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「お玄関からお入りよ。」

〜お玄関を磨いて25年
四半世紀を玄関掃除と共に過ごしてきたわ。

お手洗いは勿論、
素手で磨く派のあたしです。


結婚してた時は
旦さんが経営者だったもんだから
なんていうのかしら
そゆ意味でせっせと磨いておりました。

好きよね、そゆの。


そして、二人はやがてセパレート

お玄関とお手洗いのお掃除だけが
あたしに染み付いて残りました。

目的などなく
ただただ黙々とルーティンをこなす。

お掃除ってそんなもんでしょ?奥さま


それがいつからか変わったわね、
あたしの心根が。


神さまや
仏さまは大変なのよ。

だってさ
皆んな一斉にお願いするやないか。

欲にまみれたお願いも、
誰かの幸せを願うことも、

神さま仏さまは叶えようとなさるもんだから
まあ、大忙しよ、あんた。


あたしが
神社仏閣で私ごとをお願いしなくなったのは
そんな氣餅からなのだけど、

今度はもっと変態的な考えに辿り着いたのよ。


ある日、
せっかく頂いてきたお札さんを
台無しにする事件が起きたわけなの。

あたし、
時々はなにかしらヤラかしますでんす。

悲しみを堪えてお札さんに謝りましたわ、全力で。


〜破れたり汚れたお札は元の場所にお返しする。


そんなことググるグーグルさんが云うのよ。

忍びねぇわよ、全く。

そんで、あたし
思いついたのよ。


「神も仏もあたしが癒す」


大胆不敵な考えは
まさに新感覚よね。

疲れた神さま仏さまは
うちで休んでってもらいましょっと!
あらよっと!出前一丁!

そこから、玄関を磨く手に
いっそう力がこもるようになった訳よ。


ええ勿論!
扉まで磨くわ!

お玄関ピカピカだったら
神さま仏さまが
あたしんチを見つけやすくなるだろ?

さあさあ、本日は
どんな神さま仏さまが
我が家にいらっしゃることかしら。


今日もせっせとお玄関を磨きます。

あれ?今
誰か扉をノックした?

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