paulo

おちつきたくない。

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  • inspired by avengers in sci-fi

    avengers in sci-fiの楽曲をテーマにしたお話かもしれないものです

  • だいがく

最近の記事

間違いは

時実新子「愛は愛は愛は」の中で好きな句のひとつ。 生きてると、間違った、とか、あのときこうしてればな、と思う事がたくさんある。 下手すると、いつも、すべてが、間違いかもしれないと思っている。 やり切れないことがあったりして、心が折れそうになる。選択肢を間違えたかもしれない、とか、道を誤ったかもしれない、と考えてしまう。 ただ、間違いだと思っても、とにかくその道を走ってみなさい、というのが、この句の意味だと勝手に思っている。 間違っているかもしれないけど、自分で決めた

    • 我が祖母の記

      祖母が亡くなった。 祖母、98歳。1925年(大正14年)生まれ。 生まれは青森県横浜町。 比較的良いところのお嬢さん。当時の農村には珍しく、女学校を卒業している。読み書きがしっかりできて、歌が好きな女性。 終戦の知らせを海で聞いた彼女は、1948年(昭和23年)に、その時代には少し遅い、23歳で嫁ぐことになる。 峠を越えた先の、太平洋に面した村へ。歩けば1日はかかる、誰も知り合いのいない村の、9歳年上の男に、3番目の妻として。 祖父。1916年(大正5年)生まれ

      • 社会人になってのあれこれ

        2020年4月に社会人になった。もう、3年目の冬が来た。 コロナにぶち当たってしまって、リモートワークやら時差出勤やらをしっかり経験し、今年からきちんと外に出たりイベントをやったりできるようになった。 私の周りには知らない人がたくさんいて、魅力的な人も、悪意に満ちた人も、同じように時間を過ごしている。 多様すぎて疲れてしまうこともたくさんあるけど、なんとか生きている。 人見知りはどんどん加速している。人の目が見られない。すれ違って挨拶するときは、足元を見ながら礼をする

        • 100年ぶりに新幹線に乗った

          100年ぶりってのは嘘だ。 それでも、そう思えてしまうくらい長い間、この空間を遠ざけていたのだな、と実感した。 一人ぼっちの北海道出張。 津軽海峡をくぐり抜ける北海道新幹線は、小刻みに揺れながら、葉の落ちた林の中をゆく。稲刈りの終わった茶色い田んぼの中をゆく。 降り立った新函館北斗駅は、閑散としていた。遠くの街の灯りがぼやけて、呼気と外気の差を思い知る。気温は10℃台前半、もうすぐ冬がやってくる。 北斗はがたがたと音を立てて、わたしたちを札幌まで運ぶ。諦めと、不安と、

        間違いは

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        • inspired by avengers in sci-fi
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          13本

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          Pearl Pool

          たった一夜の記憶に囚われたまま、この海を漂っている。 Pearl Pool 星の砂って、生物の死骸だって知ってました? 唐突にそう尋ねられたのは、初夏のことだった。春から始まった海洋系の講座に参加し始めて1ヶ月が経ち、参加者の顔はだいたい覚え始めてきたころ、声をかけてきたのは、いつもひとりで窓側の席に座っている彼だった。 地元の博物館の市民向け講座は、シニアの方ばかりで、まだ20代半ばの私と彼はすこし浮いていた。お互いひとりで参加している彼と、話せるようになったらいい

          Pearl Pool

          2万5千円の部屋で、春を待つ

          18歳までを過ごした本州最果ての村は、波の音が子守歌だった。雲が低い日はごうごうと海鳴りが響く。静かな夜、というものを、経験したことがなかった。 大学に入学して、ひとり暮らしをすることになった町は、四方を山に囲まれた、のどかなところだった。 選んだ部屋は、8畳の洋室に4.5畳のキッチンという1Kの部屋。古い建物だったけど、リフォームしたてだという部屋は綺麗だった。ここにしよう、と母と決めた。 決め手は家賃だった。破格の2万5千円。学生の多い町だったけれど、それにしても安

          2万5千円の部屋で、春を待つ

          私の旅はいつも

          空港で働く友人がいる。 出会いは4歳、離れたのは18歳。彼女はグランドスタッフになるため専門学校へ、私は大学へ。彼女の目標にまっすぐな所と笑顔が大好きだった。 2年後、彼女は夢を叶えた。それを知ったのはSNSで、少しだけ心の距離を感じた。 転機になったのは出張のとき。なんとなく送った「今空港いるよ」のメッセージ。出発ロビーで肩を叩かれた。数年会っていなかったのに、彼女は笑顔でいってらっしゃい、と手を振ってくれた。 それから、旅の連絡をするようになった。出発ロビーに立て

          私の旅はいつも

          あれれって話

          あれれって話

          psycho monday

          何万年経っても、何億光年離れても、この恋だけは叶えたかった。 01: 2106 Tokyo 「世界初となる自立型宇宙ステーション “万葉” の打ち上げまで、24時間を切りました」 「種子島宇宙センターには、打ち上げを待つ人々が大勢集まっています」 「万葉は宇宙ステーションの名前でもあり、この宇宙ステーションのオペレーションAIの名前でもあります」 ラジオから響くリポーターの声が興奮を伝えている。僕はマイクをオンにして、この風景を見下ろしているであろう “彼女” に合図

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          平成最後の夏のこと

          平成最後の夏のこと

          コーヒーのこと

          コーヒーのこと

          やりたいことのこと

          やりたいことのこと

          avengers in sci-fi 15th Anniversary

          と,タイトルにつけたけど,結局自分語りなので笑,気をつけてほしい. avengers in sci-fi に出会ったのは約8年前,わたしは14歳.列伝ツアーが終わったあと,姉が見つけてきたアベンズに,心を奪われたのを覚えている. avengers in sci-fi の楽曲は,世界観が素敵だった.SF小説にハマりはじめていた当時,たくさんの物語を曲から想像した. 人類が宇宙へ飛び出すようになった時代に再び流行りだすラジオとか,前世の記憶を繰り返すふたりの話とか. とに

          avengers in sci-fi 15th Anniversary

          卒論のこと

          卒論のこと

          これからのこと

          これからのこと

          Superstar

          昨日を無限にやり直せるのなら、何度だって戦うのに。 Superstar 新たに導入された戦闘機のコールサインは、スーパースターに決まった。 半年前、隣国の度重なる領空侵犯に腹を立てた司令部が打ち上げたミサイルは、ふたつの国を隔てる海に落下した。落下地点と隣国一の港が近かったこと、もともとあまり良好な関係でなかったことが災いして、戦争が始まった。 配備を翌年に控えていた新型の戦闘機は、予定を大幅に早め、希望に満ちたコールサインを与えられて基地にやってきた。もちろん、僕の

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