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「破壊も再生も今となっちゃあ全てが愛おしい。」その8.〜男たち〜①

その8.〜男たち。①

人生っちゅー舞台があるとすれば、
登場人物は多いほがいいの。

その中でも「男」役は沢山必要よ。

あたしの" ナカ " を通り過ぎていった男たち。

人数なんて野暮なことは聞かないで欲しいわね。

けど、
本当に心に残る男なんて
そうそう居ないもんよ。

良くも悪くも
ずっと覚えている男たちってのはね。

初めてのキスやセックスは
覚えている。

あたしには少し難しい経験があったりするもんだから、

その「初めて」は
もちろんあたしが望んでシた男のことよ。

すずらんのよに清らかな時も
あるにはあったのよ。

ほんとよ?

最初の相手と結婚とか出来るのかもって思ってた頃もあったわね。

そんなこと、今じゃ信じられないけども。

初めてのキスをした男は
その後、親友に寝取られた。

初めてのセックスをした男とは、
くっついたり離れたりしながら
気がつきゃ数年一緒にいたわね。

とても刹那的な二人は、
いつも周りを巻き込み迷惑をかけていた。

そうそう、
初めての救急車もこの男の時。

ビール瓶で頭をカチ割られる瞬間を初めて見たのはこの時だったわ。

もちろんコントで使うやつじゃないわよ?

けど、人間の頭ってのは
なかなかどうして頑丈に出来ているものね。



"シドandナンシー"

そんな風に言われることもあった二人。

セックスピストルズのシド.ヴィシャスと
その彼女のナンシーね。


そんなだから、
青春とか、そんな清々しいもんではなかったけど、ただただ一緒にいたかったのよ。

結局は、あたしたちら離れてしまったのだけどね。


その男のことは毎日好きだった。

あ、"毎日好き" は、
あたしにとっては珍しいことなのよ。


どんなに好きでも"3日1回好き"
ぐらいが関の山だったのだもの。


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