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「あたしんちの植物は度々枯れる。」

あたしんちの植物は度々枯れる。

何を枯らしたか考えてみた。

丈夫で枯れないと言われる観葉植物も枯らす勢いのある あたし。

ガジュマル、アレカヤシ、オリーブ、

あ、幸福の木は枯らしちゃだめよね。

極め付けは柱サボテン🌵

結婚のお祝いに友達が贈ってくれたやつ。

「今日、お祝い届くからおうち居て〜」

なんて言うもんだから、

ワクワクしながら待ってたのよ。

玄関のチャイムが鳴って
パタパタと廊下を走って扉を開けたの。

そこには、
巨大な生き物が立っていた。

そびえ立つそれは
2mはあるかという柱サボテンで、

あたしの方を見て笑ってたわ。

そして、業者さんに家の中まで入れてもらって、

リビングに置いてみた。

うん、これは、夜中見たら怖いやつやな。と....

旦那が帰ってきて一言
「やり過ぎやな。」

確かにあたし、サボテン欲しいって言ったわよ。

そしたら、その子は結婚祝いに贈るわって言ってたわよ。

でも、そんな事を言った
あの時のあたしを今はシバきたい気持ちでいっぱいよ。

その友達は数々の豪快伝説の持ち主だった。

昔付き合ってた彼氏んちでご飯作るってなった時、
土鍋から炊飯器からおたまから
家財道具一式と共にタクシーで彼んちに乗り付け、
華麗に料理して、
また家財道具一式と共にタクシーで去って行ったと言う伝説を持っている女、

人から借りたニットのスカートで自転車に乗り、
渾身の力で自転車を漕ぎまくり
ケツの部分をサドル型に伸ばしたとゆー伝説の持ち主でもあるわ。

そんな彼女のスケールのデカさを
改めて思い知らされる結果となったわけだ。

2mの柱サボテンね。

うちの住人の誰よりも存在感があり、
もはや、サボテン様のお宅に居候しているような気にすらなったわね。

新婚家庭には
もしかしたら
不向きかも知れないから
一応、警鐘を鳴らしとくわ。

リビングでイチャイチャなんて出来ない。

だってサボテン様が見ていらっしゃるのだもの。

もし、ここがメキシコシティーでも
中々大きいほうのサボテンよ、きっと。

べサメムーチョが頭の中をリフレインしてるわ。

我が家の食卓に
タコスが並ぶようになったのはきっとその頃からよ。

そんなある日、
新婚のあたしたちが夜の儀式を終え
心地良い疲れで眠りに着いたレム睡眠中の出来事。

なんだか、リビングから物音?

ミシっ
ミシっ

「なんか音しない?」

あたしが旦那を起こした瞬間、

ドンガラガッシャーーーン!

えっ?泥棒?

慌ててそこら辺にあった棒っきれみたいなの持って
旦那の後ろに隠れリビングへ〜

「誰や⁈」

そう叫んで灯りを付けたら〜

そこには根元からポッキリ折れて横たわる
柱サボテン様がいた。

....2mのね。

〜午前2:37.
メキシコからやってきた柱サボテン、殉職....

死因は若き二人を見守るため
身をていしてリビングに張り込んでいたが
力尽き根腐れのため殉職。

サボテン警部!
あんた立派だったよ!
あたしら、あんたのこと忘れないよ!

柱サボテンよ、ありがとう!

....て、ゆーてる場合じゃなかったわ。

大きな植木鉢は無惨にひっくり返り、
大量の土がリビング中に散りばめられていた。

そして、そこに横たわる柱サボテン....

....2mのな。

デカいし、痛いし、
片付け終わる頃には夜も白々と明けていたわ。

太陽ってこんなに眩しかったかしら....

改めて朝日の素晴らしさを教えてくれた
柱サボテンに感謝の気持ちすら感じたわ。

そして、寝不足の旦那は出勤してった。

会社で眠そうにしていた旦那は、
「新婚さんは、これだからw」と冷やかされたとか冷やかされ無かったとか....

もはや説明する気力すら
その時の彼には残っていなかったのね。

それが発端で
旦那は会社を辞め独立したのよ....て、それは嘘よ。

後で調べてわかったのだけど、
サボテンて自分の身の丈の何倍も根を張らないと生きていけないそうよ。

あるものは地中深く、
あるものは何百メートルも横に長く。

まあ、デカい植木鉢如きじゃ
そもそもがお話しにならなかったってことよね。

その一件を友達に話したら、

「あのサボテンね、直に植るやつだったのを
無理くり鉢に入れて貰ったのよ〜」

って笑ってたわ....ふふ....

そんなこと....すな。

まあとにかく、
あたしんちの植物は度々枯れる。

それは、あたしたちの邪っ気を吸い取ってくれてるんだとか....

そうね、
あたし、色んなところで拾ってきてるのね。

昔から人の借金背負ったり、
喧嘩を止めに入ったあたしがボコボコにされたり、

まあお人好しでは片付けられないことが
沢山あったわね。

そんでもって、学習能力がゼロのあたしは
未だに時々 持って帰ってくるのね。

あたしがあんまり可哀想だから
植物があたしの痛みを吸い取ってくれているのだとか。

植物もいい迷惑よね、まったく。

今朝も朝起きてすぐ花瓶のお花の水を変え、
サボテンに霧吹きでシュッシュしましたの。

て、サボテン
まだ懲りとらんのかい!

あらま、なんてことでしょう?

ガジュマルがまた小さな葉っぱをつけてるわ。

命は繰り返すのねん。

我が家の植物さん
いつもありがとう。

〜愛を込めて....





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