、何てアーティストだろう?」っていうような光景が増えていくと素敵ですよね。

私の経験談だと、夕暮れに友人とバーベキューをしていたときのこと。日も落ちてきて、椅子にゆったり座りながらお酒を飲んでいたんですが、「なんか音楽流してよ。」とポータブルスピーカーを持って行っていた私にリクエストが来たわけです。これは腕の見せ所、ちょうどその年のサマソニで見ていたChance The Rapperをかけたらみんな大絶賛。それも洋楽聴かない友人ばかりでしたからね。「雰囲気に合うね~。」なんてハマっててとても嬉しかったです。
得意げになった私「こ、これChance The Rapperって言ってね今年のサマソニに出ててね…(超早口)」
友人「チャ、な、何?早口過ぎて聞き取れないんやけど…あ、肉焼けたってさ熱いうちに食べよ」


とまあ、無い頭で無理に考えてみたんですが、あんまり画期的革新的なアイディアなんてなかなか出ないですね。なんかいい方法あったら教えて下さい。


そもそも一般リスナーの皆が皆「我こそがこの音楽をより広めていかねば!」なんて変な使命感を持つ必要無いんですけどね。そういうのは本来レーベル側、アーティスト側の人材が尽力しているはずなんで。(もちろんファン側からも協力することでより効果的に働く)

それでも心の底から「この音楽素敵だな、もっといろんな人に出会って欲しいな」と思うのなら、その音楽へと多くの人が出会いに行きやすいような通り道、道路を敷設したいものですね。その道路を必ず通れと強制することはできないけど、「この道路って通りやすいな」と思われるような、そんなオススメ方法を用意できると良いなと思います。

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