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「ジョージと野良猫の危険な情事、エスパーには御用心。」


〜世の中には二種類の人間が存在する。

エスパーと、エスパーじゃない人と.…



先日、野良猫と戯れたのよ。


「好きです、猫。」

そんなCMがあれば間違いなく抜擢されるであろうほど無類のお猫好きのあたしでんす。


今は住居的に猫さんと一緒には暮らせないのよ、愛しのマイダーリン。


なのであたし
ちゅーるを大量に買い込んだの。

もちろん、あたしんちから半径2キロ圏内の
お猫の皆んなと仲良くやってくためよ。


ちゅーるは皆さまご存知
いなばチャオちゅーる、

この破壊力はハンパない。

ちゅーるに抗える猫など
この世田谷区には存在しないのだ。

ちゅーるの前じゃ誰もが無力だわ。
猫撫で声を出して寄ってくるもの。

猫なのにな。
撫でられる側なのにな。

その日もいつものあの子を発見!
ポッケから徐に取り出したるは
"いなばチャオちゅーる"

賢者の剣のように天高くちゅーるを振り翳し
「ちゅーるよぉぉ〜!」

〜おお〜よしよしぃー
湯婆婆が坊をあやすときのアレの感じで猫さんに迫る。

 
お三味線みたいな腹出して、
嗚呼、可愛らしや可愛らしや。

おいおい、
今日は膝の上に乗ってきたよお猫さんよ。

あたしをどれだけ惑わせれば氣が済むのさ?

そんな風になったらもうお終い。
アレしかないな。
そうアレやな。


あたしはお猫の腹を目掛けて
顔面ダ〜イヴっ!!

そのまま首元へ抱き寄せて
囁くは愛の言葉を。

〜あなたが居れば生きてゆけます、
あたしなりに〜


でも、何でやろう?
キューティーラブリーキャットの前なのに
あたしったら何故かいつもと違う感覚に襲われたのよ。

それが何なのか、
明朝知ることになるのだけんど....。


「ボリボリボリボリ」

そんな音で目を覚ます午前4:40、

いつもは
だいたいこの時間に一回オシッコで目が覚めるのだけど、

今日は謎のボリボリ音で目が覚めたわ。


「うるせぇわねぇ〜、全く誰よ。」

................

あたしだ。

痒い。

恐ろしく痒い。

痒い痒い痒いぃぃぃい〜

イーってなる!

もお、イーってなる!


ヒステリックに首元を掻きむしりながらトイレへ。

洗面所の鏡に映るあたしの........


ひぃぃぃーーーーー

首がエラいことになっとるがな、しかしー!

なに?

首だけ別の人のか?

別人の首とすり替わったんか?

いつや?

寝てる間か?

誰かの首と入れ替えんか?


アカン、
そんなこと云ってられへん。

この尋常じゃない痒みは
これまた、尋常じゃないことに他ならねぇわ。


早速ググるでグールぐる!

チカク ヒフカ カユミ ハンパナイ。


これ、どっかで見たな。
デジャヴかな?

ちゃう、給湯器がしぼうした時の一コマやわ。


そんなん、どーでもええねん!
うち、痒いねん!

普段、自分のこと「うち」なんて云わないのに
この時ばかりは「うち」って云っちゃう!

それぐらい痒いの。


おっと見っけ!

"朝 8:30からの皮膚科"
しかも家から歩いて10分の好立地!


待ち遠しい!
こんなに皮膚科に恋こがれたことは無いわ。

もお痒くて痒くて
7:30くらいからソワソワ足踏みしてた。

そして無事皮膚科に到着。

あたし、8:27に到着したのに
もう6番目よ。

この皮膚科の人気の高さから期待も膨らむわ。


やっとこ待っていざ診察室へ。

優しそうなお婆ちゃん先生、
あたしの首を見るなり

「あらぁ、可哀想。
猫ちゃん触ったの?」

.….….…

な、な、なんでや⁈

まだ症状も云ってない!
問診票にも"痒い"としか書いとらん!

それやのに、お婆ちゃん先生は
あたしがお猫に顔面ダイヴしたことをお見通し。


「何でわかったんですか?」そう尋ねる私に向かって、「ふふふ」と笑う先生。

〜そう、
世の中には二種類の人間が存在する。

エスパーか、それ以外か....


〜後日談、
結局そのお医者では治らず
別のお医者に駆け込んだ.…

恐るべし!エスパー婆ちゃん先生。

*題名に出てくるジョージが何処にも出てこないことを懺悔します。

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