見出し画像

定期ゲームソフトレビューその5 アーケードアーカイブス ドンキーコング

ドンキーコングのレビューって需要ある?となりましたが、軽く書いとこうと思い至り書きます。

記事書くために色々と情報調べて知ったんですが、配信年、2018年ってマジですか。もう3年以上も経つのか。任天堂タイトルが来た時は本当に嬉しくて、昨日のように「マリオブラザーズ配信決定!」の衝撃を思い出せるんですけどね…。

アーケードアーカイブス ドンキーコング
発売元: ハムスター
機種: Switch
ジャンル: アクション
価格: 838円
配信日: 2018年6月15日


概要

80〜90年代に一世を風靡ふうびしたアーケードゲームをそのまま移植するプロジェクト『アーケードアーカイブス』
ハムスターより2014年から始まった本企画は、2021年現在も絶賛配信中である。むしろ毎週1本はリリースしてるので昔より元気。ソフト数もSwitch参入メーカーの中では断トツで1位だと思う。たぶんPS4の方もそうなんじゃないかな。

そんなアケアカシリーズの一本である本作は、2017年より参入した任天堂タイトル第4弾として配信された。
移植元の『ドンキーコング』は言わずもがな、1981年に発売され、凄まじい人気を得たアクションゲームである。

今作では『日本版前期バージョン』『日本版後期バージョン』『海外バージョン』を収録。
権利表記やゲーム中に表示される文章に変更がある。
また、日本版前期のみバグ技も使用可能。
ゲーム設定(ゲーム開始時の残り人数やエクステンド)の変更もできる。

アケアカ版特有の機能として、読んで字の如くである「ハイスコアモード」と5分間に稼いだスコアを競う「キャラバンモード」もある。全ての収録作品、モードにオンライン対応ランキングが用意されている。

画像1

タイトル画面、ここからモードを選択すると簡単な操作説明のあと、ゲームが起動する。


評価点(良いところ)

まず、アーケードそのままの移植が貴重。その点で資料価値がある。
ファミコン版は2面がカットされているし、ハートスペックの都合で完全な移植ではない。
『ドンキーコング64』ではAC版が遊べるが、ゲーム本編をある程度進めないと遊べないミニゲーム扱いであり、手軽に触れることはできない。

その点、本作はコインを入れる動作から再現してあるし、3つのバージョン違いも収録してある。そこまでゲーム性が変わるわけではないが、ちょっとした違いを探す楽しみもある。

画像2

1面のプレイ画像。当たり前だけど、ファミコン版よりドットがリッチ。1面はジャンプアクションの面白さが詰め込まれた名ステージだと思う。


移植度も問題ない…とは思う。筆者はオリジナル版を遊んだ経験がないので、なんとも言えないけど…。
ただ、前述した通りオリジナル版で存在したバグ技の再現なども可能。そういう細かな点にこだわってくれるのは好感触。

ゲームとしての面白さは語り尽くされている気がする。マリオ(この当時はジャンプマンとか何とか)を操作してドンキーコングに誘拐されたレディを助けに行くジャンプアクションゲーム。全4面。
プレイヤーは左右移動、ジャンプ、ハシゴの移動しかやることがないが、それがめちゃくちゃ面白い。
道中、空中に浮いているハンマーを取ることで敵キャラを攻撃することができる。しかし、効果が切れるまで左右移動しか出来なくなるので、場合によってはデメリットにもなる。
ハンマーを取って得点稼ぎをするか、一直線にゴールに向かって残りタイムボーナスを得るか…。そういう戦略性もある。

ひとつのステージが短いのも気軽に遊べて好印象。
エンディングはなく、4面が終われば1面に戻るが、いつまでも遊んでいたくなる魅力がある。
それくらい手触りが心地いい。

特に、ファミコン版ではカットされた2面も遊べるのは魅力的だろう。ただ、2面もそれほど長いステージではないので、1周するまでのお手軽さは損なわれていない。

画像3

マイナーな2面。床の一部がベルトコンベアになっているので操作しないと流されてしまう。
ゴール直前のハシゴ(画像ではマリオがいるところ)は定期的に上の部分が下がってきて、上がりきれなくなる。


ファミコン版プレイヤーからすると違和感があるこもった音のBGM、SEだが、これも特徴的な初期任天堂アーケード特有の音響である。プレイしていると意外と気に入ってくる。


問題点(悪いところ)

やはり、1周は短いと思う。
全4面だが、慣れてくると1周するまで5分もかからない。
クリアがないゲームではあるのだが、だからと言ってステージの構成や敵キャラがループするごとに変わるわけでもない(敵の移動速度などは上がるので、難しくはなる)。何周も遊んでいると飽きてしまうと思う。

このお手軽さを「気軽に遊べる」と捉えるか「値段に合わない」と捉えるかで評価は一変するだろう。
筆者としては「空いた時間に手に馴染んだゲームをちょっと遊ぼう」感覚でプレイするが、ゲームクリアだけを目指すなら買ったその日のうちにエンディング(4面クリア)までたどり着けてしまうだろう。
その後、2周目が始まってもストーリー展開が変わるわけでもないから、そこでゲームプレイは終わりになる。

つまり、ボリュームを求めるゲームではない。もちろん、オンラインランキングで上位を目指そうとするなら相応のプレイ時間が必要だが、それは結局同じことを繰り返して洗練していく行為だからボリュームとはまた違う。

画像4

初心者には難関な3面。スマブラのステージとしても有名。ファミコン版では1面のあとすぐに3面だったので、急激に難易度が上がった感覚があった。
アーケード版では2面が間に挟まるが、正直1面より簡単な気がする程度の難易度なので、結局のところ急激に難易度が上がった感覚を味わうことになる。


値段は838円と人によっては少し高く感じる値段で、なおかつボリュームは少ないとなると割高に思えるかも知れない。

他にも、サウンドテストやプラクティスモード、ステージセレクトなどは搭載しておらず、純粋なアーケードの移植である点も人によっては物足りなく思える難点だと思う。


総評

838円でドンキーコングが遊び放題なのは破格だと思う。1プレイ100円として、8回遊べばほとんど元が取れるのだから。

今の時代に40年も前のアーケードゲームを遊ぶ価値が見出せないかも知れない。が、ゲームに年代は関係なく、いつの時代に出たゲームだろうと面白いものは面白い。だからこそ、様々なゲームがリメイクやリマスター、そしてアケアカのようにオリジナルそのままの移植が頻繁ひんぱんに発売されるのだと思う。

ファミコン版とも違う、ドンキーコングの原点。一度は体験して欲しいと思う。
どうして今でも続くシリーズになり得たのか、体感を通して理解できると筆者は思う。

画像5

画像6

4面とネームエントリー画面。ループするといっても、きちんと物語にオチがあってデモ演出が入るのは細かいながら良いところ。


参考文献

任天堂公式の紹介サイト。オリジナルの発売年、ゲーム配信日などの参考にしました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?