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定期ゲームソフトレビューその4 LiEat(ライート)

週一でゲームレビュー書くのって疲れるんだなって思った。それはそれとして、面白いゲームは世に広めないといけないので書きます。
まあ行けるところまでは頑張るつもり。

今回触れるタイトルはLiEatライート。たまたまセールしてたので購入しましたが、短いプレイ時間の中に濃縮されたストーリー成分が魅力的なゲームでした。
今回取り扱うのはスイッチ版となります。

LiEatライート
発売元: PLAYISM
機種: Switch
ジャンル: ロールプレイング
価格: 980円
配信日: 2021年5月27日


概要

本作は元々PC向けフリーゲームとして2014年に「LiEatライート -嘘喰いドラゴンと朱色の吸血鬼-」として配信された。同年に続編である「LiEatIIライート ツー -嘘喰いドラゴンと紺碧色の夢喰い-」と「LiEatIIIライート スリー -嘘喰いドラゴンと黄金色の怪盗-」も配信される。

2016年には上記3作品を1つにまとめた上でゲームバランスの調整をした「LiEat」がスチームで発売。
2021年になってスチーム版に再調整をしたバージョンがスイッチで発売。今回紹介するのはスイッチ版となる。

ジャンルは短編RPG。ただ、ストーリー重視のゲームなので戦闘は簡単。あくまでストーリーを彩るフレーバー要素という感じ。

主人公「テオバルト」とヒロイン「エフィーナ」の成長を3作品に渡って描く。
エフィは嘘を食べることができるドラゴンで、人のついた嘘を視覚化できる。主にこの能力を使って事件を解決するのが物語の大筋となる。


評価点(良いところ)

誕生してまだ数ヶ月の純粋無垢なエフィと、自ら詐欺師を名乗るテオのやりとりは王道ながらもほっこりする。

概要の通り、作中で何かしら事件が起こるのだが、それを通して自ら学んでいくエフィは健気で可愛らしいし、彼女を守ろうとするテオも良いキャラクター。

他にも各作品には固有のサブキャラも登場する。少し癖のある彼らとテオの皮肉混じりな会話と、エフィで話しかけた時の優しい語り口には面白いギャップがあった。

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一作目のゲーム内イラスト。
テオのことを「パパ」と慕うエフィと、それにうんざりしつつも満更でもないテオのキャラクター性は続編になるにつれてより魅力的に。


3作品ともプレイ時間は1時間程度の小規模なボリュームだが、感覚としてはそれ以上の内容量に思えた。数こそ少ないが隠しイベントやアイテムもあるので、やりこむともう少しかかると思う。
セーブはいつでもできるので中断もしやすい。

フレーバー要素、と表現した戦闘も物語への没入感に一役ひとやく買っている。
RPGと言っても少し敵を倒すだけでレベルはあがるのでレベリングのようなわずらわしい作業はほとんど必要ない。
ストーリー中にはボス戦もあり、ザコ戦より戦略性を求められるが理不尽な難易度ではなかったと思う。よほどザコ戦を避けていたら苦戦するかもだが、その時は数回ほどザコを倒してレベルをあげればどうにかなる。

没入感に繋がる理由は、ザコ戦の相手は「嘘」であるからだ。つまりエフィが具現化したコレを食べるわけだが、その一連の流れを戦闘で表現することでイメージしやすく表している。嘘にも強さがあったりなど、より作品の世界観に惹かれる一要素として機能していたんじゃないかと思う。

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三作目の戦闘画面。
画像ではエフィだけだが、基本的にはテオも戦闘に参加する。ボス戦ではスキルとアイテムを駆使した戦略的な戦闘を求められるが、そこまでガチガチのバランスでもないのでRPGが苦手でも楽しめると思う。


条件を満たせばキャラクター設定の閲覧やイラスト鑑賞、BGM鑑賞もできるのは嬉しい。特にBGM鑑賞には珍しい機能が付いているのが特徴的。具体的な言及は避けるが、作中BGMの違う魅力が発見できたような気がして楽しかった。


問題点(悪いところ)

スイッチ版はとにかく高い(定価980円)。確かに、元がフリーゲームなのでそれと比べたら高くなってしまうのはしょうがない。
しかし、同じく3作品収録したスチーム版は298円である。ゲームバランスの再調整がされてはいるが、それでも割高に感じてしまう。
好きな場所で遊べるスイッチ版特有の利点はあるが、それに見合う価値があるかは人それぞれだろうと思う。

これはどちらのバージョンにも言えるが、物語としてはオリジナル版そのままの移植なので独自の魅力も薄い。(タイトルのイラストが変更されてたりはする)
環境さえあるなら無料で3作とも遊べてしまうし、PCスペックを要求するゲームでもない。

スイッチ版に限った話なら、1作300円くらいということになる。確かに払う価値はあるが、他機種でほぼ同じ体験ができて、しかもそちらの方が安いとなると厳しい面が強いかも…。

あとこれは好みだが、少しホラー要素やサスペンス要素がある。本格的な演出があるわけではないので、ホラーが苦手な人は深夜に遊ばないようにすれば大丈夫な程度。


総評

「これホントにフリーゲームだったの?」ってなるくらい作り込まれた世界観にゲーム性は本当に素晴らしい。

3作品をまたいで描くテオとエフィの成長には思わず感動したし、綺麗に物語も終わるのでプレイ後はスッキリとした気持ちになった。数こそ少ないが、各シーンで流れる音楽も良かった。

筆者はゲームは寝転んで遊びたい人なので、スイッチに移植されて良かったと思う。散々高い高いと書いたが、セールされることもあるので、興味があればその時にでも手に取ってもらいたい。スチーム版でお得に済ませても良いし、オリジナル版でとりあえず1作目だけ触れるのもアリだと思う。

短編ながらも濃密な時間を過ごせるRPGだった。
おすすめです。

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2作目より。
エフィが何を学び、何を知って、何をしたいのか。それを丁寧に描くからこそ、遊んでいて暖かな気持ちになれたんだと思う。


参考文献

任天堂公式サイトの紹介ページ。

本作の作者の方のページ。攻略は大変お世話になりました。


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