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雑記(2023/12/31)-今年聴いて良かった曲16選

タイトルの通りです。
書くタイミングとしてちょっと早い気もするけど、置いとくとどうせ書かないので…。
注意として、私が個人的に今年聴いただけで、今年発売・配信等された曲だけではないことはご了承ください。
ちなみに16選という半端な数なのは元々15選としてある程度書いてから、どうしても入れたい曲をド忘れしていたことに気づき、無理矢理ねじ込んだからです…。



1. We Can Work It Out (ビートルズ/1965年)

トップバッターはビートルズ。ズートルビではない。
2023年にもなって急にビートルズを聴き出したのには理由があって、つい最近にビートルズ最後の新曲である「Now and Then」が配信されたから。
そこからカップリング曲である「Love Me Do」の方に惚れて、直近で一番新しくリマスターされたアルバムである「The Beatles 1962-1966(通称"赤盤")」に触れ、その過程で聴き入ったのが「We Can Work It Out(邦題: 恋を抱きしめよう)」だった。
「Love Me Do」にしようかとも迷ったんだけど、サビで唐突に挟まる3拍子のリズムや、メロディーの伸びやかな感覚に軍配が上がってこちらに。
なんと言ってもサビの3拍子がめちゃ良い。イントロや間奏などもほとんど存在しなくて、1番からアウトロにかけてずっと一本の道で続いているような感覚がとても聴いていて楽しい気分になる。
歌詞についての逸話などを知ると若干受け入れ方も変わってしまう気もするが、ビートルズの曲は大体そんな感じなので……。
今年聴いた中でもトップクラスに良かった!
でもビートルズの曲はあと2曲くらいリストに出てくるぞ!多い!


2. Strawberry Fields Forever (ビートルズ/1967年)

2回目のビートルズがやってくる!ヤア!ヤア!ヤア!
実験的で当時としては特異な楽曲も多かった中期ビートルズの楽曲のひとつ。作曲・作詞はジョン・レノン。
自身の幼少期を思い出しながら綴った歌詞らしいが、やけに哲学的。まあ確かにジョン・レノンは哲学的な歌詞好きだからな…。
メロディーも不穏で、特に2番を初めて聴いた際の衝撃は相当なものだった。音がスゴイとか途中から曲が変化していくビートルズの楽曲なら「Tomorrow Never Knows」や「A Day In the Life」などがあるが、この曲特有な点は、比較的短めのフレーズが繰り返される中で、こんなにも曲の雰囲気が変わっていくのかという驚きがずっとあったこと。
他にもビートルズの楽曲は好みにド直球ストライクなモノが多かったし、同じくジョンなら是非とも「Dear Prudence」とか、ポールなら「Eleanor Rigby」、ジョージなら「Taxman」辺りが良かったんだけど…!
ビートルズ祭りになってもどうかと思うので、紹介は省きます……。


3. リンゴ (吉田拓郎/1972年)

フルで1分50秒くらいしかない短い曲。
それでいて3番まである歌詞の中では、2人のカップルがリンゴを切ったりリンゴを買ったりリンゴを剥いたりしてる。
1番だけだと情景というか、歌詞の指す心情が分かりにくいけど、2番でなんとなくの関係性や風景が想像できてきて、3番で一気に可愛らしくなる。
3番の歌詞が可愛らしい描写すぎるのが良い
リンゴを欲張って食べ過ぎて頬っぺたを膨らませている状態の恋人が可愛くないわけがない。
そんな気持ちにさせるまで、2分足らずで行き着くメロディーと歌詞の完成度というか、日常の中のある瞬間を切り取った感覚が良いし、それを歌にするのが上手いなぁとつくづく思う。
自分は先に井上陽水が2015年にカバーしたバージョンで知ったけど、原曲もなかなか魅力的だったね。


4. 帰郷 (危篤電報を受け取って) (井上陽水/1972年)

先ほど名前を挙げた井上陽水の楽曲。
父親が危篤であるという電報を受け取り、急いで帰郷する際に汽車の中で書いたという歌詞が特徴的。
飾り気のない素朴なメロディーと、少し達観しているようなのに、まるで恋人の家へと久々に訪ねるような浮き弾みも感じる歌詞が、どことなく落ち着かないけども胸に沁みていく。
人それぞれだとは思うけど、確かに自分も似たような心境になったことはあるので、あの言葉に出来ないような感覚をここまで的確に歌として表現されているのには本当に驚いた。
まあ、明るい気分の時には聴くもんじゃないけどね!


5. 恋は桃色 (細野晴臣/1973年)

YMOのメンバーとしても有名な細野さんの楽曲。
ソロでの楽曲としてはダントツに有名な方ではあると思うんだけど、何故だか今ままで全然聴いていなかった。
メロディーのふわふわした掴み所のない感じが、とてもノホホンとした空気感を醸し出していて大変良い。
歌詞の言葉選びも抜群によくて、歌の入りである「ここがどこなのか どうでもいいことさ どうやって来たのか 忘れられるかな」から完璧。至高の詩だと思う
曲名もメロディーも明らかに恋愛曲なのに、よくよく歌詞を聴くと失恋ぽい雰囲気が漂うのも、独特で良い。
YMOやはっぴいえんどといったグループ活動中の音楽はいくつか知っていたけど、こっちは今まで見逃していたことが悔しい……。


6. 童話作家 (さだまさし/1976年)

結構前からさだの歌は聴くのだけど、基本的に聴くレパートリーが固まってしまっているなか、改めて聴くと中々メロディアスで感動した曲。
恋愛曲ではなく、失恋曲でもない、燃え尽きた恋のその後を女性の視点で綴る。今でいうとフリーレンみたいなノリで……いわばサダーレンだね。
もう終わってしまった恋なのに、そこまで直接的な過去を振り返る描写もないのに、溢れて止まらない愛情を感じまくる。聴いてるこっちが感傷的になっちゃう…!
歌詞の中で歌われる悲しみも、前を向こうとする喜びも、どちらも始点は自分を振った彼から始まっているのも、何だか、こう、居た堪れなくて……。
さだの初期の歌は多くがそうだけど、小説のような読後感を感じられる良い楽曲でした


7. シムーン (イエロー・マジック・オーケストラ/1978年)

先ほども出て来た細野さんも参加していたテクノバンド、YMOの楽曲。作曲も細野さん。
シムーンとは、中近東で発生する熱風を伴った砂嵐のことらしい。
基本的にインストの楽曲で、後半の一部分にのみボーカルが入る。
このボーカル部分が素晴らしくて、2分ほど聴いていると砂漠の中に現れたオアシスのように急に現れて、消えてしまう。その後もところどころで歌は入るけど、どことなくさっきと違う。
この、どこか心惜しくて、頭の中で歌声を反響させているような構成が、まさしく旅のようで綺麗だと思う。
アクセント的な電子音の使い方も楽曲に似合っていて、初期YMOの中でも聴きやすい良い曲だと思う。


8. TIBETAN DANCE (坂本龍一/1984年)

すぐ上で紹介したYMOのメンバーのひとり、坂本さんのインスト曲。
以前から「THOUSAND KNIVES」「THE END OF ASIA」といったファーストアルバムやYMO時代の楽曲は好んで聴いていたが、その他はあまり聴いていなかった。そんな中で坂本さんが亡くなってしまい、それを契機に様々な曲を聴き漁っていたタイミングで知った楽曲のひとつ。
シムーンでのインストは「砂漠の旅」といった趣きだったが、こちらはイメージを捉えにくい。主旋律こそちょっとおどけた雰囲気があるが、随所で挟まる主旋律以外の音が明らかにおどけてない。その、主旋律とそれ以外の空気感の違いを感じてみたりすると楽しい。
何より、メロディー自体は可愛らしく聴きやすいので、結構な頻度で作業用BGMにもしたりしていた。
2005年のピアノアレンジ版ではより洗練されつつ、お洒落になってるのでこちらもおすすめ。


9. オープニング (PC-8801版) (システムサコム/1988年)

曲名だけだと何の作品か全く分からないが、システムサコムが1988年に発売したPCゲーム「DOME」のオープニング曲のこと。
メロディは少し儚げだが、徐々に力強くなっていく主旋律が素敵。
ゲームとしては、冷戦時代の空気感を醸し出す世界で、核戦争が勃発した際に人類や動物・植物の遺伝子を未来に遺すための方法として核シェルターの建設を民間会社が行うという、非常にメッセージ性の強い作品だった。
人工的なノアの箱舟である「DOME」の設計図が映し出されるなか、流れ出すこの曲の儚さは、今の時代だからこそ胸に迫るものがあるようにも思う。
残念な点は配信媒体の少なさで、今のところはD4エンタープライズが運営するサービス「EGGミュージック」でしか購入できない点だろうか。
ただ、曲を買うだけなら煩雑な手続きも要らないので、気になった方はまずはYouTubeなどで楽曲を調べてもらえると嬉しいです。


10. 破 (さだまさし/1990年)

今年に発売したコンサートアルバム「さだまさしコンサートツアー2022〜孤悲〜」にも収録されていた楽曲。自分はこのバージョンが初見だったけど、元々は1990年に発売したアルバム「夢ばかりみていた」の収録曲。佐田玲子に提供した楽曲のひとつでもある。
ギターが激しく鳴り響き、声高々に恋人を振る歌詞を歌うこの曲は、さだに対する既存のイメージとかけ離れているんじゃないかと思う。
ただただ、さだの多彩さを思い出させてくれる楽曲だった。
今年聴いた曲の中で抜群に良いわけではなかったけど、もしこの文章をここまで読み進めて、かつ紹介された楽曲を試し聴きしてくれている人がいるとしたら…。
是非とも、上記で紹介した「童話作家」と一緒に聴いてもらって、さだワールドの奥深さを感じてもらいたく選出した次第です。


11. Free As a Bird (ビートルズ/1995年)

ビートルズが解散してから25年後にリリースされた、当時最新のビートルズソング。
生前にジョン・レノンが録音していたデモ音源の肉声をメインボーカルとして採用して、演奏・コーラスにはポール、ジョージ、リンゴが参加している。
この楽曲以外にも、ジョンのデモ音源を使ったリファイン楽曲は1996年の「Real Love」や2023年の「Now And Then」などがあるけど、それらに比べてビートルズ感が強い歌詞とメロディ構成はとても良いと思う
当時の技術力だとデモ音源からジョンの声のみを綺麗に取り出すのは難しかったみたいで、ジョンの音質は籠ってて聞き取りづらいし、解散前の楽曲みたいな衝撃は薄いんだけど、いつまでも聴いていられる心地よさが堪らない
「Now And Then」に使われた技術で、是非ともジョンの音質をリマスターして欲しいね。絶対に見違えると思う。もちろん、その時は「Real Love」も一緒にね!


12. 春にして君を想う (小沢健二/1998年)

1998年にシングル曲として発売、その後はアルバムにも入らなかったみたいだけど、2023年にリマスタリングして各種音楽配信サービスで配信された。
可愛らしい歌詞が特徴的で、和やかな曲調も相まって、曲を聴いていると春の日差しを感じ始めて眠たくなってしまう。そこにもまた魅力的な可愛らしさが見え隠れする。
フリッパーズ・ギター解散後のオザケン曲は賑やかでノリが良くて元気になれる楽曲が中心的だったけど、この曲の寄り添ってくれる感覚も嫌いじゃないね。
この曲も今年聴いた中で抜群に良かったとは思わなくて、ただずっと印象に残り続けた結果選出しているので、自分にとって本当に相性のいい曲ってこういうものなのかも……と考えてみたり。


13. 雪が降る日に (村下孝蔵/2005年)

村下孝蔵が1999年に亡くなられた後、6年後に発売された「七夕夜想曲」というベストアルバムに収録されたライブ音源のカバー楽曲。
原曲はかぐや姫(代表曲に「なごり雪」「22才の別れ」など)の曲で、こちらも中々カッコいいんだけど、カバー版は村下孝蔵の力強い歌唱とギターが合わさって原曲の魅力を最大限に引き出せているように感じる
他のカバー曲にも言えることではあるけど、村下孝蔵はカバー曲を自分のものにするのがべらぼうに上手くて、卓越したギターの演奏技術と歌唱力で歌の世界観に引き込んでくるからすごい。この演奏が生で聴けたなら、嬉しかったろうな…。
村下孝蔵のカバーは他にも「氷の世界」や「ブラック・サンド・ビーチ」など魅力的なものばかりなので、ぜひ一度は聴いてみると楽しいかもです。


14. 入江にて (西寺郷太/2023年)

ノーナ・リーヴスのボーカルである西寺郷太が、ソロ活動の際にリリースしたアルバム「Sunset Rain」に収録された。カバー曲で、原曲は郷ひろみ。
原曲から醸し出される80年代特有の雰囲気が、オシャレでポップな2023年のスタイルに大変身していて、アルバムジャケットのようなドライブのお供にぴったりな曲調に。
というか、自分は原曲をそれまで知らなかったので、最初のうちは西寺郷太が今年に出した新曲なんだと思って聴いていた。作曲年が今年といわれても違和感がないくらいメロディも音使いも耳馴染みが良いアレンジだと思う
シティポップは個人的に好きな音楽ジャンルだけど、このカバーのようなあっさりした風味もなかなか似合ってて好きかも知れないと気づかせてくれた楽曲です。


15. 魚になりたい (Class of '88 version) (大江千里/2023年)

リリースを重ねる毎にジャズというかポップ寄りになっていって、2019年のアルバム「Hmmm」辺りで千里ジャズも大成したのかな、と思っていたらお出しされた2023年発売のアルバム「Class of '88」に収録のジャズ。原曲は1989年にリリースされたポップソングで、今回のものはインストでのセルフアレンジ楽曲。
私は大江千里の大ファンで、歌手時代のアルバムは全て所持しているし、ジャズ・ピアニストに転身した後のアルバムも聴いているのですが、ジャズというのを人に宣伝するのは大変だなぁと思ったりしてました。
それでも千里くんのジャズは聴きやすい部類には入るのですが、今回のアルバムの楽曲はジャズを通り越してポップになりまくったのでおすすめです
ほとんど原曲のインストアレンジなだけじゃねぇか!ともなるんだけど、すごく明るくて元気になるし、アクセント的なジャズ特有のメロディ運びが楽しくて飽きないね
原曲と合わせて聴くのも一興ですが、まずは千里ジャズの魅力が詰まった「魚になりたい」から聴いてもらえると良いのかなと思います。


16. サンプル -Rearrange 2023- (サカナクション/2023年)

サカナクションが今年リリースした2枚組アルバムのうち「月の現 〜Rearrange works〜」に収録された楽曲。原曲はボーカルの山口一郎が中学生時代に書いた曲らしくて、何度かアレンジもされている。
それまでのサンプルは疾走感があるバージョンや、様々な音が入り乱れた初期サカナクションらしい曲調が主だったのだけど、今回はピアノを主体としたアレンジで速度もゆったりとしていて、個人的には衝撃的だった。
この曲が、こんな映画のエンドロールみたいなしんみりした曲調になれちゃうんだと思いつつ、今までにない静寂感がサカナクションの新たな境地のようにも感じる。
初見の人に勧めるようなアレンジではないけど、少し寂しい気分の時に流してみたくなるような、ふと聴きたくなるアレンジではあった
個人的にはとても良いアレンジだと思います。


総評

総評、色々書きたかったんだけど、これ書いてる途中からnoteがゲキ重過ぎて、タイピングすら満足に出来ない状態になっちゃった…。
「雪が降る日に」辺りから動作がおかしくて、文字を強調表示にしようとしたら書いてた文字が吹っ飛んだりして大変だった…。今もびっくりするくらい重いので、今回はこの辺で!
皆様も良い音楽ライフを!そして良いお年を!
2024年も、どうぞよろしくお願いします!


編集メモ
11月25日 記事制作、目次1〜8の内容記入。
12月29日 目次9〜10の内容記入。
12月31日 目次11〜16の内容記入、記事公開。


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