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新生活でホームシックになっている人へ

新しい年度が始まり、進学や就職で実家を離れて一人暮らしを始めた人が多いのではないでしょうか?
実家で暮らしているときは、家の人に干渉されたり、兄弟と比べられたり、家族としての役割を求められたりと、なにかと「ウザイ」「ウルサイ」と思うようなタイミングが多かったかもしれません。
ところが、いざ、下宿や寮、ワンルームマンション、ホームステイなど、家族と離れて一人で生活することになってはじめて、これまで感じたことがなかった「寂しい」という感情に襲われることがあります。
仕事をしていたり、講義を受けている時にはそれに専念しているので大丈夫だけれど、いざ、ひとり暮らしの家にもどると、途端に寂しさに支配されて、何も手につかない、涙が溢れてくるという状態に陥ります。
これをホームシックと言います。「まさか自分がホームシックになるなんて!?」という人もなるのがホームシックなのです。
今日は、まさに今ホームシックになっている人にエールを込めて、その状態や対処法など、客観的に自分を見つめて新しい素敵な一歩を踏み出せるようなnoteを書こうと思います。

1.ホームシックとは?
2.どんな人がなるの?
3.どうすれば解消するの?
4.メッセージ

1.ホームシックとは?

国語辞典では、「故郷や家庭を懐かしみ、異常に恋しがる気持ち。郷愁。懐郷病。」と書かれています。
臨床心理学者であるJosh Klapow氏は、ホームシックとは「愛情と庇護と安心に対する本能的欲求であり、普通は、家族のいる家と結びついている感情であり資質である」と述べています。
新しい環境で「愛情と庇護と安心」が感じられないと、家族のいる家が恋しくなり始めるということです。新しい環境に引っ越すと、たいてい周りは初めて知り合う人ばかりです。よく知らない人ばかりの中では、守られているとか愛されているというような安心感を得るのは困難です。たとえ、新しい場所や体験が好きな人でも、なじみがないということは驚くほど落ち着かないものなのです。

2.どんな人がなるの?

小児科学雑誌『Pediatrics』に発表された論文によると、ホームシックに影響を与える4つの「危険要素」が指摘されています。

①経験:今までに家族と離れて暮らした経験がないこと
②態度:「新しい状況では居心地が悪い」という思い込みの態度
③性格:初対面の人たちと親しくなるのが得意でない性格
④外的要因:その引っ越しへの期待度や家族がその変化にどのように反応するか

これまで両親や祖父母、兄弟など、家族の愛情をたくさん受けて育ってきており、友人との関係も良好で温かい雰囲気の学生生活を送ってきて、意識的に初対面の人と関係性を構築する必要がなかった人がホームシックになりやすいのではないかと思います。
これはとても幸せなことなのですが、そこに、「新たな環境は居心地が悪い」というイラショナルビリーフを持ってしまったり、離れた家族が寂しがったりということが加味されると、ホームシックに陥ってしまうということだと思います。

3.どうすれば解消するの?

何でもそうですが、ホームシックが自分にどのような影響を与えるかを学ぶことは、対処法を見つける最初のステップとなります。

研究者のChris Thurber氏は、ホームシックを防ぐのに最善の方法は、寂しさに対して抵抗せずやり過ごすことだと言っています。寂しさをやり過ごしながら生活していくうちに、折り合いをつけられるようになるのだそうです。

そして、臨床心理学者のJosh Klapow氏は、ホームシックになったわが子に親ができる唯一のことは、LINEやメール、電話などで、親元を離れた子どもと頻繁ににコミュニケーションを取らないことと言っています。その代わりに、週に1回、具体的な時間を決めて連絡を取るようにすることで、子どもは、周りの人々としっかりした社会的なつながりを作る余裕や時間をもて、ホームシックの心細さがなくなり、自立できるようになるということです。
これは、4つの要因「④外的要因」を改善していく解消法となります。

本人もこの助言を取り入れ、家族とのコミュニケーションを制限してみてください。寂しさのあまり、つい、家族や親しい友人に頻繁に電話して安心感を得ようと思います。しかし、これは、自分が抱えている問題を長引かせているだけです。「①経験」がホームシックになる影響の4つの要因の1つであることから、家族から離れていることに慣れれば慣れるほど、ホームシックとうまく折り合いがつけられるようになります。ほんの少しの寂しさは、前進するために必要なのです。

さらに、もうひとつの要因「②態度」に着目すると、「新しい環境は居心地が悪い」という思い込みや、「昔の生活は良かった」という、嫌なことはすべて忘れて昔の生活を理想化するという悪い習慣がある場合は、そのことを客観的に見つめ直すことも必要です。昔を懐かしむのは何も悪くありませんが、そのせいで、現在の幸せをありがたく思わず、新しい体験や出会った人々に心を許さないのは問題です。

4.メッセージ

ホームシックになる4つの危険要因をもとに、解消法をお伝えしてきましたが、いかがでしょうか?

いまホームシックになっているあなたは、とても幸せな人だと思います。これまで家族や友人に恵まれて、愛情いっぱいに温かい環境の中で過ごしてこられたのでしょう。

新たな環境に身を置かれて不安なことがたくさんあることと思います。先日、新年号「令和」が発表され、時代がまさに変わろうとしています。それに先駆けてあなたの生活はアップデートされているわけですから、ネガティブな思い込みを取り払って、思い切って家族や友人から少し距離をとり、新しい環境を受け入れてみませんか?

まずは、周りの人に挨拶をしたり、話を聴いてみることから新しい人間関係を作ってみませんか?


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